11/24予約開始 Thypoch Eureka 28mm f/2.8  ASPH.(M/X版)の予約開始日・発売日・価格・比較最新情報まとめ

11/24予約開始 Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.(M/X版)の予約開始日・発売日・価格・比較最新情報まとめ

Thypoch(タイポック)がライカMマウントと富士フイルムXマウントに対応した超コンパクトなパンケーキ広角レンズ「Eureka 28mm f/2.8 ASPH.」を正式に発表しました。この記事では、予約開始日や発売時期、価格、スペックはもちろん、ライカMユーザー・Xユーザーそれぞれにとってのメリット、競合レンズとの違い、実践での使い方まで詳しく整理しました。

Author
筆者
みんカメ編集部
みんなのカメラ編集部によるカメラに関する最新情報・レビューなどを毎日配信しています!ためになるプロのテクニックもご紹介。

この記事のサマリー

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Thypoch Eureka 28mm f/2.8は、重量約130g台・高さ19.5〜21.9mmの超コンパクトなパンケーキ広角レンズで、ライカMマウントと富士フイルムXマウントに対応します。

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先行予約受付は2025年11月24日〜2026年1月25日までと案内されており、出荷開始時期は2026年3月末ごろが予定されています。

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価格はレンズ単体459ドル約72,000円)、先行予約期間は約10%オフの413ドル(約64,700円)、クラシック系Mマウントレンズとしては手を出しやすい水準です。

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非球面レンズとHRIレンズを組み合わせた光学設計により、パンケーキながらシャープさと低歪曲を両立している点が大きな特徴です。

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ライカMユーザーにはフィルム・デジタル兼用の常用広角として、Xユーザーには換算約42mmのスナップレンズとして活躍が期待できます。抑えながら撮影を楽しめるでしょう。

Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.(M/X版)が11月24日予約開始

Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.は、2025年11月24日に公式に予約受付がスタートしました。Thypoch公式のプレセール告知では、予約期間は2025年11月24日20:00〜2026年1月25日10:00(UTC+8)と案内されており、日本時間だと11月24日21時頃から翌年1月25日11時頃までが目安になります。発売(出荷開始)時期については「2026年3月末ごろに入荷予定」と案内されています。先行予約を利用することで、割引価格が適用され定価$459(約72,000円)が$413(約64,700円)と案内されています。

商品名

Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.

対応マウント

Mマウント・Xマウント

メーカー販売価格

定価:$459(約72,000円)
先行予約:$413(約64,700円)

販売価格

国内:67,400円(税込)

発売日

2025年10月25日

予約開始日

2025年10月25日

予約・販売URL

Thypoch公式

焦点工房

予約期間とスケジュール感を把握する

まず押さえておきたいのが、予約期間の長さです。約2カ月という比較的余裕のある受付期間が設けられているため、情報収集をしながらじっくり検討することができます。ただし、人気が集中した場合はメーカー在庫が追いつかず、初回入荷分が早々に完売する可能性もあります。ライカMマウント向けの個性的な新製品は、世界中のマニアから注目されやすいので、気になる方は「予約期間の後半で決めればいい」と油断し過ぎない方が安心です。

発売時期は、前述の通り2026年3月末ごろがひとつの目安になります。春のストリートスナップやゴールデンウィークの旅行で使いたい場合、できるだけ早めに予約を入れておくと、受け取りタイミングを合わせやすいでしょう。納期は販売店やカラーによって前後することがあるため、具体的な入荷予定日については、購入予定のショップに事前確認しておくと安心です。

ラインナップ・カラーバリエーション

Thypoch Eureka 28mm f/2.8は、ライカMマウント版・富士フイルムXマウント版・M+Xアダプターセットという3つの構成で展開されています。公式発表では希望小売価格がM/X単体は459ドル、M+Xアダプターセットは479ドルで、プレオーダー期間中はいずれも約10%オフの413ドル/431ドルと案内されています。

カラーバリエーションは、公式には「Pearl White(パールホワイト)」と「Matte Black(マットブラック)」の2色展開です。販売店によっては「ホワイト」や「シルバー」といった表記になることもありますが、いずれもクラシカルな質感を重視した仕上げで、ライカMボディや富士フイルムXボディと自然に馴染むデザインになっています。

マウントごとのラインナップ整理

まずライカMユーザー向けには、「Eureka 28mm f/2.8 Mマウント版」が用意されています。これは距離計連動に対応した純粋なMマウントレンズで、ライカMシリーズや他社のM互換ボディにそのまま装着して使用可能です。レンジファインダーでピント合わせを楽しみたい方や、フィルムボディとデジタルボディを行き来したい方に適した構成と言えるでしょう。

富士フイルムXユーザーに向けては、Xマウント専用版のEureka 28mm f/2.8が用意されています。いずれも焦点距離28mm・開放F2.8というスペックですが、フランジバックやマウント形状はXボディ用に最適化されています。距離計連動は不要なため、純粋にミラーレスボディとの相性を優先した仕様になっています。

さらに、Mマウント版と専用M-Xアダプターをセットにしたパッケージも販売されています。このセットを選べば、ライカMボディと富士Xボディを併用するユーザーでも、レンズ1本で両システムを跨いで運用できます。将来的にシステム構成を変える可能性がある場合、アダプターセットの方が柔軟性が高く、長期的な投資として合理的な選択肢になるでしょう。

カラーバリエーションの選び方

Pearl Whiteは、1950年代のクラシックカメラを思わせる柔らかなトーンが特徴です。明るい色味のため、シルバークロームのライカボディや富士フイルムXシリーズのシルバーボディと組み合わせると、全体として軽やかで上品な雰囲気になります。ストリートスナップや旅先での使用でも「カメラ感」が出過ぎず、日常に溶け込むような佇まいになるのが魅力です。

Matte Blackは、いわゆる王道のレンジファインダーらしい見た目を重視する方に向いています。マット寄りの質感に仕上げられているため、指紋や細かな傷が目立ちにくく、ラフに扱っても外観が崩れにくい点が利点でしょう。ブラックボディのライカやXシリーズと合わせると、光の反射が抑えられ、撮影対象に意識を集中しやすいセットになります。

どちらのカラーも真鍮ベースの鏡筒で作られており、手にしたときのひんやりとした感触や、長く使うほどに出てくる経年変化を楽しめます。所有感を重視するタイプのユーザーであれば、ボディとの色合わせに加え、「時間が経ったときにどちらの色のヤレ具合が好きになりそうか」という視点で選んでみるのも面白いでしょう。

Thypoch Eureka 28mm f/2.8とは?レンズの基本スペックとコンセプト

Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.は、ライカMマウント版はフルサイズ対応、富士フイルムXマウント版はAPS-Cフォーマット向けのマニュアルフォーカス広角レンズです。どちらも重量は約130g台、高さは19.5〜21.9mmの範囲に収まるパンケーキ級の薄さを実現しています。

画角はフルサイズで28mm、APS-C(富士フイルムX)では約42mm相当となり、スナップや日常の記録に使いやすい画角です。開放F2.8からF16まで対応し、最短撮影距離は0.4m。非球面レンズと高屈折率レンズ(HRI)を組み合わせた設計で、コンパクトながら高い解像力と低歪曲を狙った一本になっています。

項目

ライカMマウント版

富士フイルムXマウント版

マウント

Leica M

Fujifilm X(Xマウント)

対応フォーマット

フルサイズ(35mm判)

APS-Cフォーマット

焦点距離

28mm

28mm(35mm判換算:約42mm相当)

画角

28mm相当の広角

約42mm相当の準標準画角

開放絞り

F2.8

F2.8

最小絞り

F16

F16

フォーカス方式

マニュアルフォーカス

マニュアルフォーカス

最短撮影距離

0.4m

0.4m

光学設計

非球面レンズ1枚+高屈折率レンズ(HRI)3枚を含む構成

非球面レンズ1枚+高屈折率レンズ(HRI)3枚を含む構成

特徴

高解像力・低歪曲志向のパンケーキ広角

高解像力・低歪曲志向のパンケーキ広角

質量

約130g台

約130g台

全長(高さ)

約19.5〜21.9mm

約19.5〜21.9mm

レンズカテゴリ

広角単焦点レンズ

準標準単焦点レンズ(換算約42mm)

フルサイズ対応28mm広角という立ち位置

フルサイズで28mmという焦点距離は、ストリートスナップや旅先の風景撮影で非常に使い勝手が良い画角です。24mmほど「広すぎず」、35mmほど「狭くない」絶妙なバランスで、日常の光景をそのまま切り取る感覚に近い視野を得られます。人を入れたスナップでも背景との距離感が取りやすく、構図の自由度が高い点も魅力でしょう。

ライカMマウントでは、35mm・50mmと並ぶ定番の焦点距離ですが、純正やサードパーティを含めて「本当に薄くて軽い28mm」は意外と選択肢が限られていました。そこにEureka 28mm f/2.8が登場することで、「常に付けっぱなしにできる28mmパンケーキ」という新しい選択肢が生まれた形です。

富士フイルムXマウントでは、28mmは約42mm相当の準標準画角に変わります。人の視野に近い自然なパースで撮影できるため、スナップだけでなくポートレートやカフェ撮影にも相性良好。XF27mm F2.8などの純正パンケーキとも競合しますが、マニュアルならではの操作感や描写の違いを楽しみたいユーザーに向いたレンズと言えます。

マニュアルフォーカス専用レンズとしての特徴

Thypoch Eureka 28mm f/2.8はAFを搭載せず、フォーカスは完全にマニュアルです。ライカMユーザーにとっては馴染みのあるスタイルですが、Xマウントユーザーにとっては「MFレンズをじっくり味わうきっかけ」になるでしょう。ピントリングの回転トルクはやや重めの設定で、微妙なピント位置を追い込みやすい感触に仕上がっています。

焦点距離28mmということもあり、絞りをF5.6〜F8付近まで絞ると、ゾーンフォーカスでかなりラフに撮ってもピントが合いやすくなります。街歩きでは「3m付近に合わせてF8で固定」など、昔ながらの撮り方を試すのも楽しいところです。MFに慣れていない方でも、広角レンズの被写界深度の深さが強い味方になってくれます。

富士フイルムXボディで使う場合は、ピーキング表示や拡大表示が頼れる相棒になります。ピーキングカラーを赤や黄に設定しておくと、被写体の輪郭にフォーカスが乗った瞬間が視認しやすく、ライブビュー撮影との相性も良好です。MFを練習する入門レンズとして考えても悪くない選択肢でしょう。

パンケーキレンズとしての携帯性

Eureka 28mm f/2.8の大きな特徴は、公称重量約130g台・高さ19.5〜21.9mmという圧倒的なコンパクトさです。ライカMボディに装着したままでも、ジャケットのポケットや小さめのショルダーバッグにすっぽり収まり、カメラを持ち出すハードルをぐっと下げてくれます。移動の多い旅や、荷物を極力減らしたいストリート撮影で真価を発揮するでしょう。

一般的な28mmレンズと比べると、フードを含めない状態ではほとんどボディの厚みと変わらない印象です。ミラーレス用の大口径28mmと併用しているユーザーであれば、機動力の差ははっきり体感できるはず。もう一台持ち歩く感覚で「M+Eureka」を携行できるので、撮影スタイルの幅が広がります。

富士フイルムX系ボディに装着した場合も、X-ProシリーズやX-Tシリーズとのバランスが良く、見た目も含めてコンパクトなセットが組めます。グリップの小さなX-Eシリーズなど小型ボディと組み合わせてもフロントヘビーになりにくく、肩や首への負担を

光学設計と描写傾向:非球面+HRIレンズの効果

Eureka 28mm f/2.8は、非球面レンズ1枚と高屈折率(HRI)レンズ3枚を含む光学系を採用しています。パンケーキレンズは「コンパクトだけど描写はそこそこ」というイメージを持たれがちですが、このレンズではサイズを抑えつつ、中心から周辺までのシャープさと低歪曲を両立させることを狙っています。

最短撮影距離は0.4mで、広角レンズとしては寄れる部類に入ります。開放F2.8では背景を大きくぼかすほどの浅い被写界深度にはなりませんが、被写体との距離を詰めて撮ることで、思いのほか立体感のある描写を得ることができます。

周辺までの解像力と歪曲収差

メーカーのアピールポイントのひとつが、「中心から周辺までの高い解像力」と「非常に小さい歪曲」です。一般的な広角パンケーキでは、画面の端に向かうほどコントラストの低下や歪みが目立ちやすくなりますが、Eureka 28mmではその弱点を抑える設計が謳われています。建築物の撮影や、フレームぎりぎりに被写体を配置する構図でも、ラインが素直に写ってくれる点は大きな強みでしょう。

もちろん、実写ではボディ側のセンサー特性や現像ソフトの補正状況にも影響されます。それでも、レンズ側で元々の歪曲が少なく抑えられていることで、後処理の補正量を減らし、画質劣化を最小限に抑えられるメリットは見逃せません。RAW現像時に大きな歪曲補正をかける必要がないと、四隅の解像感も残しやすくなります。

広角スナップでよくあるのが、「街灯のポールが微妙に曲がって見える」「ビルの縁がわずかに膨らんで見える」といったケースです。Eureka 28mmを使えば、こうした違和感を感じる場面が少なくなり、構図づくりに集中しやすくなるでしょう。特にモノクロやフィルムライクなカラー現像と組み合わせると、画面全体の落ち着いた印象がより引き立ちます。

開放F2.8でのボケと立体感

F2.8という開放値は、大口径レンズほど極端なボケ量は得られないものの、「被写体の輪郭をしっかり残しながら背景を柔らかく整理する」タイプの描写が得意です。特に0.4〜0.7mの距離で人物や小物を撮ると、ピント面はキリッとしつつ、背景は程よく溶けてくれるため、「シャープすぎて硬い」「ボケすぎて落ち着かない」といった極端な印象になりにくいのが好印象です。

広角レンズで背景を完全に溶かすと、場所の情報が失われやすくなりますが、Eureka 28mmのボケ量であれば、被写体と背景のバランスが取りやすく、ストーリー性のある写真を作りやすくなります。街角の雑踏やカフェのテーブルなど、環境を活かしたカットを撮りたいときにぴったりです。人物を中央から少しずらして配置すると、空間全体の雰囲気をうまく写し込めます。

光源のボケについては、非球面レンズを採用していることもあり、完全な円形ではなく、絞り値やフレーミングによって若干形が変わる傾向があります。ただ、それも含めて「現代レンズらしい整った描写」と「クラシックレンズらしい味」の中間を狙ったキャラクターと捉えると、個性として楽しめるでしょう。夜の商店街やイルミネーション撮影で、どの程度のクセが出るか試してみるのも面白いポイントです。

逆光耐性とコーティング

フロントにはマルチコーティングが施され、フレアやゴーストの低減が図られています。とはいえ、完全にゴーストゼロというわけではなく、強い逆光では光条やフレアがうっすらと現れる場面もあるでしょう。このあたりは、あえて少しクセを残し、クラシックレンズ的な雰囲気を楽しめるバランスに調整されている印象です。

逆光での描写を活かすなら、太陽や街灯を画面端に入れ、微妙に構図を振りながら一連のカットを撮ってみると良いでしょう。コーティングが効いている範囲と、あえて光が回り込んでくる範囲の違いが見えてきます。撮影時にEVFや背面液晶でフレアの入り具合を確認しながら調整すると、意図した「にじみ感」をコントロールしやすくなります。

保護フィルターを併用する場合は、コーティング品質の高いものを選ぶことをおすすめします。安価なフィルターだと、せっかくレンズ側で抑えたフレアがフィルターで再発してしまう場合もあるからです。フィルター径が小さいこともあり、ここは少し奮発しても全体の投資額は抑えやすいでしょう。

サイズ・重量・操作感:ライカMとのバランス

重量約130g台、高さ19.5〜21.9mmという薄さは、ライカMボディとの相性を強く意識した数値と言えます。M10やM11系だけでなく、フィルムMボディと組み合わせても前玉の出っ張りが少なく、レンジファインダーらしいシルエットを保ったまま持ち歩けます。

ピントリングと絞りリングは真鍮ベースの金属製で、質感はしっかり。操作トルクもやや重めに設定されているため、不意に動いてしまう心配が少なく、ストロボ撮影や歩き撮りでも安心して扱えます。

レンジファインダーでの視界とフレーム枠

ライカMボディでEureka 28mmを使う場合、基本的には28mmフレームか、機種によっては28/90mmの兼用枠が自動的に表示されます。レンジファインダーの実視野はレンズよりやや広く表示されるため、画面端の状況を確認しながら構図を詰めたいときに便利です。パンケーキレンズなので、ファインダーの隅を物理的に遮ることもほとんどありません。

28mmフレームに慣れていない方は、最初のうちは「思ったより画角が広かった」と感じるかもしれません。そこで、撮影後に背面モニターや現像時のプレビューで「ファインダー枠と実際の写り」を確認しながら、感覚を調整していくと良いでしょう。数日撮り続ければ、頭の中で「この位置ならこう写る」というイメージが固まってきます。

フードを付ける場合は、レンジファインダーの視界を遮りにくい薄型タイプを選びたいところです。ねじ込み式の小ぶりなメタルフードであれば、フレーム枠内に影響を与えにくく、外観の雰囲気も損ねません。28mmは視野が広いので、フードの影が周辺に落ちていないか、最初は念のため確認しておきましょう。

ピントリングと絞りリングの感触

ピントリングにはフォーカスタブが備わっており、指先の位置だけで距離感を把握しやすくなっています。手元を見ずに、タブの位置でだいたいの距離を決められるため、ストリートスナップのように素早い反応が求められる場面で役立ちます。距離目盛をざっと覚えておけば、夜の撮影でも迷いにくくなるでしょう。

絞りリングはクリックストップ式で、段刻みまたは1/2段刻みで調整できる仕様です。クリックの感触は明確で、手元を見なくても何段分動かしたか分かりやすく、露出操作を直感的に行えます。動画撮影ではクリック音が気になる場合もありますが、Eureka 28mmはもともとスチル向け色が強いレンズなので、ここは割り切って良いポイントでしょう。

リング類のトルクは、新品時点ではやや重めと感じるユーザーもいるはずです。ただ、真鍮鏡筒のレンズは使うほどにグリスが馴染み、程よい重さに落ち着いてくるケースが多いので、最初のうちは「育てるレンズ」としてじっくり使い込んでいく楽しみもあります。あまりにも重すぎると感じたら、販売店やメーカーに相談して調整を検討しても良いでしょう。

携行性とホールディングのバランス

パンケーキレンズの利点は、カメラ全体のシルエットをコンパクトに保てることです。Eureka 28mmを装着したライカMボディは、見た目にもすっきりしており、カメラバッグの隙間に収まりやすくなります。もう1本レンズを追加しても荷物がかさばりにくく、50mmや75mmとの2本構成で軽快なセットを組みやすいでしょう。

グリップのないフィルムMボディや、細身のデジタルMでも、フロント側が軽いためホールディングのバランスが取りやすいのも嬉しいポイントです。大口径レンズだと前に倒れがちな姿勢が、Eureka 28mmならほぼフラットに保たれ、長時間の撮影でも手首への負担が軽減されます。ストラップを肩掛けにして街を歩き回るシーンでも、カメラの揺れが少なく感じられるはずです。

小型軽量なセットは、撮影の「ついで感」を高めてくれます。カメラを持ち出すハードルが下がることで、結果的にシャッターを切る回数が増え、撮影の経験値も自然と蓄積していきます。Eureka 28mmは、そうした意味でも「カメラを生活に馴染ませるレンズ」として機能してくれるでしょう。

ライカMユーザー向けのチェックポイント

ライカMユーザーにとって、Eureka 28mm f/2.8は「常用広角」として現実的な選択肢のひとつと言えます。純正のSummicronやElmaritと比べて価格を抑えつつ、軽量コンパクトで機動力を大きく高められるため、日常使いの一本として非常に魅力的です。

フィルムM・デジタルMどちらでも使えるため、ボディをまたいだシステム構築もしやすくなっています。ここでは、Mユーザーが購入前に押さえておきたいポイントを整理していきます。

フィルムボディとの相性

フィルムMボディと組み合わせた場合、Eureka 28mmの「周辺減光の少なさ」が特に活きてきます。リバーサルフィルムはラチチュードが狭く、四隅が暗く落ち込むと鑑賞時に非常に目立ちますが、このレンズではそうした弱点を抑えることを意識して設計されています。露出を少しアンダー目に振っても角が極端に沈みにくく、安心してコントラストの高い現像を楽しめます。

ファインダー倍率0.72倍系のボディなら、28mmフレームも比較的見やすく、スナップ撮影にはちょうどよいバランスです。0.58倍系なら視野にかなり余裕があり、メガネ利用者でも28mmフレームの隅まで確認しやすくなります。逆に0.85倍系では28mmフレームが窮屈になるため、構図の確認に慣れが必要になるかもしれません。

フィルムで使う場合は、現像結果から「自分の使い方に合った露出傾向」を掴むことが大切です。数本撮影してみて、ハイライトやシャドウの出方が気に入れば、そのセッティングを基準値として身体に覚え込ませていくと、現場で迷いにくくなります。

デジタルMでの活用シーン

デジタルMボディでは、ライブビューやEVFが使えるため、近接時のピント合わせが非常に楽になります。最短0.4m付近ではレンジファインダーの連動が効かなくなるボディもありますが、その場合でもライブビューに切り替えれば問題なく撮影可能です。テーブルフォトや小物撮影など、通常のMレンズでは少し苦手な領域でも、Eureka 28mmなら積極的に狙っていけます。

高画素機のM11系やモノクロ専用機と組み合わせれば、細部の描写力を存分に味わえます。中心部の解像力はもちろん、周辺までしっかり写るため、画面全体を使った構図づくりがしやすくなります。ストリートフォトでは、フレームの端に情報を詰め込んだ密度の高い写真づくりにも挑戦しやすいでしょう。

RAW現像前提で撮る場合は、周辺光量や色収差の補正をLightroomなどで微調整できるため、自分好みの描写に寄せ込んでいく余地もあります。プリセットを作っておけば、「Eureka 28mmで撮ったカットだけ特定の色味に仕上げる」といった使い方も簡単です。

他のMマウントレンズとの組み合わせ

Eureka 28mmを導入する際に考えたいのが、「どの焦点距離と組ませるか」です。定番は50mmとの2本構成で、広角28mmと標準50mmがあれば、旅行からポートレートまでほとんどのシーンをカバーできます。Thypoch自身のEureka 50mm f/2を組み合わせれば、外観テイストが揃ったクラシカルなセットが完成します。

35mmや75mmを既に持っている場合は、撮影スタイルに合わせて入れ替えを検討しても良いでしょう。例えば「35mmと被り気味だから、より広い28mmに切り替える」「75mmを手放して、50mm+28mmの軽快な2本体制にする」といったイメージです。画角の被りが減ることで、現場でレンズ交換に迷う時間も短くなります。

いずれにせよ、Eureka 28mmは「常時ボディにつけておきたいレンズ」という性格が強いため、他のレンズは少数精鋭で組み合わせるのがおすすめです。バッグの中に余裕が生まれれば、バッテリーやフィルムの予備を多めに持ち出すこともでき、撮影の安心感が一段と増します。

競合レンズとの比較:Leica・Voigtländer・TTArtisan

レンズ名

立ち位置

Thypoch Eureka 28mm f/2.8 ASPH.

パンケーキ級の薄さと約130g台の軽量設計。クラシック外観×現代的光学を両立し、スナップ用の常用広角として使いやすい中庸バランス型。

Leica Summaron 28mm f/5.6

歴史的クラシックの復刻。極薄・軽量だが開放F5.6で実用性より“ヴィンテージ描写”重視。価格は高級・コレクター寄り。

Voigtländer Color-Skopar 28mm F2.8

実用性・描写・価格のバランスが最も安定。現代的でシャープ、軽量コンパクト。「実務向けパンケーキ広角」の王道ポジション。

TTArtisan 28mm f/5.6

低価格帯でクラシック風デザインを楽しめる“雰囲気優先”モデル。F5.6で暗め、描写は味寄り。入門・アクセントとして選ばれる立ち位置。

28mmという焦点距離は、ライカMシステムにおける定番広角のひとつです。そのため、純正・サードパーティ含めて多くの選択肢が存在します。ここではEureka 28mm f/2.8と、代表的な28mmレンズを比較しながら、どのあたりに強みがあるのか整理してみましょう。

候補として挙がるのは、Leica Summaron 28mm f/5.6、Voigtländer Color-Skopar 28mm F2.8 Aspherical VM、TTArtisan 28mm f/5.6などです。それぞれ方向性が異なるため、自分の重視ポイントと照らし合わせて検討することが大切です。

Leica Summaron 28mm f/5.6との比較

Summaron 28mm f/5.6は、ライカが過去のクラシックレンズを復刻したモデルで、極めて薄い鏡筒と独特の描写が特徴です。Eureka 28mm f/2.8とは「クラシックな外観」「パンケーキ的な薄さ」という共通点がありますが、決定的に違うのが開放F値と価格帯です。SummaronはF5.6スタートかつ新品価格が30万円を大きく超える一方、EurekaはF2.8で価格も1/3程度に収まるため、圧倒的に扱いやすく、導入しやすい存在と言えます。

描写傾向も異なります。Summaronは周辺減光や柔らかなコントラストを「味」として楽しむレンズであるのに対し、Eurekaは周辺減光を可能な限り抑え、現代的なシャープさを目指したレンズです。フィルムやモノクロでクラシックな雰囲気を追求したいならSummaron、オールマイティに使える常用広角としてはEureka、と棲み分けるとイメージしやすいでしょう。

所有感という意味では、ライカ純正のオーラはやはり別格ですが、実際に持ち出す頻度という観点ではEurekaに軍配が上がるケースも多いはずです。高価で希少なSummaronよりも、価格的に気負いなく使えるEurekaの方が、結果的にシャッター回数が増え、「自分の写真」に直結しやすいという見方もできます。

Voigtländer Color-Skopar 28mm F2.8との比較

VoigtländerのColor-Skopar 28mm F2.8 Aspherical VMは、現行のMマウント用28mmとして非常に人気の高い一本です。こちらも小型軽量で、現代的なシャープさと手頃な価格を両立しており、Eureka 28mmと真っ向から競合する立ち位置にあります。画質面ではどちらも高いレベルにあり、大きな優劣は付きにくいと考えてよいでしょう。

大きな違いは、デザインとコンセプトです。Color-Skoparはシンプルで実用的な外観にまとめられているのに対し、Eurekaは真鍮ベースの塗装や細部の意匠に強いこだわりが感じられます。「見た目のクラシックさ」や「所有する喜び」まで含めてレンズを選びたい場合、Eurekaの方が心に刺さるユーザーも多いでしょう。逆に、外観よりも実務的な使い勝手を最優先するなら、コシナ製の安心感を重視してColor-Skoparを選ぶのも合理的です。

価格レンジも近いため、「描写の違い」「デザイン」「ブランドの好み」の三点で最終判断することになります。可能なら実店舗で両方を手に取り、ピントリングや絞りリングの感触、外観の雰囲気を比べてみると、どちらが自分のスタイルに合うか直感的に見えてくるはずです。

TTArtisan 28mm f/5.6など格安系との比較

TTArtisan 28mm f/5.6は、Summaron 28mm f/5.6の外観を意識した低価格帯のMマウントレンズです。新規購入でも300〜400ドル程度で手に入るため、コスト重視のユーザーから支持されています。ただし、開放F値が5.6と暗く、周辺減光や収差も含めて「味」を楽しむタイプのレンズであるため、万能な一本としてはやや扱いづらい側面もあります。

その点、Eureka 28mm f/2.8はF2.8スタートで、日中はもちろん、少し暗い室内や夕景でもISOを上げすぎずに撮影できる余裕があります。描写もより整っているため、「一本で何でもこなしたい」タイプのユーザーにはEurekaの方が向いています。価格差はあるものの、長期的に見れば使用頻度の高さで十分に元を取れるレンズと言えるでしょう。

格安系レンズは写りの個性が強く、ハマると非常に楽しい存在ですが、「最初の一本」として選ぶと扱いづらさに戸惑うこともあります。Eureka 28mmは、その点でバランスの良いキャラクターを持っており、初めてのMマウント広角としても安心しておすすめできるポジションにいます。

どんな人におすすめ?購入判断のポイント

ここまで見てきたように、Thypoch Eureka 28mm f/2.8は単なる「見た目がクラシックなレンズ」ではなく、実用性と描写性能をしっかり押さえたパンケーキ広角です。ただし、誰にとっても最適解というわけではありません。自分の撮影スタイルや好みと照らし合わせながら、購入すべきかどうか判断していきましょう。

最後に、「こういう人には強くおすすめできる」「こういう人は別の選択肢も検討した方が良い」という観点から、いくつかのタイプを整理してみます。

おすすめできるユーザー像

まず真っ先に挙げたいのが、「ライカMや富士Xで、軽快な街歩きスナップを楽しみたい人」です。カメラを持ち歩く距離や時間が長いほど、レンズの軽さとコンパクトさは効いてきます。約130g台のパンケーキ広角なら、仕事帰りや買い物ついでにカメラを肩にかけて出かけるのも苦になりません。日常の何気ない瞬間を撮る習慣を身につけたい人にはぴったりです。

また、「クラシックな外観が好きだけれど、描写は現代的なシャープさが欲しい」という方にも相性抜群です。オールドレンズの味わいは魅力的ですが、ピントの歩留まりや周辺描写に悩まされることも少なくありません。Eureka 28mmなら、見た目の雰囲気はクラシカルなまま、現代のセンサーにしっかり応える解像力とコントラストを手にできます。

さらに、「初めてマニュアルフォーカスレンズに挑戦したいXユーザー」にもおすすめです。広角かつF2.8というスペックは被写界深度が比較的深いため、MFに慣れていない人でも実戦投入しやすい条件が揃っています。ピーキングや拡大表示を活用すれば、撮影を重ねる中で自然とピント合わせの感覚が身に付いていくでしょう。

別の選択肢も検討したいユーザー像

一方で、「AFで素早く確実に撮りたい」というニーズが強い場合は、Eureka 28mmはベストチョイスとは言えません。動きの激しい子どもやスポーツ、決定的瞬間を追うスナップなどでは、AF付きのレンズの方が歩留まりが高くなります。AF性能を最優先するなら、各社純正の広角ズームや単焦点をメインに据えた方が安心です。

また、「とにかく背景を大きくぼかしたい」という目的であれば、F1.4クラスの大口径レンズを検討した方が満足度が高くなります。同じThypochのSimera 28mm f/1.4や、他社の28mm F1.4クラスのレンズと比べると、Eureka 28mmのF2.8という開放値はボケ量ではどうしても劣ります。ボケよりも「場の雰囲気を含めて写したい」という方向性かどうかが判断材料になります。

最後に、「歴史的なレンズの復刻そのものに価値を求める」タイプのコレクターにとっては、オリジナルのSummaronやオールドのDallmeyerを追いかける楽しさもあります。Eureka 28mmはそうしたレンズにインスパイアされた存在ですが、あくまで現代的な再設計品であり、完全な復刻を求めるニーズとは少しベクトルが異なります。その点を理解した上で選ぶと、ギャップを感じにくいでしょう。

Thypoch Eureka 28mm f/2.8のまとめ

Thypoch Eureka 28mm f/2.8は、重量約130g台・高さ19.5〜21.9mmのパンケーキサイズでありながら、非球面+HRI構成による現代的な描写を備えたライカM/富士フイルムX用広角レンズです。2025年11月24日から2026年1月25日までの予約期間が設定されており、出荷開始は2026年3月末ごろと案内されています。価格もMマウント広角としては手を伸ばしやすい水準に設定されています。街歩きスナップや旅撮影の相棒を探している方は、自分のボディとの組み合わせや撮影スタイルを思い浮かべながら、「この軽さと画角が日常に馴染むかどうか」を一度イメージしてみてください。気になると感じたなら、予約受付中の今のうちに一歩踏み出してみる価値は十分にあるはずです。


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