
富士フイルムがX-H2S・X-H2・FT-XHの最新ファームウェアを公開


富士フイルムは、フラッグシップ寄りのXシリーズボディ「X-H2S」「X-H2」と、専用ファイルトランスミッター「FT-XH」向けに最新ファームウェアを公開しました。今回のアップデートは派手な新機能というよりも、スマートフォンや外部機器との無線通信のセキュリティ強化と、それに伴うメニュー仕様の見直しが中心となっています
この記事のサマリー

富士フイルムがX-H2 / X-H2S / FT-XHの最新ファームウェアを公開し、無線セキュリティ強化とスマホ連携仕様の見直しを実施

XApp前提の接続仕様への移行や、instaxダイレクトプリント廃止など、ネットワーク機能まわりの“土台”を大きく更新するアップデート

撮影機能の追加こそ少ないものの、X-H2 / X-H2Sをクラウド連携やリモート運用で長く安全に使うための重要な基盤整備となるファームウェア。
X-H2S・X-H2・FT-XHに最新ファームウェアが登場

富士フイルムは、フラッグシップ寄りのXシリーズボディ「X-H2S」「X-H2」と、専用ファイルトランスミッター「FT-XH」向けに最新ファームウェアを公開しました。今回のアップデートは派手な新機能というよりも、スマートフォンや外部機器との無線通信のセキュリティ強化と、それに伴うメニュー仕様の見直しが中心となっています。
X-H2SはVer.7.30、X-H2はVer.5.30へ更新され、それぞれ無線通信まわりが共通仕様に整理されました。公式情報によると、スマホアプリや外部機器に接続する際の通信セキュリティレベルが引き上げられており、その影響で旧環境との互換性がいくつか変わっています。
スマホアプリはXApp前提へ 古い端末は要注意
まず大きいのが、スマホアプリの要件変更です。今回のアップデートを適用すると、iOS版の「FUJIFILM Camera Remote」アプリとは接続できなくなり、iOS 13以降の端末で「FUJIFILM XApp」を使うことが前提になります。Android環境でも、Camera Remoteアプリ自体は使えるものの、Bluetooth 4.1以下のスマートフォンやタブレットからは接続できなくなり、Bluetooth 4.2以上が必須となります。古いスマホと組み合わせて使っていたユーザーは、この点に要注意です。
メニュー構成も変更 WIRELESS COMMUNICATION関連が整理
カメラ側のメニュー構成も変わります。「WIRELESS COMMUNICATION」関連の項目が、撮影設定・動画設定・再生メニュー、さらにFnボタンやパワーズームレンズのファンクション割り当て、ISOボタン設定などから一括で削除されます。代わりに、スマホアプリ側からの操作を基本にした設計へ寄せていく方針と言えそうです。
ネットワーク・USB設定にも影響があります。「NETWORK/USB SETTING」の中にある「SELECT CONNECTION SETTING」は、アップデート後に一度“1: UNIVERSAL SETTING”にリセットされます。そのため、Frame.io連携やFTPサーバーへのアップロードなどを利用している人は、アップデート後に再度設定をやり直す必要があります。業務でネットワーク連携を組んでいる方は、作業の合間に時間と心の余裕があるタイミングでアップデートしたほうが安心です。
instaxへのダイレクトプリントは終了に
もうひとつ地味に影響が大きいのが、instaxへのダイレクトプリント廃止です。最新ファームへ更新すると、X-H2S / X-H2からinstax SHARE SP-1/2/3へ直接プリントする機能は使えなくなります。今後は、XAppやCamera Remoteで一度スマホに画像を転送し、そこから専用のinstaxアプリでプリントするという二段構えになります。撮ってすぐカメラからinstaxへ飛ばしていたスタイルの人は、運用フローの見直しが必要です。
撮影機能の大幅追加はなし「土台のアップデート」という位置づけ
今回のアップデートはセキュリティと接続仕様が主眼であり、AFアルゴリズムや動画機能など撮影そのものに関わる新機能の追加はアナウンスされていません。既存の画質やAF性能が変わるアップデートというより、「これからのXApp連携やクラウド連携を見据えた土台作り」の性格が強いと言えるでしょう。
FT-XHもVer.2.30でセキュリティ強化
同時に公開されたFT-XHのVer.2.30では、X-H2S / X-H2と組み合わせて使用した際の外部機器との無線通信セキュリティが強化されています。Frame.ioやFTPサーバー、リモート収録など、ネットワーク越しにデータを扱うワークフローが増えているなかで、ボディ側とトランスミッター側の両方を最新ファームに揃えておくことが推奨されます。
アップデート前にチェックしたいポイント
アップデートにあたっては、次の点を押さえておくと良さそうです。
- 撮影で使う前に、FUJIFILM XApp / Camera Remoteを必ず最新版へ更新しておく
- 古いiPhone / Android端末、特にBluetooth 4.1以下の機種をまだ使っている場合は、接続できなくなる可能性を織り込んでおく
- Frame.io/FTP/テザー撮影などネットワーク系の設定は、アップデート後に再設定する前提でメモを取っておく
- instaxへのダイレクトプリントを多用していた人は、スマホ経由の新しいフローを事前に試しておく
まとめ
X-H2S / X-H2は、プロ用途からハイアマチュアまで幅広く使われている中核ボディです。今回のアップデートは「見えるところの機能追加」こそ少ないものの、セキュリティや接続仕様という、長く安心して使うための土台部分を更新する内容になっています。仕事で使う方はスケジュールに余裕のあるタイミングで、趣味で使う方もスマホ側の環境を整えたうえで、慎重にアップデートしていくのがおすすめです。
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