【2025年版】Canon RF14-35mm F4 L IS USMのレビュー比較まとめ

【2025年版】Canon RF14-35mm F4 L IS USMのレビュー比較まとめ

RF14-35mm F4 L IS USMは、14mmの超広角から35mmまでを軽量ボディでカバーするRFマウントのLズーム。風景・建築・旅行・動画と守備範囲が広い一方、広角端の強い樽型歪曲など補正前提の設計が織り込まれています。この記事ではRF14-35mm F4 L IS USMのレビューとして、基本スペック、実際の使用感、価格、競合比較までをフラットな目線でまとめました。

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筆者
みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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14mmスタート&77mmねじ込み対応で風景・建築・旅行に強い

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協調ISで最大7段相当(ボディIBIS併用時)で静止画・動画の安定化

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中域は高評価、35mm端は一段絞ると周辺が安定

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広角端の歪曲・周辺減光はプロファイル補正前提

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RF15-35/EF16-35/Z14-30との比較は「明るさ」か「軽さ・寄り」で整理

レビュー要点:どんな人におすすめか/不向きか

via: Digital Camera World

携帯性と超広角性能を両立し、旅行や風景、建築、Vlogに適した一本です。14mm始まりで狭い室内やダイナミックな前景構成が作りやすく、ねじ込みフィルター運用も可能です。強い歪曲は補正で解決する前提と捉えるのが実践的です。

おすすめのユーザー像

軽装で広大な風景や建築を撮る方と相性が良いです。14mmは16mmからの差が大きく、室内や街角のパース表現に余裕が生まれます。77mm径のPL/NDが直付けでき、旅・動画の機材を最小化できます。

動画ではナノUSMの静粛・滑らかなAFと協調IS(IBIS併用)が効きます。ブリージングは「控えめ〜標準的」とされ、フォーカス送りの画角変動は大きくありません。

不向きになりやすいケース

星景や極端な暗所ではF2.8ズーム/大口径単焦点の方が露出上有利です。加えて、補正を切ったRAW運用では14mmの樽型歪曲と周辺減光が顕著になるため、建築の直線保持を厳密に求める用途はプロファイル前提のワークフロー整備が必要です。

購入判断の指針

「広さ・軽さ・寄り・IS」を重視するなら RF14-35mm F4 L IS USMは筆頭候補。中域の描写は高評価で、35mm側は一段絞ると周辺が整います。RF15-35 F2.8と迷う場合は「暗所優先」か「軽量運用優先」かで切り分けると判断が明確になります。

要素別レビュー早見表

要素

評価内容

解像力とコントラスト

中域は非常にシャープで、20〜24mmが最良。35mm端はやや甘く、一段絞れば周辺まで安定。高画素機にも十分対応。

歪曲収差と周辺減光

14mmで強い樽型歪曲と光量落ちが発生。補正前提設計だが、補正後は自然。F5.6以降で改善。

逆光耐性・コーティング・サンスター

SWC・ASCコーティングで逆光に強く、フレアやゴーストが少ない。絞ればきれいな光条が出る。

AF・動画適性

ナノUSMで静かかつ高速。被写体認識AFと連携し滑らか。ブリージングが少なく動画にも好適。

手ブレ補正

レンズISで約5.5段、協調ISで最大7段。手持ち夜景・歩き撮りでも高い安定性を発揮。

近接性能と“広角マクロ”

最短0.2m・倍率0.38倍。被写体に寄りながら背景の広がりも出せ、テーブルフォトに最適。

ビルド・携行性・フィルター運用

約540gと軽量で防塵防滴。77mmねじ込み対応でPL・ND運用が容易。携行性・耐久性とも優秀。

基本情報のおさらい:発売状況と主要スペック

RF14-35mm F4 L IS USMは2021年9月発売、メーカー販売価格は236,500円(税込)です。レンズIS単体は最大約5.5段、ボディ内IBIS併用の協調ISで最大約7段相当と案内されています。

RF14-35mm F4 L IS USMの主要スペック要点

RF14-35mm F4 L IS USMは「広さ・軽さ・寄り・安定」を高次元でまとめた広角ズーム。広角14mmから標準35mmまでを1本でカバーしつつ、最短0.2m・倍率0.38倍という高い接写性能を持ち、被写体にぐっと寄れる“広角マクロ的”な使い方も可能です。手ブレ補正は最大7段(協調IS時)と強力で、手持ち夜景や歩き撮り動画も安定。

項目

内容

焦点距離

14–35mm(超広角〜広角域)

開放絞り値

F4固定(通し)

レンズ構成

12群16枚

最短撮影距離

0.20m(全域)

最大撮影倍率

0.38倍(35mm時)

絞り羽根

9枚(円形絞り)

フィルター径

77mm(ねじ込み式対応)

最大径 × 長さ

約84.1mm × 約99.8mm

質量

約540g

手ブレ補正効果

レンズIS単体5.5段/協調IS最大7段(IBIS併用時)

また出目金ではなくねじ込み式77mmフィルター対応なので、PLや可変NDフィルターがそのまま使えます。防塵防滴構造+フッ素コートで雨天や砂埃の現場でも安心。ズーム時に約9mm伸びる外部ズームだが、伸び幅は小さくジンバル運用でもバランス変化が少ないことも特徴です。

使い勝手に直結する仕様

コントロールリングにISOや露出補正を割り当て可能。AFはナノUSMで高速・静粛・滑らか、動画のフォーカス遷移にも適します。フォーカスブリージングは「控えめ〜標準的」と評価されます。

RAW主体で補正を切る運用では、14mmの歪曲・周辺落ちが強い点を理解し、現像ソフトのレンズプロファイル適用を前提化するのが安全です。

解像力とコントラストのレビュー:どの焦点域が“おいしい”のか

via: Camera Labs

総合的な画質評価は高く、とりわけ中域では安定したシャープネスが得られます。一方、比較では35mm F4でEF16-35mm F4Lが中心で僅かに勝る例があり、RF14-35は一段絞ると周辺のコントラストが整う傾向です。

20〜24mm域のキレ

高画素機でも細部の立ち上がりが良好で、風景での実用性は高い評価。絞りF5.6前後で四隅のコントラストがさらに均質化します。旅行スナップではF4で機動力を優先し、作品狙いの風景は一段絞る、と運用を切り分けるとバランスが取りやすくなります。

実写域の切れ味は開放から安定しています。Camera Labsは「開放からズーム全域にわたって、フレーム全体で非常にシャープなディテールを再現している」と述べ、広角ズームとしての基礎体力を確認しています。

広角端14mmの個性

中心はシャープで、補正適用後は隅も実用的です。強いパースを活かす前景配置で説得力が増し、水平・垂直の管理が画作りの要になります。

広角端はPLの偏光ムラが出やすいので効き過ぎに注意し、ライブビューで均一性を確認すると失敗を防げます。

35mm端の付き合い方

35mmはF4開放よりF5.6〜F8で周辺の描写が整います。中心重視の構図や、必要に応じた単焦点(例:RF35mm F1.8等)併用で弱点を補う運用も合理的です。

個体差も踏まえると、35mm端はセンター/周辺のバランスに差が出る場合があります。The Digital Pictureは実機レビューで「35mmでは中央部の解像感が高い一方で、周辺部はやや甘さが残る」と報告しています。作例確認と一段絞りの運用が無難です。

歪曲収差と周辺減光のレビュー:補正前提設計とRAWの心得

14mm未補正RAWでは強い樽型歪曲と周辺減光が出ます。レビューでも「歪曲は強いが補正前提で実用上は良好」と整理されており、JPEGや現像時のプロファイル適用で実運用は問題ありません。

14mmの歪曲特性

未補正では直線が湾曲するため、建築撮影は構図段階から中心軸の厳守と後処理補正を組み合わせるのが定石です。プロファイルは主要現像ソフトで提供されています。

最新の補正プロファイルを前提に、撮影から現像までのワークフローを固定化すると作業が安定します。

周辺減光とケラレ

広角端・開放での周辺光量低下は大きめです。風景は一段絞るか、現像で段階的に持ち上げると自然に仕上がります。

建築など均質性が要る被写体では、露出は中央で決め、周辺は後処理で補う運用が安全です。

競合比較の視点

Nikon Z 14-30mm F4 Sは未補正RAWで強い歪曲が指摘されています(補正運用で実用画質)。RF14-35は「14mm+近接0.38倍+IS」で差別化します。

RF15-35 F2.8も広角側の樽型は強めで補正前提です。両レンズとも補正を含めた最終画として設計されている点を理解すると選択で迷いません。

逆光耐性・コーティング・サンスターのレビュー

RF14-35はSWC(Subwavelength Structure Coating)とASC(Air Sphere Coating)を採用し、フレアやゴーストの抑制を図っています。Lレンズらしいフッ素コートも前面に施され、清掃性が高い構成です。

フレア・ゴースト耐性

強い太陽光源を含む場面でもコントラストの維持がしやすく、コーティング面の恩恵が見られます。角度調整や遮光の基本動作を合わせると安定度が上がります。広角端でのPLはムラが出やすいため、効きを弱めて均一性をライブビューで確認するのが無難です。

逆光耐性は良好で、Dustin Abbottも「フレア耐性は非常に優れており、コマ収差(点光源の流れ)もよく抑えられている」と評価。星景の周辺像にも前向きな所見です。

色収差とサンスター

倍率色収差は実写で過度に目立ちにくく、絞ればサンスター(9枚羽根)も整います。必要に応じて現像で色収差補正を併用しましょう。

AF・動画適性のレビュー:ナノUSMとブリージングの少なさ

ナノUSMは高速・静粛・滑らかで、スチル/動画の双方に適したAF挙動です。レビューではAF精度・静粛性とも高評価で、動画のフォーカス遷移もスムーズに行えます。

合焦速度と静粛性

低照度でも合焦が安定し、駆動音はごく小さいレベルにとどまります。動画の内蔵マイクでも音の回り込みが少ない構成です。

AF-Cの被写体追従は滑らかで、広角の被写界深度も相まって歩留まりを確保しやすいのが特徴です。

ブリージングと画作り

フォーカスブリージングは「控えめ〜標準的」と評され、近距離のフォーカス送りでも画角変化は大きくありません。ショット間の繋がりが保ちやすく、編集の負担を抑えられます。

ピント送り速度は対応ボディで調整できるため、被写体やシーンに合わせた最適化が可能です。

手ブレ補正のレビュー:協調ISの現場メリット

via: The Digital Picture

レンズISは最大約5.5段、ボディ内IBISと協調で最大約7段相当の補正効果が案内されています。夜景スナップの低速シャッターや手持ち動画で恩恵が大きい仕様です。

静止画での活かし方

風景やインテリアなど「三脚禁止/持ち歩き中心」の現場で強みが出ます。HDRの手持ちブラケット合成でもフレームずれが抑えやすく、後処理の整列精度が向上します。 人物では被写体ブレ対策として適切なシャッター速度を確保し、ISは手ぶれ側のリスク低減に活用すると安定します。

協調ISの実地効果として、Digital Camera Worldは「1秒を超えるシャッター速度でも手持ち撮影が可能だった」と実機レビューで確認している。夜景スナップの歩留まり向上に直結します。

動画での安定性

協調ISに加え、対応ボディの電子ISを併用すれば歩行やパンの揺れをさらに抑制しやすくなります。ジンバル併用時もベースの微振動低減に寄与し、モーター負荷の低減が期待できます。

近接性能と“広角マクロ”の面白さ

最短0.2m・最大0.38倍は広角ズームとして高倍率です。前景を大胆に入れつつ背景の広がりを同居させる表現が撮りやすく、料理や小物で臨場感を演出できます。

寄って広げる表現

テーブルの器を大きく、奥に店内の空気感を残す構図が作りやすい特性です。光は横から与え、PLで反射を微調整すると質感が立ちます。

最短付近では被写界深度が浅くなるため、主役のエッジに正確にピントを置く運用が有効です。

周辺画質と注意点

ごく近距離では周辺の解像が落ちやすいため、主役は中央〜中間部に置くと見栄えが安定します。寄りと広がりのバランスは20〜24mm付近が扱いやすいでしょう。

同一位置で焦点距離だけを変えるテストを習慣化すると、主役のボリュームと背景の広がりの関係が掴みやすくなります。

ビルド・携行性・フィルター運用

約540g・全長約99.8mmで取り回しが良く、防塵防滴・フッ素コート採用。77mmねじ込み対応でPL/NDの運用コストを抑えられます。ズームで約9.3mm伸びる外装設計です。

携行性と握りのバランス

EOS Rシリーズと組み合わせた長時間歩行でも負担が少ない重量級ではありません。鏡筒の伸縮は小さく、ジンバル運用でもバランス再調整の手間を抑えやすいサイズ感です。リングトルクや操作配置はLレンズらしい作りで、コントロールリングの活用で露出操作の即応性を高められます。

フィルター運用の自由度

77mmは選択肢が豊富で、可変NDや薄枠PLの調達性が高い径です。広角端でのPLムラや可変NDのX現象は製品選定と運用で抑制しましょう。角形が不要な場面も多い一方、段階NDの表現幅は依然有効。ねじ込み中心で始め、必要に応じて角形を追加する段階導入が費用対効果に優れます。

14mm到達ながら77mmねじ込み対応の希少性は本レンズの強み。SLR Loungeは「14mmの超広角域をカバーしながら77mmねじ込みフィルターに対応するレンズは非常に珍しい」とコメントしています。

競合比較:RF15-35 F2.8/EF16-35 F4L/Z14-30 F4 Sほか

広角ズームの選び分けは「暗所(F2.8)」か「軽さ(F4)」か、「未補正の素直さ」か「補正前提の画角・機能」かで整理すると現実的です。

競合レンズ

立ち位置

RF15-35mm F2.8 L IS USM

プロユースの「大三元」広角ズーム。F2.8の明るさと高い解像力で暗所や星景、ボケ表現に強い。サイズと価格は大きいが、最高画質と信頼性を求める撮影者に最適。

EF16-35mm F4L IS USM(+アダプター)

一眼レフ時代の名玉。無補正RAWの自然な描写と堅実な作りが魅力。価格もこなれており、コスパを重視した風景・建築ユーザーにいまだ根強い支持。

Nikon Z 14-30mm F4 S

ミラーレス専用設計で非常に軽量。14mmから始まる広い画角とフィルター装着性が強み。補正前提設計ながら旅行・動画でも扱いやすいZシステムの定番。

RF15-35 F2.8 L IS USM

F2.8の明るさと5段IS、82mm径、約840g。歪曲は広角側で強め(補正で対処)。暗所・ボケ量重視に有利ですが、サイズ・重量・フィルター径の負担が増えます。

RF14-35は「14mmの広さ・約540gの軽さ・0.38倍の寄り・77mm径」で対抗します。用途で切り替えるのが合理的です。

EF16-35 F4L IS USM(+アダプター)

最大倍率0.23倍・77mm径で、未補正RAWの直線保持と堅実な描写で評価が高い定番。RF14-35より軽さは近いものの、14mmの広さ・0.38倍の寄り・協調IS最適化などはRF側の強みです。

RF移行で77mm資産が活かせる点は両者共通。アダプター分の取り回しをどう評価するかが分かれ目です。

Nikon Z 14-30mm F4 S/その他

Z14-30 F4 Sは82mm径でフィルター装着可・軽量だが、未補正RAWで強い樽型歪曲が実測で報告されています(ソフト補正で前提対処)。レンズ内VRは非搭載で、IBIS頼みとなります。サードパーティの超広角ズームや旧世代の大口径ズームをアダプトする選択肢もありますが、AFや補正プロファイルの整備まで含めると純正の総合バランスは高水準です。

まとめ

RF14-35mm F4 L IS USMは、14mmの広さ・約540gの軽さ・77mmねじ込み・最大0.38倍の近接・協調ISという「撮影シーンで効く要素」を凝縮した広角ズームです。強い歪曲と周辺減光は補正前提の設計ですが、プロファイル運用で課題は小さく、35mm側は一段絞れば安定します。暗所優先ならRF15-35 F2.8、軽量運用と寄りを重視するなら本レンズが合理的です。


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