
【2025年版】RF24-105mm F4-7.1 IS STMのレビュー比較まとめ
キヤノンRFマウントの標準ズームの中でも、なるべく予算を抑えつつフルサイズの楽しさを味わいたいという人から特に支持されているレンズの1つが「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」でしょう。軽くて、焦点距離の守備範囲も広くて、おまけにマクロ的な寄りまでこなす一本。一方で開放F値はF4-7.1と控えめで、実際の使い勝手が気になっている人も多いです。この記事では、複数の実機レビューも踏まえつつ、おすすめな人/不向きなケース、競合比較までを紹介していきます。
この記事のサマリー

RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、軽さと価格を優先してフルサイズを楽しみたいユーザー向けの「標準キットズーム」

画質は価格以上の出来で、レンズ補正を前提にすれば旅行・スナップ・家族写真まで安心して使えるクオリティ

STM駆動のAFと5段分の手ブレ補正により、静止画だけでなくVlogや動画撮影でも扱いやすさが光る

RF24-105mm F4 L IS USMやRF24-240mm、RF-S 18-150mmと比較すると、最高画質よりも「軽快さとコスパ」で勝負する立ち位置

暗所やボケ量には割り切りが必要なものの、フルサイズ入門やサブ用レンズとして今でも有力な選択肢と言える
RF24-105mm F4-7.1 IS STMのレビュー要点:どんな人におすすめで、どんな人には不向きか

RF24-105mm F4-7.1 IS STMの把握として、まずは「このレンズがハマる人」と「ちょっと違う人」を整理しておきましょう。ざっくり言うと、軽くて価格を抑えたフルサイズ標準ズームが欲しい人にはピッタリ、暗所やボケを最優先したい人にはやや物足りない、という立ち位置です。実機レビューでも評価が分かれるポイントはほぼ共通しているので、その傾向も踏まえてイメージを固めていきます。
RF24-105mm F4-7.1 IS STMが刺さるユーザー像
旅行や家族スナップを気軽に撮りたい方にとって、このレンズはかなり心強い相棒になります。24-105mmという焦点距離レンジは、風景・街並み・ポートレート・ちょっとしたクローズアップまで一通りカバーできるからです。一本で済ませたい派にとって、レンズ交換のストレスを減らしてくれるのは大きなメリットでしょう。
Cameralabsは実機レビューで、本レンズを「EOS Rシステムが待ち望んでいた低価格のキットズームと評し、コンパクトで軽量・低価格でありながらフレーム全域でしっかりしたシャープさが得られる」と評価しています。特に、可変F値をあえて受け入れることで、小型・軽量・低価格を両立させた点を高く評価しており、EOS RPとの組み合わせで総重量1kg未満に収まる点も強調しています。
Amateur Photographerのレビューでも、長所として「コンパクトで軽い・操作感が滑らか・手ブレ補正が優秀・画質が良好・価格に対して価値が高い」といった点が挙げられており、最終評価は5点満点中4.5点と高スコアです。フルサイズ入門機クラスのEOS RPやEOS R8とのキット構成で使うことを前提にすれば、まずこの一本で始めて、物足りなくなったら単焦点やLレンズを足すというステップアップもしやすいレンズと言えます。
相性が悪いケースと限界を知っておきたい人
一方で、暗所撮影が多い人や「とにかく大きなボケが欲しい」という人には、RF24-105mm F4-7.1 IS STMは少し厳しめです。望遠端105mmでF7.1という明るさは、体育館のスポーツやライブハウスのようなシーンではシャッター速度かISO感度のどちらかをかなり妥協する必要があるからです。日中の屋外では問題なくても、夜や室内では露出の自由度が狭くなります。
複数のレビューで、変動する開放F値の影響で暗所や室内ではシャッター速度かISO感度のどちらかを大きく妥協する必要がある点が指摘されています。Amateur Photographerのレビューでも、室内や低照度撮影では最大F値の制約から撮影難易度が上がると記されており、スポーツや動物など動きの速い被写体を暗い環境で撮る場合には限界があると考えておくと安心です。
さらに、防塵防滴仕様ではないことや、純正フードが別売りな点も、ハードユースを想定している人にとってはマイナス材料です。雨の日のアウトドア撮影や、砂埃の立つ現場での長時間運用を考えるなら、やはりLレンズの方が安心感は高くなります。プロ用途や作品撮りをガチで攻めたい人にとっては「サブには良いがメインには足りない」と感じる場面も出てくるでしょう。
要素別レビュー早見表
要素 | 評価・ポイント |
|---|---|
画質・描写 | 価格以上のシャープさで日常用途は十分。ただし広角端の四隅はソフトで、歪曲・周辺減光はレンズ補正前提。 |
AF・レスポンス | 静止画・動画ともAFは高速かつ静かで信頼性高い。上位USMよりわずかにマイルドだが、実用上の不満はほぼ出ないレベル。 |
動画撮影 | 軽さ・静かなAF・手ブレ補正のおかげでVlogや家族動画には好相性。ただし可変F値のため、ズームしながら撮ると露出変化が出やすい。 |
携帯性とビルドクオリティ | フルサイズ用24-105mmとしては異例の軽さとコンパクトさで、旅行・スナップ向き。防塵防滴でないこととフード別売りが弱点。 |
手ブレ補正と暗所性能 | レンズISは実測でも約5段分と優秀で静止物の夜景・室内はかなり粘れる一方、望遠端F7.1の暗さで動体や極端な暗所には不利。 |
近接・マクロ撮影 | MF時0.5倍まで寄れる簡易マクロ性能で、テーブルフォトや小物撮影に強い。ただしCenter Focus Macro時は中央以外が急激に甘くなるクセあり。 |
基本情報のおさらい:発売日・価格・スペックの重要ポイント
RF24-105mm F4-7.1 IS STM レビューを深掘りする前に、発売時期やスペックの要点を整理しておきます。いつ発売されたレンズで、今どれくらいの価格帯なのか、どんな仕様が売りなのかを押さえておくと、競合レンズとの比較がぐっと分かりやすくなります。
発売時期と販売価格
RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、RFマウント初期ラインアップを補完する形で2020年2月に発表され、同年4月9日に国内発売がスタートしました。キヤノンオンラインショップでの発売当初の販売価格は66,000円(税込)と案内されており、フルサイズ対応標準ズームとしては比較的手に取りやすい設定で注目を集めました。現在は73,150円(税込)でやや上がったとはいえ、引き続き純正としては手頃な価格帯に位置するレンズです。
RF24-105mm F4-7.1 IS STMのおさえておきたい主要スペック
項目 | 内容 |
|---|---|
焦点距離 | 24-105mm(約4.4倍ズーム) |
開放F値 | F4(広角)〜F7.1(望遠) |
レンズ構成 | 11群13枚(非球面レンズを含む) |
手ブレ補正 | 光学式IS(約5段分) |
最短撮影距離(AF) | 0.2m(24mm)/0.34m(105mm) |
最短撮影距離(MF) | 0.13m(Center Focus Macro) |
最大撮影倍率 | 0.4倍(AF時)/0.5倍(MF時) |
フィルター径 | 67mm |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
サイズ | φ76.6mm × 88.8mm |
重量 | 約395g |
備考 | 防塵防滴なし、フード別売(EW-73D) |
光学設計は11群13枚で、非球面レンズを活かした小型設計が特長です。24-105mmの約4.4倍ズームながら、全長88.8mm・395gとフルサイズ標準ズームとしては非常に軽量。開放F値はF4〜F7.1の可変式で、明るさより携帯性を優先したバランスです。最短撮影距離はAFで0.2〜0.34m、MF時は0.13mまで寄れるCenter Focus Macroで最大0.5倍撮影に対応。光学式ISは約5段分で、IBIS非搭載のEOS RPでも安定した手持ち撮影が可能です。
画質・描写のレビュー:解像力とボケの実力

レンズ設計として歪曲や周辺減光をソフトウェア補正前提で割り切っているぶん、最終的な仕上がりがどこまで持ち上がるかが重要になります。もっとも気になる部分でもあり、多くの媒体で厚めに評価が述べられています。海外レビューの実写結果を交えつつ、解像力やボケ、収差の傾向を整理していきます。
解像力と全体的な描写バランス
Cameralabsのテストでは、ズーム全域・開放近辺からフレームの中央・周辺ともに「思った以上にシャープ」だと評価されています。24mm F4でも中央は十分細部が出ており、絞り込んでも解像がほとんど変わらないことから、開放から使って問題ないとされています。50mmや105mm側でも同様に、中心部のディテールは開放からしっかりしているという結果です。Amateur Photographerも総括で「非常に良い画質」と明言し、価格帯を考えると十分以上の解像性能を持つと評価しています。プロユースのLレンズと比べれば厳しく見える部分もあるものの、エントリー〜ミドルクラスのボディに装着する前提であれば、解像に不足を感じるケースは多くないはずです。
Digital Camera Worldは、このレンズを「非常に有能なレンズで、本物のスイスアーミーナイフだ」と表現しています。24-105mmの焦点域と0.5倍マクロのおかげで、ポートレートからテーブルフォト、簡易マクロまで幅広くこなせる一方、ポートレート距離でのF7.1はボケ量を制限すると指摘。ただし価格を考えれば「画質と機能はほとんど文句のつけようがない」とまとめており、“何でもそこそこ良くこなす一本”として評価しています。
一方、Optical Limitsは実機レビューにて、「光学的な素の状態では“サブスタンダード”、周辺減光と歪曲は“目を疑うレベル”」とかなり辛口の評価をしています。ピクセル等倍で隅々まで厳しくチェックすると弱点が見えてくるものの、中央部のシャープさ自体は価格帯を考えれば悪くないとされており、2000〜3000万画素クラスのボディで一般的な用途に使うぶんには大きな問題になりにくいというトーンです。
ボケの量と質、収差のクセと補正の前提
ボケ量については、可変F値の限界を踏まえて期待値を調整しておく必要があります。広角側ではF4スタートとはいえ、被写体との距離があると背景は大きくはボケません。中望遠の105mm側でもF7.1なので、ポートレートで背景を大きく溶かしたい人にとっては力不足に感じる場面が出てきます。ただし、被写体にしっかり寄れば、近接距離では思った以上に背景が柔らかく崩れてくれます。
ボケの質自体は、このクラスの標準ズームとしては素直です。絞り羽根7枚の円形絞りで、ほどよく丸いボケを維持しやすく、二線ボケが強く出るようなクセも目立ちにくい傾向です。Cameralabsでも、近接撮影時には0.5倍マクロと相まって「十分に大きなボケ」を得られると紹介されており、被写体との距離を詰める使い方を意識すれば表現の幅は意外と広いと感じるはずです。
一方、歪曲収差と周辺減光は「補正前提」で割り切った設計です。RAWでレンズ補正を切ると、24mm側の樽型歪曲や四隅の暗さがかなり目立ちますが、カメラ内補正と現像ソフトのレンズプロファイルを適用すれば大きく改善します。最近のRFレンズらしく、「光学だけで完結させず、ボディの演算能力も込みで完成させる」発想なので、JPEG撮って出し派や自動補正を前提にするなら特に問題はありません。
AF・レスポンスのレビュー:静止画と動画のピント合わせ
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フルサイズ入門レンズといえど、AFがもたつけば一気にストレスが溜まります。STM駆動のオートフォーカスがどこまで頼りになるのかは重要なチェックポイントです。静止画での合焦スピードや追従性、動画撮影時のAF挙動を見ていくと、「価格以上に優秀」という声が多い理由が見えてきます。
STM駆動AFの速さと静粛性
Amateur Photographerは、本レンズのAFについて「非常に高速で、実質的に無音」と評価しています。最短から無限遠までのフォーカス移動も一瞬で、EOS R8との組み合わせでは実写上ほぼ瞬時にピントが合うと記述されています。静止画撮影では、人物認識AFや瞳AFとも相性が良く、動きの少ない被写体なら迷いを感じる場面はほとんどないでしょう。
AFと手ブレ補正については、複数の海外レビューが口を揃えて高評価です。Photography BlogはEOS RPとの組み合わせで「約0.15秒で合焦し、明暗どちらの環境でもハンチングが少ない」と報告し、The-Digital-Pictureも「滑らかで静かなSTMと高性能な5段ISの組み合わせは動画にも歓迎される」と述べられており、レスポンス面でレンズがボディ性能を足を引っ張ることはほぼないと考えて良さそうです。
もちろん、AF性能はボディ側の世代にも左右されますが、EOS R6やR7、R8のような最新のAFアルゴリズムを搭載した機種と組み合わせると、動体追従もかなり対応できる範囲が広がります。非Lレンズとしてはかなり健闘していると言って良いでしょう。
上位レンズや他マウントとの比較で見える立ち位置
AFだけを見れば、RF24-105mm F4 L IS USMやRF24-240mm F4-6.3 IS USMと比べても、体感差はそこまで大きくありません。24-240mmはNano USMを採用しており、Cameralabsの比較では「わずかに24-240mmの方がスナッピーだが、24-105mm STMも十分に速い」とまとめられています。Nano USMは一眼レフ時代から定評のある方式ですが、最新のSTMもかなり追いついている印象です。
動画用途まで含めると、STMの滑らかなフォーカスシフトはむしろ強みになります。Cameralabsのレビューでも、動画AF時には意図的にゆったりとしたピント移動を行う設計になっていると触れられており、設定次第でスピードも調整可能です。シネマ的なゆっくりしたピント送りをしたい人には、むしろこの「少し控えめなスピード感」がちょうど良いでしょう。
他社のエントリー標準ズームと比べても、AFの信頼感は高い部類に入ります。ソニーEマウントのキットズームなども世代ごとに改善されていますが、EOS Rシリーズの被写体認識AFと組み合わせたときの体験は非常に快適で、AF速度だけを理由に上位レンズへ買い替える必要性は、正直そこまで大きくないと見て良いでしょう。
動画撮影との相性:Vlogから家族動画まで
EOS Rシリーズは動画撮影にも強いボディが増えてきましたが、そのとき一緒に組ませるレンズとしてRF24-105mm F4-7.1 IS STMはどうでしょうか。静かなAFと5段分の手ブレ補正、24-105mmというレンジを見ると、スペック上はかなり動画向きに見えます。一方で、可変F値ならではの弱点もあるので、どこまで動画用途で活躍できるのか整理してみます。
Vlog・家族動画で光るポイント
光学式ISが静止画だけでなく動画撮影時にも細かな揺れをしっかり抑えてくれます。。Amateur Photographerも、手持ちで1/5秒程度のスローシャッターをこなせる実力とともに、手持ち動画での「マイクロジャダー」を抑える効果を高く評価しており、Vlogや家族動画でも安心して使えるとまとめています。
AFの挙動も動画向きです。Amateur PhotographerとCameralabsの両方が、動画AF時のフォーカスシフトが滑らかで、駆動音もほぼ聞こえないことを強調しています。内蔵マイクで撮るVlogや家族動画でも、レンズの動作音が音声に乗ってしまう心配が少なく、EOS Rボディ側の「AF速度」「追従感度」を調整することで好みの動きに追い込めます。
24mmスタートの画角と105mmまでの範囲は、手持ち動画でも使いやすいレンジです。自撮りVlogでは24mm側を中心に、子どもの運動会や旅行先の様子を記録する家族動画では中望遠側を活かす、といった使い分けがしやすく、「一本でほとんど済ませたい」というニーズにもよく応えます。
可変F値ゆえの弱点と、他レンズとの棲み分け
動画で注意したいのは、ズーム操作時に開放F値が変化してしまう点です。Cameralabsによると、このレンズは27mmまでF4、37mmまでF4.5、50mmでF5、63mmでF5.6、79mmでF6.3、80〜105mmでF7.1というステップで暗くなっていきます。そのため、録画中にズームすると露出がじわじわ変化してしまい、シーンによっては違和感の原因になりかねません。
この問題を避けるには、動画撮影時はF8前後に絞って「実質的に絞り値を固定する」、あるいはワンカット内ではズームしない構成にするのが定石です。映画的なカット割りではそもそもズームを多用しないので、運用次第ではそこまで大きなハンデにはなりません。どうしてもズームしながら一定の明るさを保ちたい場合は、RF24-105mm F4 L IS USMのようなF4通しズームの方が向いています。
RF24-240mm F4-6.3 IS USMと比べると、動画用としては「どこまで望遠側が必要か」で選び方が変わります。24-240mmは240mmまで寄れる代わりにレンズ自体が大きく重くなり、長時間の手持ちでは負担が増えます。一方、24-105mm STMは395gと軽量で、ジンバルに載せる際もバランスを取りやすいメリットがあります。望遠撮影がメインなら24-240mm、ライトなVlogや日常動画が中心なら24-105mm STMという棲み分けがしっくりくるでしょう。
携帯性とビルドクオリティのレビュー:軽さと作りのバランス

RF24-105mm F4-7.1 IS STMの魅力を語るうえで、携帯性は外せません。フルサイズ用24-105mmズームと聞くと、どうしても「重そう」「大きそう」というイメージがありますが、このレンズは良い意味でその先入観を裏切ってくれます。持ち運びのしやすさや操作感、外装の質感までチェックしていくと、安いから作りもそれなりという印象が少し変わるはずです。
フルサイズ標準ズームとして異例の軽さ
キヤノン公式の公開情報から、本レンズのサイズは最大径約76.6mm×長さ約88.8mm、質量約395gとされています。同じ24-105mmレンジを持つRF24-105mm F4 L IS USMが約700gであることを考えると、ほぼ半分の重量でこの焦点距離をカバーしている計算になります。EOS RPやR8と組み合わせたときでも合計重量が1kg以下に収まり、「常にカバンに入れておけるフルサイズセット」として現実的な重さです。
携帯性については、どのレビューもほぼ満点に近い評価です。Amateur Photographerは「395gという重さと短い全長で、この焦点域のフルサイズレンズとしては異例の軽さ」とし、Photography BlogもEOS RPとの組み合わせで総重量880gと具体的な数字を挙げています。さらにKen Rockwellは「このレンズは素晴らしく小型軽量で、EOS RPとの組み合わせは“どこへでも持っていけるフルサイズの強力セット”」と表現しており、“フルサイズでできるだけ荷物を軽くしたい人”に向けたレンズであることがよく伝わります。
操作感と作りの良さ、弱点となるポイント
Amateur Photographerのレビューでは、RF24-105mm F4-7.1 IS STMは「廉価なコンシューマーレンズでありながら、仕上げや操作感は非常に良い」と述べられています。ズームリングのトルクは一定で、素早く回しても引っかかりがなく、自重で勝手に伸びる“ズームクリープ”もほとんど起きないとされています。金属マウントを採用している点も安心材料で、長期使用でも信頼できると評価されています。
一方で、防塵防滴シールは施されておらず、Lレンズのような耐候性は期待できません。Cameralabsも、「価格を考えれば仕方ないが、ウェザーシールの省略とフード非同梱は残念」とコメントしています。純正フードEW-73Dを追加購入すればある程度の保護にはなりますが、雨や砂埃の多い環境では慎重な扱いが必要です。
フォーカスリング兼コントロールリングについては、クリック感がないため露出などの設定変更用に使うと少し頼りないという声もあります。Amateur Photographerは「マニュアルフォーカス用としては快適だが、設定用のコントロールリングとしてはもう少し手応えが欲しい」と表現しており、このあたりはコストカットの影響が見える部分です。快適さと価格のバランスとして割り切れるかどうかが判断ポイントになりそうです。
手ブレ補正と暗所性能:5段ISとF7.1の攻防
RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、強力な光学式手ブレ補正を搭載する一方で、開放F値はF7.1まで暗くなる設計です。暗所撮影のしやすさは、手ブレ補正とレンズの明るさの綱引きで決まる部分が大きいので、このレンズの場合どこまで攻められるのか気になるところです。夜景や室内撮影を想定しつつ、ISの実力と暗さゆえの工夫を整理します。
5段分とされるISの実力値
キヤノン公式資料では、本レンズの手ブレ補正効果は5段分と案内されています。Amateur Photographerの実写検証では、105mm付近で1/5秒というスローシャッターを手持ちで撮影した作例が掲載されており、公称値にかなり近い補正効果が実戦レベルでも得られていると評価されています。夜景スナップや夕景など、三脚を持ち出しにくい場面でも心強い存在と言えるでしょう。
ボディ内手ブレ補正を備えたEOS R5やEOS R6シリーズなどとの組み合わせでは、レンズ側のISとボディ側の手ブレ補正が協調制御され、実効的にはさらに高い補正効果が得られます。カタログ上の段数こそボディごとに異なるものの、夜景や室内の手持ち撮影で「ここまでいけるのか」と感じる場面も多く、暗めの開放F値をある程度カバーしてくれる組み合わせです。
国内外のユーザーレビューでも、「暗い体育館や屋内イベントでシャッター速度を落とした際に、手ブレ補正がパンニング時の揺れを和らげてくれる」といった声が多く見られます。流し撮りや歩きながらの動画撮影でも、細かな揺れを抑える役割は大きく、ISの恩恵は静止画・動画のどちらでも体感しやすいはずです。
暗さゆえの弱点と他レンズとの比較
とはいえ、F7.1という望遠端の明るさは魔法ではごまかせません。体育館やライブハウスのような暗い環境で動体を相手にする場合、いくら手ブレ補正が効いても被写体ブレは防げないため、どうしてもISO感度を上げざるを得ない場面が増えます。このあたりは、F4通しのRF24-105mm F4 L IS USMやF2.8クラスの標準ズームと比べると、露出の自由度で大きな差が出てくるポイントです。
Optical Limitsのレビューでは、高画素のEOS R5に本レンズを組み合わせた場合、「高画素機のポテンシャルをフルに引き出すにはやや力不足」といったニュアンスの記述も見られます。ただし、これは主にピクセル等倍での厳密な画質検証に基づくコメントであり、EOS RPやEOS R6のような2000〜3000万画素クラスのボディで日中の撮影を中心に使うなら、過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
暗い場面が多い人は、運用面の工夫も重要です。オートISOの上限を思い切って上げる、被写体に近づいてボケ量を稼ぎつつ光を稼ぐ、必要に応じて明るい単焦点(RF35mm F1.8など)を併用する、といったスタイルでカバーするのが現実的な選択肢になります。このレンズだけですべてをまかなうのではなく、「軽量便利ズーム+明るい単焦点」という二刀流を前提にすると、弱点が一気に気になりにくくなるはずです。
近接・マクロ撮影の実力:Center Focus Macroの活かし方
RF24-105mm F4-7.1 IS STMの隠れた武器が、Center Focus Macro機能です。ズーム標準レンズでありながら、MF時には最大0.5倍まで寄れる設計になっており、ちょっとしたテーブルフォトや花のクローズアップなら専用マクロレンズなしでも楽しめます。近接性能とボケの組み合わせをチェックしつつ、どこまで「簡易マクロ」として使えるのか見ていきましょう。
0.13mまで寄れるCenter Focus Macroの魅力
キヤノンの公式資料によると、本レンズはAF時で24mm側0.2m、105mm側0.34mの最短撮影距離を持っています。さらにMFに切り替えると、24mm側で0.13mまで寄ることができ、最大撮影倍率は約0.5倍に達します。レンズ先端から約2.5cmという距離まで近づけるため、料理や小物、花のクローズアップなどでかなり迫った画づくりが可能です。
Cameralabsも、この近接能力を「柔軟性を高める要素」として高く評価しており、0.5倍まで寄れることで、一般的なキットズームでは難しいレベルの寄りとボケを実現できると紹介しています。特に105mm側で最短付近まで寄ったときの背景ボケは、F7.1という数字から想像するよりもずっと大きく、商品写真やテーブルフォトには十分な雰囲気が出せます。
ただし「Center Focus Macro」という名称が示す通り、最短距離での撮影では画面中央付近だけがシャープになり、周辺は急激に甘くなります。これは設計上の性質なので、構図は中央に被写体を置く形で割り切るのがコツです。逆に、周辺の柔らかさをあえて活かして「中心だけキリッと、周囲はふんわり」という独特な描写を狙うのも面白い使い方でしょう。
専用マクロや単焦点との使い分け
もちろん、本格的なマクロ撮影を考えるならRF100mm F2.8 L MACRO IS USMなどの専用マクロレンズに分があります。1倍以上の撮影倍率、フラットな画面内シャープネス、ボケ量やワーキングディスタンスの自由度など、専用レンズならではの強みは明らかです。RF24-105mm F4-7.1 IS STMはあくまで「簡易マクロ」をこなす標準ズーム、と捉えておくのが現実的でしょう。
ただ、旅行先や街歩きで「あ、この被写体ちょっと寄って撮りたいな」という瞬間に、レンズ交換なしで0.5倍撮影まで対応できるのは大きな利点です。RF35mm F1.8 MACRO IS STMのような準マクロ単焦点も魅力的ですが、画角が固定されるぶん、汎用性という点では24-105mm STMの方が気楽です。日常の記録やSNS用の写真であれば、このレンズの近接性能で十分楽しめます。
APS-C用のRF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMも0.44倍相当の近接性能を持ちますが、センサーサイズを含めた描写の余裕という意味ではフルサイズ+RF24-105mm STMの組み合わせが有利な場面も多いです。ボケの滑らかさや高感度耐性など、トータルでの画質を考えると、「寄れて軽いフルサイズ標準ズーム」というポジションはかなりユニークだと言えるでしょう。
他のRF標準ズームとの比較:24-105L・24-240・24-50

RFマウントには、RF24-105mm F4-7.1 IS STM以外にも標準ズームがいくつか存在します。代表的なのがF4通しのRF24-105mm F4 L IS USM、高倍率ズームのRF24-240mm F4-6.3 IS USM、そして超軽量ズームのRF24-50mm F4.5-6.3 IS STMです。RF24-105mm F4-7.1 IS STMレビューを読むとき、「他の選択肢と比べて何を優先したレンズなのか」をはっきりさせておくと、自分に合うかどうか判断しやすくなります。
RF標準ズーム内の立ち位置比較表
レンズ | 主な立ち位置・特徴 |
|---|---|
RF24-105mm F4-7.1 IS STM | コストと軽さを優先したフルサイズ標準ズーム。24-105mmをカバーしつつ約395gと軽量。可変F値(F4〜F7.1)で暗所・ボケには割り切りが必要。 |
RF24-105mm F4 L IS USM | “L”ブランドの高画質・耐候性重視モデル。24-105mm通しF4、質量約700g。プロ用途や画質にこだわるユーザー向け。 |
RF24-240mm F4-6.3 IS USM | 24-240mmという高倍率ズームで「レンズ交換を控えたい」旅行・スナップ重視ユーザー向け。質量約750g、可変F値。 |
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM | フルサイズ対応では最も軽量に近い標準ズーム。24-50mmという短めレンジと可変F値で携帯性重視。望遠やボケを求める用途には物足りない。 |
RF24-105mm F4 L IS USMとの比較:画質と耐候性
RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、同じ焦点距離をカバーするRF24-105mm F4 L IS USMより大幅に低価格な標準ズームとして投入されました。Lレンズの価格が発売当初13万円前後だったのに対し、STM版はほぼ半額というポジションで、「価格の手頃さ」を前面に押し出しています。
画質面では、Lレンズの方が周辺部の解像力や逆光耐性、防塵防滴構造による信頼性で優位に立ちます。一方で、Cameralabsの比較テストでは、24-105mm STMがLレンズにかなり迫る描写を見せるシーンも多く、特にWEB用途やA4プリント前提なら大きな差を感じにくい場面もあると指摘されています。ボケ量や暗所性能ではF4通しのLレンズが有利ですが、「軽さ」と「価格」で大きく勝るのがSTM版の立ち位置です。
耐候性と付属品も比較ポイントです。Lレンズは防塵防滴構造を備え、フードも標準で付属しますが、STM版はそのどちらも省略されています。雨天や砂埃の多い環境でガシガシ使いたいならLレンズ一択ですが、街撮りや旅行が中心であれば、STM版で十分という人も多いでしょう。結局のところ、「予算」と「荷物の重さ」をどこまで許容するかが選択の分かれ目になってきます。
RF24-240mm・RF24-50mmとの選び方
RF24-240mm F4-6.3 IS USMは、24mmから240mmまでを1本でこなす高倍率ズームです。Cameralabsは、24-105mm STMと24-240mmを比較しつつ、「24-240mmはサイズと価格が倍近くになる代わりに、高い汎用性を手に入れられる」とまとめています。長い望遠側が欲しい人、レンズ交換を極力避けたい旅行派にはこちらが向きますが、レンズだけで750g近い重量になるのは覚悟が必要です。
一方、RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMは、標準域の前半だけを割り切ってカバーする超軽量ズームです。たしかに携帯性は抜群ですが、50mmまでしかないため、ポートレートや少し寄りたい場面では物足りなくなる場面が増えます。RF24-105mm STMは、その中間で「24-105mmという王道レンジを、フルサイズ用としては驚くほど軽くまとめた」レンズと言えます。
まとめると、24-105mm STMは、「Lレンズほどの画質や耐候性は求めないが、焦点距離レンジはしっかり確保したい」「24-240mmほど重くしたくない」というユーザーに最もフィットする選択肢です。「安さと軽さの24-105mm STM」「全部入りの24-240mm」「最高画質と耐候性の24-105mm L」という三すくみのなかで、自分の撮影スタイルに一番近いものを選ぶと良いでしょう。
APS-Cユーザーとステップアップ戦略:RF-S 18-150mmとの比較
最近はEOS R7やR10、R50などRF-Sボディも人気で、フルサイズ用のRF24-105mm F4-7.1 IS STMと、APS-C用のRF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMのどちらを選ぶべきかと悩むケースも増えています。RF24-105mm F4-7.1 IS STM レビューを読んでいても、APS-Cユーザーが将来のフルサイズ移行を意識してこのレンズを選ぶパターンが少なくありません。ここでは、APS-Cユーザー視点での選び方を整理します。
RF-S 18-150mmとの使い勝手の違い
RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMは、APS-Cボディ専用の高倍率ズームで、35mm判換算で約29-240mm相当をカバーします。18mmスタートのおかげで室内や狭い場所でも扱いやすく、望遠側240mm相当まで一気に届くため、旅行や子どもの運動会などでレンズ交換なしで完結しやすいのが魅力です。一方、フルサイズ用の24-105mm STMをAPS-Cボディに付けると、画角が約38-168mm相当になり、広角側の不足が目立ちます。
携帯性という意味では、どちらもかなり軽量です。RF-S 18-150mmは約310g、RF24-105mm STMは約395gなので、差はおよそ80g程度。ボディとの組み合わせで大きく重さが変わるわけではなく、どちらも「軽快なスナップセット」として成立します。そのため、選び方としては「高倍率で全部済ませるか」「将来フルサイズに移る前提でフルサイズレンズを先に買うか」という視点の方が重要になってきます。
画質面では、RF24-105mm STMの方がズーム倍率が小さいぶん設計に余裕があり、特に中央〜中間部でのシャープさは優位な場面が多いと感じるユーザーが多いようです。一方で、APS-Cでは画角が狭くなってしまうため、風景や室内スナップが好きな人にとっては、明らかに18-150mmの方が使いやすくなります。どちらを優先するかは、撮影スタイル次第です。
ステップアップを見据えたレンズ選びの考え方
APS-Cからフルサイズへのステップアップを視野に入れているなら、「今APS-Cで使いながら、将来フルサイズでもそのまま使えるレンズを選ぶ」という発想もありです。RF24-105mm F4-7.1 IS STMはまさにそうした用途に向いており、現状はAPS-C機で中望遠寄りの標準ズームとして使い、将来フルサイズボディを購入したときに本来の24-105mmとして活躍させる、という二段構えができます。
ただし、その場合は広角側を別のレンズで補う必要が出てきます。APS-C機のみで運用する期間が長くなりそうなら、18-150mmのような高倍率ズームで広角から望遠まで一気にカバーしつつ、フルサイズ移行のタイミングで24-105mm STMやLレンズに切り替える方が、トータルの快適さは高いかもしれません。どちらが損得という話ではなく、「いつフルサイズに移るか」「どんな撮影が多いか」でベストな選択が変わります。
編集部としては、すでにフルサイズボディを所有している人や近い将来フルサイズに移行する予定が決まっている人にはRF24-105mm STMを、APS-C専用機でしばらく楽しむ予定の人にはRF-S 18-150mmを選ぶ構成がバランスが良いと考えています。そのうえで、どちらの選択肢でも明るい単焦点を一本足しておくと、ボケ量や暗所性能の弱点をうまく補いやすくなります。
RF24-105mm F4-7.1 IS STMのレビューまとめ
RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、軽さと価格を優先しながらも、24-105mmという王道レンジと5段分の手ブレ補正、簡易マクロまで備えた「よくばり標準ズーム」です。開放F値がF7.1まで暗くなるぶん、暗所や大きなボケを狙う撮影では限界もありますが、日中の旅行や家族写真、日常のスナップを中心に使うなら、画質・AF・携帯性のバランスは非常に優秀だと感じるはずです。まずはこの一本でフルサイズを楽しみ、必要に応じて明るい単焦点やLレンズを追加していく、というステップアップの入り口としても適したレンズと言えるでしょう。この記事を読んで「自分の撮影スタイルに合いそうだ」と思えた方は、ぜひ店頭やレンタルで一度試して、その軽さと使い勝手を体感してみてください。
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