
【2025年版】OM SYSTEM Tough TG-7のレビュー比較まとめ
"最強防水カメラ"としての呼び声が高いコンパクトデジタルカメラ「OM SYSTEM Tough TG-7」について、実際の向き・不向きをまとめます。複数の媒体で実機レビューも公開されていますが、長所だけでなくもちろん課題もあります。この記事ではそれらの検証結果と競合比較も整理しながら、OM SYSTEM Tough TG-7の実際の評価を解説していきます。
この記事のサマリー

防水15m・耐衝撃2.1m・耐低温-10℃の“本気のタフさ”でスマホにない安心感。

1cmマクロ+深度合成で“顕微鏡級”の接写が撮れる。

4K/30pとFHD/120p、縦動画・インターバル対応でVlogにも十分。

画質は12MP・1/2.3型相応。暗所や逆光AFは割り切りが必要。

競合はRicoh WG-6やGoPro系。目的で選べば後悔なし。
Tough TG-7のレビュー要点:おすすめ/不向き

Tough TG-7は「環境を選ばず確実に撮る」ことに価値を置く人に刺さるカメラです。防水15m・耐衝撃2.1m・耐低温-10℃・防塵の“本気のタフさ”は、海・雪・砂・泥でも安心。1cmマクロと専用アクセで唯一無二の撮影体験ができます。Tough TG-7は得意/不得手な用途が明確です。
こんな人におすすめ
家族の海遊び、渓流釣りや沢登り、スキー・スノボ、キャンプや泥遊びなど、機材を気にせず撮りたいシーンが多い人。防水スマホより深い水深でも安心して使え、海水や砂・泥のあとに水洗いできる安心感が魅力です。蟻や昆虫、鉱物、腕時計・コインなどの超接写を“手持ちで”楽しみたい人。顕微鏡モードと深度合成の組み合わせは、この価格帯では代替が少なく、歩留まりも高めやすいのが利点です。
動画は4K/30pとFHD/120p、縦動画やタイムラプスにも対応。旅VlogやSNS用のクリップを“過酷な場所で安全に”量産したいニーズにも合います。
不向きな人・ケース
暗所の静止画画質やボケ量を最優先する人はTough TG-7は不向きです。12MP・1/2.3型センサーの物理限界はあり、逆光でAFが迷うこともあります。コントラストAFの特性上、低コントラスト環境では置きピンや連写併用が安全です。手ブレ補正は静止画でセンサーシフト方式(最大約2.5段相当)を搭載し、動画は電子式Movie ISに対応します。夜の長秒手持ちや“映画的な”常用シネ画質では限界があるため、大型センサー機やスタビライザーの併用を検討しましょう。
スマホ画質を常に超えるわけではありません。思想は“ラフに扱えるカメラ”であり、画質単体の比較だけで評価するとミスマッチを起こします。
要素別レビュー早見表
項目 | 評価サマリ |
|---|---|
タフさ | 防水15m・耐衝撃2.1m・耐低温−10℃。スマホ防水とは別格の堅牢性。唯一の弱点は重量感とバッテリー交換の煩雑さ。 |
画質とレンズ | 明るいF2.0レンズで日中の描写はシャープ。暗所ではノイズが目立ち、高感度画質はスマホにやや劣る。 |
顕微鏡・マクロ | 最短1cm・44.4倍相当の拡大撮影が可能。深度合成も優秀で昆虫・鉱物撮影に最適。フォーカス精度は被写体によってやや差あり。 |
水中撮影とPT-059 | 本体で15m、ハウジング併用で45m潜行対応。水中WBが秀逸。暗所ではAFが迷いやすく、照明補助があると安定。 |
動画機能 | 4K/30p・FHD/120p・縦動画・タイムラプス対応。電子式手ブレ補正は良好だが、夜間や歩行撮影では揺れが残る。 |
操作性・接続・アプリ | USB-C充電対応で利便性向上。グリップ改善で濡れ手でも扱いやすい。OM Image Shareで転送・リモート撮影可。PD給電非対応が惜しい。 |
連写・AF・プロキャプチャー | 最高20fps連写・10fps先取り対応。AFはコントラスト式で逆光時は迷いやすい。瞬間を狙うシーンではプロキャプチャーが強力。 |
基本情報のおさらい・販売状況
Tough TG-7は2023年10月13日発売、メーカーからの販売価格は82,500円(税込)です。材料費高騰にくわえ、人気さも相まり発売当時より値上がりしています。
主要スペック
有効約1200万画素の1/2.3型CMOSと明るいF2.0レンズを搭載し、防水15m・耐衝撃2.1mなど圧倒的なタフ性能を備えています。4K動画や縦動画、インターバル撮影にも対応し、SNSやVlog用途でも扱いやすい万能モデル。TG-6からはUSB-C採用、縦動画対応、Bluetoothリモコン対応、グリップ改善などが進化点。屋外・水辺・アウトドアなど、スマホでは難しい環境で頼れる一台です。
項目 | 仕様・要点 |
|---|---|
センサー | 有効約12MP・1/2.3型 裏面照射CMOS |
レンズ | 25–100mm相当(光学4倍)F2.0–4.9 |
連写性能 | 最高約20コマ/秒(S-AF時)/プロキャプチャー約10コマ/秒・先取り最大5コマ |
動画 | 4K/30p・FHD/120p・HD/240p・縦動画対応・インターバル動画生成 |
手ブレ補正 | 静止画:センサーシフト式(約2.5段)/動画:電子式Movie IS |
タフ性能 | 防水15m・耐衝撃2.1m・耐荷重100kgf・耐低温−10℃・防塵 |
通信機能 | Wi-Fi/Bluetooth内蔵(OM Image Share対応)/Bluetoothリモコン可 |
端子 | USB-C(充電対応・PD非対応)・HDMI(Type-D) |
バッテリー | 約330枚(CIPA基準) |
特徴機能 | 顕微鏡モード(1cm)・深度合成・水中WB・水中5モード |
タフさ(防水・耐衝撃・耐寒・防塵)のレビュー

防水15m(IPX8相当)、防塵(IP6X相当)、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃。この“全部のせ”がTG-7最大の価値です。スマホの簡易防水とは異なり、水中での常用を前提とした設計です。
実機レビューが語る“本気”
Digital Camera Worldも実機レビューで「TG‑7は本当に水中で使える」と高く評価しており、スマホの“生活防水”とは設計思想が異なると強調しています。また濡れた手や寒冷地での操作性改善(新グリップ)も好評です。用途前提が明確な“道具感”が強みです。
PetaPixelも防水15m・耐衝撃2.1m・耐荷重100kgf・耐低温-10℃を再確認。タフさへの仕様の抜け漏れがない点が評価されています。海・雪・泥のあとに水洗いできる整備性は現場での安心材料になります。
競合:Ricoh WG-6やアクションカム
Ricoh WG-6は20m防水・28-140mm・20MPだが、Wi‑Fi非搭載。TG-7はスマホ連携やマクロ系機能の厚みが強い対抗軸です。
アクションカムは動画の手ブレ補正が強力。動き中心ならGoPro系、写真とマクロ・静物ならTG-7という棲み分けが現実的です。
画質とレンズ(昼・夜・色)のレビュー

明るいF2.0スタートの25-100mm相当は水中や室内で有効。日中は素直でシャープ、RAW現像の余地も十分。一方、センサーサイズ相応に高感度・暗所ではノイズやディテール低下が出ます。
日中の解像・色
草木や岩肌の微細なテクスチャは良好。25-50mm近辺は扱いやすく、自然光下の発色はニュートラル寄りです。水中モードで青被りやコントラスト低下を抑えられます。リングライト/ディフューザーを併用すると立体感を底上げでき、近接被写体の反射コントロールもしやすくなります。
一方でDigital Camera Worldは「逆光や薄暗所ではAFが迷う場面がある」と明記。逆光・低コントラストでは置きピンや連写の併用が有効です。
競合との違い
Ricoh WG-6は20MPだがF3.5-5.5で暗め。Wi‑Fi非搭載やデジタル手ブレ補正のみ。光量が十分な環境では大差なく、総合運用はTG-7が有利です。
“夜の画質”最優先なら大型センサー機が王道。ただし海水・砂・衝撃のリスクを考えると、“壊さない”価値はTG-7が代替しにくいポイントです。
顕微鏡・マクロ(1cm接写と深度合成)のレビュー
TG-7の代名詞が“顕微鏡級”マクロ。レンズ先端1cmからの超至近、顕微鏡コントロール(表示最大44.4倍)、深度合成・フォーカスブラケットの自動化で肉眼を超える世界を記録できます。
顕微鏡モードの威力
被写体1cmで表示最大44.4倍(撮影倍率はTG系従来仕様に準拠)。昆虫・鉱物・腕時計や基板の微細なエッジまで写せます。倍率は1×/2×/4×切替で観察から撮影への移行が素早いです。PetaPixelも実機レビューで顕微鏡モードの最短0.01m(1cm)を指し、「肉眼を超える近接表現が可能だ」と評価しています。
HDMIマイクロ(Type‑D)から外部出力ができ、リングライト(LG‑1)やフラッシュディフューザー(FD‑1)の併用で反射・影の制御が容易になります。深度合成は設定枚数を自動合成。フォーカスブラケットは最大30枚の連写で、後処理や合成ベースを確保できます。
競合との比較
WG-6は6灯LED内蔵で近接ライティングが得意。ただし顕微鏡的な倍率運用や深度合成の作り込みはTG-7が一歩上。Wi‑Fi連携の有無もワークフローに影響します。
スマホのマクロは画角や最短距離の制約が大きく、水・砂・衝撃リスク回避の観点でもTG-7が優位です。
水中撮影とPT-059(45m対応)のレビュー
カメラ単体で水深15m対応。純正ハウジングPT‑059で45m潜行が可能です。水中専用WB(浅瀬/標準/ディープ)と5つの水中モードで、初級のスノーケリングからファンダイブまでカバーします。
水中モードとWB
水中ワイド/水中スナップ/水中マクロ/水中顕微鏡/水中HDRの5モードを搭載。水深に応じて浅瀬・標準・ディープの水中WBを使い分けられます。フィッシュアイ/テレコンなど水中対応コンバーターも用意(窒素封入で曇りに強い)。視界が悪い環境でも破綻しにくい設計です。
Under Water Photography Guideはレビューで「水中動画は1080/60p推奨。安定性と編集のしやすさのバランスが良い」と指摘しています。
PT‑059で45m潜れる理由
PT‑059は耐圧45m。コントロール外部操作や外部ストロボ2灯運用にも対応し、露出制御と拡張性を担保します。水中動画はFHD/60p運用が安定しやすく、後編集(スロー化)も容易です。
ダイブ中心で“動画最優先”ならGoPro系の手ブレ補正が有利。ただし光学ズームがないため、魚群に“寄る”静止画や超接写はTG-7が優位です。
動画機能(4K/30p・FHD/120p・縦動画)のレビュー
4K/30pとFHD/120p、HD/240pのハイスピード、縦動画、インターバル(タイムラプス自動生成)を搭載。水や砂を恐れず回せる“ロケ耐性の高いビデオカメラ”として活用できます。
Vlog・家族ムービーに強い
縦動画はスマホやSNSと相性が良好。スマホアプリ「OM Image Share(OI.Share)」で即転送・共有でき、旅先の水辺やゲレンデからスムーズに投稿までつなげられます。
電子式Movie ISで歩き撮りを最低限安定。防水筐体ゆえの「濡らせる安心感」が撮影回数を底上げします。
スローとタイムラプス
FHD/120pなら日常の躍動感を緩やかなスローモーションで表現できます。インターバル撮影は露出平準化の設定があり、最大99枚まで連続撮影し、1本のタイムラプス動画に自動生成できます。
水中はFHD/60pで運用し、手ブレと被写体ブレのバランスを取るのが定石。編集時のスロー化もしやすく歩留まりが上がります。
競合比較
GoPro等の最新機は5K級解像・強力な手ブレ補正で動画特化。TG-7は静止画・マクロ・光学ズームと“濡れる現場の総合力”で勝負する設計です。
操作性・接続・アプリ(USB‑C・リモート・グリップ)のレビュー

TG‑7はUSB‑C採用、グリップと親指レストの改良、OM Image Share(OI.Share)によるスマホ連携・リモート撮影、Bluetoothリモコン(RM‑WR2対応)など“使い勝手”が着実に進化。LOGレバーで環境データのオン/オフも即切替できます。
握りやすさと物理UI
前面グリップの角度・溝加工、背面の親指レスト改善により、濡れ手・手袋でも滑りにくく、過酷環境での操作性が向上しています。記録ボタンの即動画・LOGスイッチなど、現場でのミスを減らす割り切りも実用的です。小型機としては“現場仕様”の設計で、各スイッチのクリック感や防水ロック機構が堅牢性に寄与します。
Digital Camera Worldは「傾斜を強めた前面グリップと溝加工により、濡れ手でもホールド性が向上」と評価。寒冷地での操作も扱いやすくなったことはとても有難いです。
接続とリモート
Wi‑Fi/BluetoothとOM Image Share(OI.Share)でのリモート撮影・転送に対応。ログデータと写真の紐づけで、移動軌跡や標高・水深を可視化できます。
USB‑Cは充電対応で、USB PD給電は非対応。給電運用を想定する場合はモバイルバッテリーの出力規格に注意しましょう。
競合の接続性
WG‑6はWi‑Fi非搭載。遠隔ライブビューや即時共有が前提のワークフローではTG‑7が優位です。
連写・AF・プロキャプチャーのレビュー
最高20fps連写(S‑AF時)、プロキャプチャー約10fps(半押しバッファで0.5秒前・最大5コマの先取り)。動き物や“子どもの決定的瞬間”を狙う安全装置として有効です。
プロキャプチャーの現場効用
半押し中の先取りでシャチのブローや魚の跳ね、花火のピークなどタイミング依存の被写体に強み。RAWで約46枚・JPEGで約74枚の連写上限も短期決戦に有効です。
AFはコントラスト検出のみ。逆光や低コントラストでは迷いやすいため、置きピンや連写併用、対象にテクスチャを作る工夫が有効です。
競合の速度面
アクションカムの“常時動画回し”も有効ですが、静止画一発のタイミング捕捉はTG‑7のプロキャプチャーが適しています。
アクセサリーと拡張性(ライト・コンバーター・ケース)

LG‑1ライトガイド、FD‑1ディフューザー、FCON‑T02魚眼、TCON‑T01テレコン、CLA‑T01アダプター、RM‑WR2リモコン、PT‑059など純正で体系化。必要に応じて後から機能を追加できます。
マクロを仕上げる光
LG‑1は内蔵LEDを均一に導光し、被写体に寄ってもケラれにくいライティングに。FD‑1は内蔵フラッシュ光を拡散し、被写体の微ブレ抑制や反射の均質化に寄与します。
フィッシュアイやテレコンは水中対応で曇り対策(窒素充填)。表現レンジを広げ、一台を長期運用できます。
運用を楽にする小物
スポーツホルダーやフロートストラップで落下・紛失リスクを低減。シリコンジャケットはグリップを高め、装着のままLG‑1/FD‑1が使えるのも利点です。
水中本格派はPT‑059+外部ストロボ2灯に拡張。光量コントロールと色再現で“作品”領域まで踏み込めます。
業務レベルで使うシーン
“現場写真を撮る”に特化したメニューを装備。「簡単CALS」でカメラ起動時に国土交通省のデジタル写真管理情報基準に準拠した画像サイズ(CALS/CALS H)へ自動切替が可能。電子納品の要件に合わせやすい設計です。
工事写真モードの中身
工事写真クリア系や屋内など用途別のサブモードを用意。白板・図面・帳票の可読性を高める設定が割り当てられています。起動時に自動でCALS画質へ移行する“簡単CALS”も搭載。
GPS・温度・気圧・コンパスのフィールドセンサーで活動ログと写真を紐づけ、撮影地や環境条件の証跡を残せます。OM Image Shareでログと写真を地図上に可視化可能です。
競合比較:他機材との立ち位置
機材 | 立ち位置 |
|---|---|
OM SYSTEM Tough TG-7 | 防水15m・耐衝撃2.1mのタフ設計。顕微鏡モードと深度合成が唯一無二。USB-C化・縦動画対応など現代仕様。 |
Ricoh WG-6 | 防水20m・耐衝撃1.6m・20MPセンサー搭載。LEDリングライトで近接撮影も得意だが、Wi-Fi非搭載。マクロ倍率や処理速度でTG-7にやや劣る。 |
Nikon COOLPIX W300 | 防水30m・耐衝撃2.4mとタフさ最強クラス。ただし発売が古く、RAW非対応・AFレスポンスも旧世代。 |
Panasonic LUMIX FT7(TS7) | 防水31m・EVF搭載の珍しい設計。だが高感度ノイズと暗いレンズが弱点。すでに生産終了。 |
GoPro HERO12 Black | 防水10m(ハウジングで60m可)。動画画質・手ブレ補正は圧倒的だが、静止画やズーム・マクロは非対応。アクション中心ユーザー向け。 |
TG-7の強みは「静止画・動画・マクロ・タフネス」の全部取り
WG-6よりマクロ倍率が高く、W300より新しい操作系とRAW撮影対応を備え、GoProより静止画表現に幅があります。 逆に、画質を最優先するなら1インチセンサー搭載の高級コンデジ、動画特化ならアクションカムが有力です。
市場で“全部入り”の現行タフカメラはTG-7が実質唯一であり、スマホでは撮れない環境を狙うユーザーには最適解といえます。
OM SYSTEM Tough TG-7のレビューまとめ
Tough TG-7 レビューの結論はシンプル。濡れる・落ちる・汚れる現場で「確実に撮る」なら有力候補です。防水15m・耐衝撃2.1m・耐低温-10℃の安心、1cmマクロ+深度合成の強み、4K/30pや縦動画の使い勝手。暗所画質や逆光AFは割り切りつつ、アクセで拡張すれば長く使える一台です。次の海・雪・山・工事で“スマホでは撮れない一枚”を狙いにいきましょう。
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