【2025年版】富士フイルム X-E5のレビュー比較まとめ

【2025年版】富士フイルム X-E5のレビュー比較まとめ

X100系の雰囲気に“交換レンズの自由”を足したX‑E5。40.2MPセンサーとIBIS、専用フィルムシミュレーションダイヤルを備え、街でも旅でも“撮る喜び”を前面に出したモデルです。複数の媒体で実機レビューも公開されており、長所と弱点が見えてきています。この記事ではそれらの検証結果と公式仕様を交え、フラットに向き不向きや、競合比較まで一気にまとめました。

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筆者
みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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40.2MPセンサー+IBIS(最大7.0段[中央]/周辺6.0段)で静止画の安定性が高い。旅・スナップ適性が高水準。

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専用フィルムシミュレーションダイヤルとFS1〜3登録でレシピを即呼び出し可能。現場完結の運用に適合

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弱点は防塵防滴非対応、EVFは約236万ドット、動画はLong GOP記録で長回しやパン時の制約が出る場合がある。

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X‑T50/X‑T5/X100VI/α6700/GR IIIと比較し、携行性と操作系のバランスで選ぶ位置づけ。

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価格は246,400円(税込)と強気。価値判断は“機動性×操作体験”に重きを置くかで左右される。

目次

レビュー要点:おすすめ/不向きの率直ガイド

via Digital Camera World

X‑E5は「軽快×高画質×ダイヤル操作」を同時に求めるスナップ・旅用途と好相性です。対して悪天候や粉塵下での運用、動画主体の長時間収録を重視する場合は他機の方が合うケースが多いです。価格設定は上位APS‑C帯に位置しますが、同クラス相当のスペックを持ちます。

おすすめな人:街・旅スナップ重視派

約445gの小型ボディに40.2MPセンサーとIBISを搭載。20種のフィルムシミュレーションは天面ダイヤルとFS1〜3に割り当てて素早く切替可能で、撮って出し前提のワークフローに合います。レンジファインダー型の構えやすさも携行時の利点です。

X100系に近い見た目ながら交換レンズ対応で柔軟。新XF23mmF2.8とのキットはX100相当の画角を実現し、他の単焦点に替えてもサイズを大きく崩しません。

不向きな人・注意点

ボディは防塵防滴ではありません。EVFは約236万ドットで、解像度や見えの豪華さは上位EVFに劣ります。動画は6.2K/4Kに対応しますが、記録方式はLong GOPで、シーンによってはパン時の歪みや熱による制限が先に来る場合があります。

動画を主軸にするなら割り切りが必要です。The Vergeは「約13分の連続撮影で過熱停止を経験した」とし、ローリングも最良ではないと記しています。写真主・動画従の運用が現実的でしょう

要素別レビュー早見表

観点

レビューまとめ

画質

40MPセンサーの精細描写が優秀。RAWは粘り強く、JPEGは自然なトーン。ノイズ処理も良好。

フィルムシミュレーション&FSダイヤル

FSダイヤルで色替えが直感的。The Vergeも「色の試行が増えた」と高評価。

AF・連写

検出AFは十分実用。TechRadarは「20fpsで瞬間を逃さない」、動体では課題あり。

操作性・表示系

ダイヤル操作が快適。EVFは控えめだがClassic表示が人気。質感と操作感の満足度が高い。

動画

6.2K/4K・10bit対応。短尺なら高品質、長回しでは熱とローリングに注意。

携行性・IBIS・接続性

約445gで軽快。7段IBISが強力、XApp/Frame.ioで撮影後の共有もスムーズ。

基本情報のおさらい:発売状況と主要スペック

via Digital Camera World

X-E5は待ち望まれた末に、2025年8月に発売が開始されました。価格はボディが246,400円(税込)、XF23mmF2.8キットが281,600円(税込)で販売されています。X‑Trans CMOS 5 HR(40.2MP)+X‑Processor 5、5軸IBIS、EVF約236万ドット、3.0型チルト式タッチ液晶、フィルムシミュレーション20種、フィルムシミュレーションダイヤルを備えます。

発売状況

メーカー公表は2025年6月で出荷は25年8月発売。XF23mmF2.8は単体発売も告知されています。価格は前世代から上昇しており、上位APS‑C帯の水準です。

カラーバリエーションはブラック/シルバー。キット同梱レンズはX100VI相当の画角を軽量構成で再現しています。

X-E5の主要スペック

X-E5は40.2MPの高解像センサーとX-Processor 5で、細部の解像と色の粘りに強いことが特徴です。IBISは中央7.0段まで効き、夜の手持ちや室内のスローシャッターでも失敗を減らせます。AFはAI検出対応で人物・動物などの追従が安定。連写はメカ8fps、電子はフル画素13fps/1.29×クロップで最大20fpsと、日常の動体をしっかりカバーします。

動画は6.2K30p/4K60pの10bit記録に対応し、旅行の記録から作例づくりまで幅広く扱えます。UHS-II×1スロット&約445gの軽量さで、毎日持ち出しやすいのも魅力。EVFは約236万ドットでClassic Display Modeを搭載。前面コントロールレバーにはSurround Viewなど最大5機能を割り当てられ、構えたまま“色・フレーミング・情報表示”を素早く切り替えられます。

項目

内容

センサー

40.2MP BSI(X-Trans CMOS 5 HR)

画像処理

X-Processor 5

手ブレ補正(IBIS)

最大7.0段(中央)/周辺6.0段

AF

AI被写体検出AF

連写

メカ約8fps/電子約20fps(1.29×)・電子約13fps(フル画素)

動画

6.2K30p/4K60p、10bit

記録メディア

SD UHS-II ×1スロット

質量

約445g

EVF

約236万ドット、Classic Display Mode対応

表示・操作

前面コントロールレバー(Surround Viewほか最大5機能を割当)

画質のレビュー:40MP×色の楽しさを検証

富士フイルム X-E5の

富士フイルム X-E5の作例 📸photo by しおりんさん

40.2MPセンサーによる高解像と低感度域のS/Nは同世代機(X‑T5等)と同等の傾向です。ベースISOは125で、RAWの細部の粘りとJPEGのトーン設計により、スナップ用途でも後処理の自由度は高いと言えます。

解像・ダイナミックレンジ・色

DPReviewはスタジオシーンで「X‑Trans 5 HRの40MPらしい細部再現」を実写確認。総評はSilver Award(85%)で、静止画品質は堅実と述べています。RAWはクロップ耐性に優れ、JPEGは20種のフィルムシミュレーション(REALA ACE、Nostalgic Neg.など)で用途に応じた発色が選べます。ダイナミックレンジ設定(DR100/200/400%)も搭載しています。

ベースISO125は日中の白飛び抑制にも寄与し、夜間はIBISと明るい単焦点でシャッター速度を確保しやすくなります。

競合比較:解像と“味”のバランス

X‑T5と同世代センサーゆえ静止画画質の傾向差は限定的。X100VI(同40MP固定レンズ)比では、レンズ交換の自由度で画づくりの幅が広がります。一方、高感度余裕は最新フルサイズが優勢です。

フィルムシミュレーション&FSダイヤルのレビュー:撮って出しを主役に

天面の専用ダイヤルに主要シミュレーションとFS1〜3のレシピを登録可能。EVFのClassic Display Modeや前面レバーのSurround Viewとあわせ、視線を切らずに発色とフレーミングを切り替えやすい設計です。

現場で効く“ワンタッチ色替え”

ダイヤルの小窓で現在のシミュレーション種別を確認でき、FS1〜3の呼び出しも即時。発色の切替と構図検討をシームレスに行えます。

撮影後編集を最小化したい場合、REALA ACEやNostalgic Neg.などを状況に応じ使い分ける運用が効果的です。

競合比較:色とワークフロー

同社X‑T50も同系の発色を得られますが、専用ダイヤルの有無は「現場完結」のしやすさに差が出ます。他社のピクチャープロファイル方式に比べ、階層を潜らず色にアクセスできるのが特徴です。

海外の有名カメラメディアのDigital Camera Worldも実機レビューで「FSダイヤルの実装はこれまででベスト」と評価しています。アスペクトやデジタルテレコンへのアクセスも向上し現場の完成度を底上げします。

AF・連写のレビュー:検出AFの守備範囲と実効速度

AIベースの被写体検出は人物・動物・鳥・自動車・バイク・飛行機・電車に対応。連写はメカ約8fps、電子最大約20fps(1.29×クロップ)で、日常の動体やスナップ用途をカバーします。

検出AFと連写の実用性

位相差とコントラストのハイブリッドAFを備え、ゾーンやトラッキングも選択可能。電子シャッター時は高速ですが、1.29×クロップやローリングの影響を踏まえた使い分けが前提です。The Vergeは「AFは信頼できて速いが速い動体では不足を感じる場面も」とリアルなコメント。運動会など“競技レベル”は専用機優位という評価。

本格的な競技撮影では上位機のAF系・ファインダーが有利ですが、旅やスナップでは必要十分の歩留まりが得られます。

操作性・表示系のレビュー:ダイヤル文化と表示モード

via: Peta Pixel

シャッター・露出補正ダイヤルに加え、前面レバー(Surround View等の割当可)、ベースプレートのBluetoothボタンなど物理UIを装備。EVFは約236万ドットでClassic Display Modeに対応します。

ダイヤル&レバーの運用

前面レバーは5つの機能を割り当て可能で、構えたまま呼び出せます。天面ダイヤルのクリック感や表示窓により、設定の視認性も確保されます。EVFは倍率0.62×、アイポイント約17.5mm。見えの安定は確保しつつ、解像・サイズは上位EVFより控えめです。

Peta PixelはEVF 2.36Mドットを「やや物足りない」としつつ、「Classic Displayは“楽しく没入感がある”」と両面評価。

動画のレビュー:6.2K/4Kの実力と前提条件

内部記録は最大6.2K30p/4K60pの10bit。記録方式はH.264/H.265のLong GOPで、最大200Mbpsに対応します。ログはF‑Log/F‑Log2とHLGを選択可能です。

スペックの押し引き

6.2Kは1.23×相当のクロップ、4K60pもクロップを伴います。パン時の歪みや熱の影響を抑えるには、撮影条件と画質モードの選択が重要です。

短尺の旅行記録やスナップ動画には十分な機能を備えますが、長回しや高負荷の映像制作では上位志向のボディが有利です。Tech Radarも「数値上の仕様は充実だが、長回し耐性とローリングは配慮が必要」と述べています。

携行性・IBIS・接続性のレビュー:毎日持ち出しやすい仕様

ボディ質量は約445g。IBISは最大7.0段(中央)/周辺6.0段で、薄暗い路地や室内でもスローシャッターの歩留まりを確保しやすくなります。

接続・クラウド連携

XAppに対応し、スマホ転送やリモート操作が可能。Frame.io Camera to Cloudに対応し、無線接続で写真・動画をクラウドへ直接アップロードできます。

USB‑C給電、Wi‑Fi/Bluetooth、UHS‑II×1スロットなど基本装備を備え、必要十分のI/Oを確保しています。

価格に対する考え方

従来“手頃”だったX‑E系と比べると、X‑E5はプレミアム寄りの価格帯に位置します。対価は40.2MP・IBIS・操作系の強化に支払う形で、実機に触れて操作感やEVFの見えを確認するのが確実です。

相性の良いレンズ戦略

XF23mmF2.8でX100系相当の画角、XF35mmF2やXF50mmF2で小型セットを維持しつつ表現幅を拡張。ズーム主体ならXF18‑55mmやXF16‑80mmで汎用域を網羅できます。

総重量を抑えると携行頻度が上がり、結果的に撮影機会が増えるという意味で“画質”に直結します。

競合比較:X‑T50/X‑T5/X100VI/α6700/GR III

同門のX‑T50は価格優位かつ内蔵フラッシュを装備。X‑T5は防塵防滴、デュアルスロット、大型EVFでヘビー用途に強い。X100VIは固定レンズとOVF/NDなど独自性があり、X‑E5は交換レンズとIBISで柔軟性を確保する立ち位置です。

機種

立ち位置

X-T50

実利重視の兄弟機。価格とバランスで“堅実解”

X-T5

堅牢・多機能の本命上位機種い。仕事/本気運用の安心感

X100VI

固定23mmで“世界観完成”。撮る体験の純度

α6700

動体/動画が強い万能APS-C。AF粘りで選ぶ

GR III

最軽量の街カメ。28mm単焦点で“いつもポケット”

どれを選べばよいか、用途別の意思決定ガイドとしてまとめます。

① 旅・スナップ中心で“軽快×高画質×色遊び”

  • X-E5が有利。40MP×IBIS×FSダイヤルで“撮って出し”が楽。レンジファインダー型で人前でも構えやすい
  • 迷ったら:見た目・操作の楽しさに価値を感じる → X-E5/純粋に価格と汎用性 → X-T50

② 悪天候や長時間の本気運用(イベントや仕事など)

  • X-T5。防塵防滴、デュアルスロット、大きめEVF、スタミナで“安心して預けられる”道具
  • X-E5は軽快だが、全天候や長回し・冗長記録の要件には非対応でやや不安

③ 動画と動体(家族の運動会、Vlog、YouTube制作)

  • α6700が本命。AF追従の粘り、動画周りの余裕、操作導線がハイブリッド向き
  • X-E5は“たまの動画”ならOK。ローリングや発熱・モード切替の運用でひと工夫が必要

④ “カメラを構える体験”を極めたい/単焦点で世界観を固めたい

  • X100VI。固定23mm+ハイブリッドファインダー(OVF/EVF)+独自のシャッター感で“写真の時間”に没頭できる
  • X-E5はX100の雰囲気+レンズ交換の自由度が欲しい人向け

⑤ 常に携帯して“絶対に置いていかない”相棒を探す/軽量性重視

  • GR III。最軽量級・起動速・28mmの潔さで“持ち出し頻度=撮影量”が跳ね上がる
  • X-E5も軽いが、GRほどの“ポケット常駐”までは行かない

Xシリーズ内の選び分け

X‑T50は内蔵フラッシュの存在やグリップ形状など実用加点があり、X‑T5は堅牢性とファインダーで優位。X‑E5は携行性と操作系のバランスを重視する場合に合います。

固定レンズのX100VIに対し、X‑E5はレンズ交換で運用の自由度が高い点が差別化要素です。逆に交換レンズの自由でX100VIではできない撮り方が広がる一方で、X100VIはOVFやリーフシャッター等の利点もあります。

まとめ

X‑E5は「携行性」「操作系」「40MP」の組み合わせを小型ボディで実現したAPS‑C機です。防塵防滴非対応やEVF解像、動画のLong GOP記録といった前提はあるものの、旅・スナップ中心の静止画用途では高い完成度です。フィルムシミュレーションダイヤルやClassic Display Modeの操作感が合うなら、最適解になり得るカメラでしょう。


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