
【リーク】Sony FX8 シネマラインカメラの発売日はいつ?価格予想・比較・予約まとめ
ソニーの新シネマライン「Sony FX8」が12Kフルサイズセンサー搭載という噂段階の情報が海外メディアを中心に話題になっています。まだ公式発表前の段階とはいえ、FX3・FX6・FX9ユーザーや、これから本格的に映像制作へ踏み込みたいクリエイターにとっては見逃せないトピック。この記事ではリーク情報を軸に、予想スペックや価格帯、発売時期の読み方、既存機との違い、どんな撮影シーンでメリットが出そうかを整理します。事前に押さえておくと、FX8を待つべきか、いまのうちに別機種を選ぶべきかの判断材料にもなります。
この記事のサマリー

Sony FX8は12Kフルサイズセンサー搭載が噂される次世代シネマライン機で、FX9と上位機(BURANOやVenice 2など)の中間ポジションに置かれると予想されます。

リークでは16ストップ級のダイナミックレンジや最大3つのベースISO、8K/4Kの高フレームレート対応など、プロ向けの動画性能があげられています。

価格に関する具体的なリークは出ていませんが、FX9とBURANOの中間帯に収まると予想する声もあり、100万円を超えるプロ・ハイアマチュア向けクラスになる可能性。

FX3・FX6・FX9、Blackmagic URSA 12KやREDなど競合機との違いを押さえることで、自分にFX8が必要かどうかを整理できます。
Sony FX8リークの全体像を押さえよう

Sony FX8の噂は、これまでも海外リークサイトでも継続的に取り上げられてきました。Photo Rumorsの最新記事では、12K対応のフルサイズシネマカメラというインパクトのあるキーワードとともに、FX9の実質的な後継機と受け止める意見も出ています。まずは全体像を整理しておくと、以降のスペックや価格の話がイメージしやすくなります。
FX8はどのポジションのカメラと置かれているか
FX8は、ソニーのシネマラインのなかで「FX9の上位後継として、Venice 2やBURANOとの間に位置づけられるのではないか」と予想されています。Eマウント採用のフルサイズ機で、12Kクラスの高解像センサーを搭載するというリークが複数の媒体で共通している点が特徴です。FX3やFX6が機動力重視のワークホースとすれば、FX8は解像度とダイナミックレンジを優先したハイエンド寄りのポジションになる、という見方が多い印象です。
現場目線で見ると、ドラマやCM、MV、ハイエンドYouTube制作など、映像の質で差別化したい案件をメインターゲットにしたカメラとして想定されているケースが多いでしょう。FX9からステップアップしたいチームや、BURANOまでは予算的に届かないけれど大型案件に耐えうるカメラが欲しい制作会社には、ちょうど良いバランスに映る可能性があります。
リーク情報の信頼度と注意しておきたいポイント
センサー解像度やフレームレートなど、複数の情報源でほぼ同じ数字が語られている項目もあり、ある程度整合性が取れてきた印象があります。ただし、どれもあくまで「公式発表前のリーク」であり、仕様が変更される可能性は常に残っています。
とくに12Kというスペックは技術的なハードルも高く、最終的には8Kセンサーとして登場するシナリオもゼロではありません。ファームウェアの成熟度や、発売時点での機能制限がどの程度あるかも未知数です。噂だけを前提に投資計画を固めるのではなく、「変化する前提」を頭に置きながら情報を追う姿勢が大切です。
現行シネマラインとのざっくりした関係
現行のシネマラインをざっくり並べると、エントリー寄りのFX3/FX30、機動力のFX6、オールマイティなFX9、そしてシネマ最高峰のVeniceやBURANOといった構成になります。FX8は、この中で「FX9のポジションを引き継ぎつつ、画素数と機能を大幅に強化する可能性がある機種」とイメージしておくと、スペックの位置づけが理解しやすくなります。
一方で、FX3やFX6と比べたときには本体サイズや価格がぐっと上がるはずなので、「とりあえずFX8を買っておけば安心」というカメラではありません。自分の案件規模や編集環境、現場人数を踏まえ、FX8クラスが本当に必要かを見極める視点が重要になります。
発売日・予約開始はいつになりそうか
FX8の発表時期については、2025年内という予想から、2026年のNABやIBCでの発表説まで、複数の見立てが存在します。ソニーがプロ向け映像機器を発表しやすいイベントのタイミングや、他社の動きを踏まえつつ、「いつ頃市場に出てきそうか」をイメージしておきましょう。
IBC 2025見送りから読み取れること
一部の海外メディアや掲示板では、「IBC 2025の前後でFX8が発表されるのではないか」という見立てが共有されていました。しかし実際には、2025年9月時点でソニーからFX8に関する公式アナウンスは出ていません。このことから、少なくとも「IBC 2025前後で登場する」という初期の予想は外れた形になっています。
12K対応のシネマカメラという性格上、完成度を優先して慎重にリリース時期を検討している可能性は高いです。いずれにしても、現時点で確定しているのは「FX8はまだ正式発表されていない」という一点だけであり、今後も公式情報を基準に冷静に状況を見ていく必要があります。
2026年前後の発表タイミング候補
今後もしFX8が発表されるとすれば、候補として名前が挙がりやすいのは毎年4月のNABや9月のIBCといった業界イベントです。ソニーは過去にIBC 2019でFX9を発表するなど、プロ向け映像機器をこうした場で公開してきた前例があります。そのため、12Kクラスの新シネマカメラが登場するなら同様のタイミングになるのではないか、という予想レベルの話が出ている状況です。
それとは別に、ソニー独自のオンラインイベントやプレスカンファレンスで突然発表される可能性もあります。近年は各社が自前の配信イベントを活用する傾向が強いため、「イベント=発表」という方程式は完全には当てはまりません。時期を具体的に特定することはできない以上、いつ出ても対応できるよう準備しておくくらいのスタンスで情報を追うのが現実的と言えるでしょう。
予想価格とターゲットユーザー像
FX8の価格はまだ一切公表されていませんが、FX9とBURANOのポジションからある程度のレンジを推測することはできます。ここでは相場感を踏まえつつ、どんなユーザー層がメインターゲットになりそうかを整理しておきます。購入を検討する際の予算計画の目安にもなるはずです。
FX9・BURANOから読み解く価格レンジ
FX9の発表時のボディ価格は海外でおおよそ1万1千ドル前後、日本では100万円前後からのスタートでした。一方、BURANOはその約2倍に近い価格帯に位置するハイエンドモデルです。FX8は性能的にFX9を大きく上回りつつも、BURANOよりは下に位置づけられると考える声が多く見られます。
そのため、ボディ単体で120〜200万円付近という価格帯を仮に想定しておくと、予算検討の目安にはなります。為替や市場状況によってブレは出るものの、「プロ向けとしては手が届くが、趣味用としてはかなりハードルが高い価格帯」というイメージです。本体に加えてレンズや外部レコーダー、メディア、バッテリーを揃えれば、初期投資はさらに膨らみます。
どんなクリエイターが狙い目か
価格レンジを踏まえると、メインターゲットは広告やMV、配信ドラマ、企業VPなどを中心に受注するプロダクションやフリーランスになるはずです。すでにFX6やFX9、αシリーズで業務を回している人が、より高解像・高画質なカメラを必要とするタイミングで候補に入りやすいでしょう。Netflixなど高い技術要件を課すプラットフォーム向けの案件では、12Kオーバーサンプリングによる4K・8Kマスターは説得力のある武器になります。
一方で、ブライダルやローカルイベント撮影が中心で、納品がフルHDメインの現場であれば、FX6クラスの方がコスパは良く感じられるはずです。自分のクライアントが何を求めているか、どこまで画質に予算を割いてもらえるかを、事前に冷静に見極めることが重要です。
FX8を待つべきか、既存機を買うべきか
すでにカメラ購入を検討している人にとっては、「FX8を待つべきか」という悩ましいテーマになります。すぐにでも撮影現場に投入する必要があるなら、発売時期が見えないFX8待ちはリスクが大きいです。その場合、FX6やFX3、あるいはα系ボディ+外部レコーダーで当面を乗り切り、FX8は次の更新タイミングで狙う戦略が現実的でしょう。
逆に、半年〜1年程度は今の機材で問題なく回せる、もしくは本格運用開始が先という状況なら、FX8の動向を見守る選択肢もあります。いずれにせよ、「FX8が出たら絶対買う」と決め打ちするのではなく、発表された仕様と価格を見たうえで、冷静に投資対効果を判断する姿勢が大切です。
リークされたFX8のセンサー・画質スペック
FX8のリークで最も注目を集めているのがセンサー周りです。フルサイズで約9600万画素クラスのセンサーを搭載し、その一部エリアを使って12K相当の映像を生成する構成が語られています。静止画用αシリーズとは違う設計ながら、将来的に写真機への展開も期待されるレベルの高解像センサーと言えるでしょう。
フルサイズ12Kセンサーと有効画素数のイメージ
3:2フルエリアで約9600万画素、動画で主に使う16:9エリアで約8100万画素クラスとされています。横方向は約1万2千ピクセルに達するとされ、フルHDのざっと6倍以上、4Kの約3倍の解像度を持つ計算です。理論上は非常に細かなテクスチャーや髪の毛の一本一本まで描き分けられるポテンシャルがあります。
実際の運用では、12Kそのものを視聴する機会よりも、12Kから8Kや4Kへオーバーサンプリングするケースが中心になるはずです。高解像センサーから解像度を落として出力することで、モアレや偽色を抑えつつ、シャープでノイズの少ない映像を得やすくなります。トリミング耐性も高いため、編集時のリフレーミングにもかなり余裕が生まれます。
ダイナミックレンジとベースISO構成
ダイナミックレンジについては16ストップクラスという数字が予想されています。VeniceやBURANOに迫るレンジが確保されるなら、ハイライトからシャドーまで粘りのあるグレーディング耐性が期待できます。CineEI運用を前提にしたカラーグレーディング中心のワークフローとも相性が良さそうです。
感度面では、ISO500/ISO2000/ISO8000といった3つのベースISOを持つ構成が噂されています。暗所ではより高いISOを使うことで、照明の限られる現場でもシャッター速度と絞りの自由度を確保しやすくなると期待されています。高画素センサーゆえのノイズ増加を、回路設計とマルチベースISO構成でどこまで抑え込めるかが、実機の評価ポイントになりそうです。
解像度と高感度のバランスをどう見るか
12Kクラスのセンサーは、どうしても1画素あたりのサイズが小さくなります。そのため、同じフルサイズでもFX6のような低画素センサーと比べると、極端な高感度撮影では不利になる可能性があります。被写体やロケーションによっては、解像度よりもノイズの少なさを優先したい場面も少なくありません。
一方で、12Kで撮って4Kに落とすことで、ノイズ粒が細かくなり、見た目としては「滑らかで粒状感の少ない絵」に感じられる場合もあります。夜景や暗所撮影では、実際の映像サンプルが出てくるまで評価は保留としつつ、「高感度最強」というよりは「解像度とダイナミックレンジを重視した画作りのカメラ」と捉えておくとバランスが良いでしょう。
動画機としての撮影性能とワークフロー
センサーが魅力的でも、フレームレートや記録方式が現場のニーズに合わなければ、本当の意味での「使えるカメラ」とは言えません。FX8のリーク情報では、8Kと4Kでの高フレームレートや、内部XAVC記録と外部RAW出力の組み合わせが話題になっています。ワークフロー視点でイメージしておくと導入後のギャップが少なくなります。
8K・4Kのフレームレート構成
現時点の情報を整理すると、フルフレーム読み出しで8K30pと4K60p、センサー中央の約3.8Kクロップを使った4K120pあたりが有力とされています。Super35クロップを活用した8K撮影にも対応するという話もあり、フルサイズとS35を撮り分けたい現場には嬉しい構成です。高解像のままフレームレートも欲しいという要望に、かなり踏み込んだ形で応えている印象があります。
4K120pがわずかなクロップで実現できるとすれば、スローモーションの自由度はかなり高くなります。水しぶきやダンス、スポーツなど動きのあるカットを多用するMV案件では、FX8一台でほとんどの映像をまかなえるようになるかもしれません。
内部XAVCと外部RAW出力の役割分担
内部記録については、リーク情報ではソニーのXAVCコーデックのみが記載されており、内部RAWやX-OCNには対応しないとされています。ProResなど他形式の内部収録については現時点の噂では言及がなく、RAWが必要な場合はSDI経由で外部レコーダーに16bit RAWを出力する構成になる、という情報が共有されています。XAVCは編集負荷と画質のバランスが良く、長時間のドキュメンタリーや取材系の収録には十分実用的なフォーマットです。
一方で、カラーグレーディング耐性を最大限に引き出したい案件では、対応する外部レコーダーを用いてProRes RAWやBRAWなどに変換して保存する運用が想定されます(具体的な対応フォーマットはレコーダー側の仕様次第です)。RAW収録を常用するならレコーダーやメディアのコストも見込んでおく必要がありますが、案件に応じて「内部XAVCで機動力重視」「外部RAWで画質最優先」と切り替えられる柔軟さは、大きな武器になります。
編集・ストレージへの影響をイメージする
8Kや12Kのオーバーサンプリング映像は、どうしてもデータ量が増えます。たとえ最終納品が4Kであっても、撮影素材のビットレートは従来の4Kカメラより高くなる可能性が高いです。長尺の案件やマルチカム収録では、ストレージの増設やバックアップ体制の見直しがほぼ必須でしょう。
編集面では、ハイエンドPCであってもネイティブ編集が重くなる場面が出てきます。プロキシ編集や、事前にオフライン用の低解像度クリップを生成するワークフローを想定しておくと安心です。FX8の導入を機に、PCやNASを含めた「スタジオ全体のアップグレード」を段階的に計画しておくと、後から慌てずに済みます。
ボディデザイン・操作性・手ブレ補正のポイント
リーク情報では、FX8はFX9より一回り小さなボディになるとされています。電子式可変NDや冷却機構について具体的なリークは出ていないものの、既存のFX9やBURANO同様の装備を期待するユーザーは多く、現場での扱いやすさに直結する部分として注目されています。
サイズ感と冷却設計のバランス
サイズに関しては「FX9より小さいがFX6よりは大きい」あたりが落としどころになりそうだと見られています。フルサイズ12Kセンサーと高性能プロセッサーを搭載する以上、完全なコンパクトボディは現実的ではありません。長時間の8K収録を安定してこなすには、内部にしっかりした放熱構造と大型ファンが必要になります。
一方で、FX9クラスから少しでも軽量化されれば、ジンバル運用や一人撮影での負担は確実に減ります。リグを組む前提であっても、ベースとなる本体が軽いほど自由度は高くなります。肩載せスタイルとジンバル・三脚スタイルの両方を想定するなら、FX8くらいのサイズ感は現場にとって現実的な落としどころになりそうです。
電子NDやインターフェース周りの期待値
ソニーのシネマラインで評価が高い機能のひとつが、可変式の電子NDフィルターです。FX8についても、現時点のリークに明記はないものの「電子NDは継承されるはず」という期待が非常に強い印象です。露出を変えずにシャッター速度や絞りを維持したまま明るさだけをコントロールできるため、屋外撮影や急な明るさの変化に非常に強くなります。
インターフェース面では、マルチチャンネル対応のXLR入力や、タイムコード端子、フルサイズSDI出力など、プロ現場で必要とされる端子類がどこまで搭載されるかがポイントです。音声モジュールを着脱式にすることで、必要なときだけ大型ハンドルを付けられる構成が噂されており、ジンバル運用とENG的な運用を柔軟に切り替えられると期待されています。
シネマカメラとしてのIBIS搭載の意味
FX8のリーク情報のなかでユニークなのが、ボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載する可能性が示めされている点です。BURANOはシネマカメラとして初めてフルサイズセンサーとPL/EマウントでIBISを実装したモデルですが、その流れを受けてFX8でも類似の仕組みが採用されるのではないか、という声があります。レンズ内手ブレ補正との協調制御がどこまで実現するかは不明ですが、実装されれば手持ち撮影の自由度は大きく変わります。
もちろん、ジンバルほど完璧に滑らかな映像になるわけではありません。それでも、歩きながらのワンカットやドキュメンタリー撮影、狭い室内で三脚を立てづらい場面などでは、IBISの有無が歩留まりに直結します。特に少人数チームや一人撮影では、「三脚を立てるか迷う微妙なシーン」でIBISが心強い保険になってくれるでしょう。
FX3・FX6・FX9・BURANOとの違いを整理
ソニーのシネマラインはすでに豊富なラインナップを持っているため、FX8を検討するときは既存機との違いを整理しておくと判断しやすくなります。ここではFX3/FX30、FX6、FX9、BURANOと比較しながら、FX8がどのあたりに位置づけられそうかを見ていきます。
機種名 | 立ち位置・特徴 |
|---|---|
FX3 / FX30 | 小型軽量ボディでVlog・少人数チーム向きのエントリー〜ミドルクラス・シネマライン。機動力とコスパ重視で、「αベースの動画専用機」というポジション。 |
FX6 | 4K高感度とAF・ND・端子類を兼ね備えた“機動力重視の業務用シネマ機”。一人撮影から小規模チームまで、ドキュメンタリーやブライダルでメインを張れるワークホース。 |
FX9 | 6Kセンサーからの4K出力と電子NDで、放送・企業VP・ドラマまで幅広くカバーする“Eマウント中核シネマ機”。ワークフローと信頼性を優先したオールラウンダー。 |
FX8(リーク段階) | 12Kクラスのフルサイズセンサーが噂される、FX9の上位後継候補。FX3/FX6より画質・解像度寄り、BURANOよりは汎用性寄りの「フルサイズ・ハイエンド系シネマライン」として期待されているポジション。 |
BURANO | Venice譲りの画作りと8.6Kセンサー、PL/E両対応・IBISを備えた“映画・ドラマ寄りのハイエンド実戦機”。本格的なシネマ案件をターゲットにした上位プラットフォーム。 |
FX3/FX30との違い:Vlog機からのステップアップ
FX3やFX30は、小型軽量でVlogや少人数撮影に適したボディが特徴です。センサー解像度は4K運用を前提としており、持ち運びやすさと高感度性能のバランスに優れています。FX8はこの2機種と比べると、サイズも価格もぐっと上がる代わりに、解像度やダイナミックレンジ、インターフェースの充実で明確な差別化が図られそうです。
すでにFX3/FX30で案件をこなしている人がFX8に移行する場合、ジンバルや三脚、バッグなど周辺機材の見直しも必要になります。そのぶん画質面での伸びしろは大きく、同じレンズでも全く別物の絵作りができるようになる可能性があります。
FX6/FX9と比べたときの解像度・運用の差
FX6は4K高感度特化型、FX9は6Kセンサーからの4K出力で画質を高めた万能機といった立ち位置です。それに対して、FX8は12Kセンサーという数字だけを見ると「完全に別クラス」のカメラになります。とはいえ、全ての案件で12Kが必要というわけではありません。
運動会やブライダルなど、納品フォーマットがフルHD中心の現場では、正直FX6の方が扱いやすいでしょう。逆に、配信ドラマや広告、MV制作など、今後も長く使われる映像アーカイブを作りたい案件では、FX8の高解像とオーバーサンプリングの恩恵は大きくなります。「いまのクライアントワークで本当に12Kが必要か」を冷静に考えることで、FX6/FX9とFX8の棲み分けが見えてきます。
BURANOとのすみ分け
BURANOはVenice譲りの画作りと8.6Kセンサー、PLマウントとEマウントの両対応、そしてシネマカメラとしてのIBIS搭載など、完全に映画・ドラマ制作寄りのカメラです。FX8は同じEマウントを採用しつつも、より汎用性の高いシネマカメラとして位置づけられると予想されます。解像度はFX8の方が上回る可能性もありますが、総合的な画質チューニングやPLレンズとの相性ではBURANOに軍配が上がる場面も多いでしょう。
予算や案件規模的にBURANOはオーバースペックだけれど、αシリーズでは物足りないという制作チームにとって、FX8は「現実的なフルサイズハイエンド」として魅力的な選択肢になります。逆に、すでにVeniceやBURANOクラスを運用している現場では、FX8はBカメラ・Cカメラとしての導入が現実的かもしれません。
Blackmagic・RED・Canonとの比較視点
FX8を検討する人の多くは、Blackmagic URSAシリーズやRED、Canon Cinema EOSなど他社システムとも比較するはずです。ここではスペックの優劣だけでなく、ワークフローや予算、運用スタイルの観点から、どういった違いが出そうかをイメージしてみましょう。
システム / ブランド | 立ち位置・特徴 |
|---|---|
Blackmagic(URSA 12Kなど) | 12K Super35センサーやBRAWを武器に「高解像 × RAWワークフロー」へ振り切ったシステム。価格は抑えめで導入しやすいが、AFやIBISより“照明ありき”のスタジオ・作品制作向け。 |
RED(KOMODO/V-RAPTORなど) | R3Dコーデックと強力なモジュラー構成で、映画・ドラマの本格制作に深く浸透した“シネマ系プラットフォーム”。8K中心の高画質とワークフローの強さが特徴で、システム全体で組む前提。 |
Canon Cinema EOS(C70/C300/C500など) | 色再現・操作性・ワークフローの素直さに定評ある「総合バランス型」シネマライン。4K〜5.9K中心で、既存のEF/RFレンズ資産も活かしやすく、現場での扱いやすさ重視のチームに向く。 |
Blackmagic URSA 12Kとの共通点と違い
URSA Mini Pro 12Kは、すでに12K収録を実現している数少ないシネマカメラです。Super35センサーとBlackmagic RAWを組み合わせた構成で、12Kで撮って4Kに落とすオーバーサンプリング運用を前提としています。価格もフルサイズシネマとしては比較的抑えられており、ハイエンド志向の個人クリエイターにも手が届きやすい点が魅力です。
FX8はフルサイズセンサーとソニーのAF・色科学、Eマウントレンズ資産を活かせる点が大きな違いになります。URSAはAFやIBISよりもRAWワークフローを重視した設計のため、「手持ち撮影が多い」「少人数で機動力が欲しい」現場では、FX8の方が扱いやすい可能性があります。逆に、スタジオ撮影でガッツリ照明を組み、RAW前提でじっくり作品を作るなら、URSAのコスパも捨てがたいです。
REDシステムとのワークフロー比較
REDは8Kクラスのシネマカメラで長年実績を築いてきたブランドです。R3Dコーデックを中心としたワークフローは映画やドラマの現場で定番となっており、カラーグレーディングやオンセットモニタリングも含めたシステムとして完成度が高いです。とはいえ、ボディ価格やメディア、アクセサリーを含めたトータルコストは高くつきがちです。
FX8は、ソニーの既存Eマウントレンズやアクセサリーを流用できる点で、導入ハードルを下げやすいポジションに立ちます。RAWは外部レコーダー頼りになるものの、XAVCベースのワークフローなら既存の編集環境で無理なく運用しやすいはずです。RED的なガチのシネマワークフローまで必要か、それとも「放送・配信向けの高画質」が確保できれば十分かで、FX8とREDのどちらがフィットするかが変わってきます。
Canon Cinema EOSユーザーがFX8を検討するなら
CanonのCinema EOSシリーズは、色味や扱いやすさで根強い人気があります。C70やC300 Mark III、C500 Mark IIなどは、4K〜5.9Kクラスで非常にバランスの良いカメラです。現時点で12Kはおろか8K業務機も限定的なため、「解像度だけを見るとソニーに一歩先を行かれた」という印象を持つユーザーもいるかもしれません。
ただ、レンズマウントや色の好み、既存ワークフローとの相性を考えると、簡単にソニーへ乗り換えるのは現実的ではないケースも多いです。FX8が魅力的に見えても、まずはレンタルで試し撮りし、自社のグレーディングや納品テンプレートに馴染むかを見てから判断するのがおすすめです。CanonユーザーにとってのFX8は、「メイン機乗り換え」よりも「案件によって借りて使い分ける選択肢」として意識しておくとバランスが良いでしょう。
Sony FX8のまとめ
Sony FX8は、フルサイズ12Kセンサーや16ストップ級のダイナミックレンジ、8K/4Kの高フレームレート対応など、現時点のリークだけ見ても非常に野心的なシネマカメラになりそうです。一方で、価格や編集負荷を含めたトータルコストは決して軽くなく、「なんとなく欲しい」で手を出す機種ではありません。自分の案件内容やクライアントの要望、既存機材とのバランスを整理しながら、公式発表後に冷静な目で比較検討していきましょう。気になる人は、いまのうちから編集環境やワークフローを整えつつ、発表のタイミングで試写やレンタルを活用して、実際の使い勝手を確かめてみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
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