
【2025年版】Nikon D850のレビュー比較まとめ
フルサイズ一眼レフの到達点として長年支持されてきた「Nikon D850」。いま買って満足できるのか、ミラーレス全盛の2025年に選ぶ理由は何か。複数の媒体で実機レビューも公開されており、長所と弱点が見えてきています。この記事ではD850が刺さる人・刺さらない人を競合比較もまじえてまとめます。

この記事のサマリー

D850は「高画素×十分な機動力×光学ファインダー」を両立。風景・商品・ウェディング・野生動物の静物〜動体まで広範に強い。

弱点はライブビューAFや動画の拡張性。動画重視ならミラーレス(Z8/R5/A7R V)が本命。

45.7MP BSI・ISO64の広ダイナミックレンジ、7fps(グリップ+EN‑EL18a/b/cで9fps)、4K/30pフル幅が核。

CFexpress Type B対応FWや主要レビューの評価も踏まえ、2025年でも静止画主戦力として十分現役。
レビュー要点:どんな人におすすめ/不向き?

D850の魅力は、光学ファインダーの見やすさ、ISO64起点のワイドダイナミックレンジ、45.7MPの精細描写と7fpsの機動力を一台で握れる点にあります。CIPA基準で約1,840枚の電池寿命も実際の撮影シーンで嬉しい要素です。一方、ライブビューAFや動画の拡張性は最新ミラーレスに及ばず、動画主体なら他機種検討が無難です。
おすすめな人
風景・商品撮影で階調と後処理耐性を重視する人。ISO64とAAレス45.7MPセンサーは微細な質感を粘り強く描きます。大量撮影の現場では電池寿命約1,840枚がロス低減に寄与。プロ/ハイアマの静止画主戦力として、信頼できる選択肢です。
動体も一定の実力があります。153点AF(99点クロス)と7fps、グリップ+EN‑EL18a/b/cで9fpsの連写により、ブライダルや野生動物、スポーツの決定的瞬間に対応。「高解像と十分な連写を両立する万能型」と高い評価を得ています。
不向きな人
動画ファースト、あるいは軽量コンパクト最優先の人。4K/30p止まりで、10bit内部記録やプロ向けコーデックは非対応。ライブビューAFはコントラスト検出主体で、被写体認識AFや高フレームの連写はミラーレス上位機(Z8/R5/A7R Vなど)に分があります。
ボディ約915g(本体のみ)は携行負担になりがち。街歩き中心やVlog中心では恩恵が薄い可能性があります。OVFの撮影体験を重視するかが分岐点です。
要素別レビュー早見表
| 観点 | 一言まとめ(長所+短所) | 
|---|---|
| 画質・ダイナミックレンジ | ISO64×AAレスで粘る階調と高精細。低感度◎だが高ISOはややノイズ多め。 | 
| AF・連写・追従性 | D5譲り153点AF+7〜9fpsで動体対応。OVF快適だがLV-AFは遅め。 | 
| 動画・タイムラプス・収録 | 4K/30p&FHD120p、8K素材も可。AF遅くIBISなし・10bit非対応。 | 
| ボディ・操作性・電池 | 防塵防滴×0.75倍OVF×長寿命。重量や携行性はやや不利。 | 
| 記録メディア・ワークフロー | XQD/SDデュアル+CFe対応で高速安定。カード高価で発熱注意。 | 
D850の基本情報のおさらい:発売状況と主要スペック

D850は倍率0.75×の光学ファインダーを搭載し、ニコンDSLR史上で最も広く明るい見えを実現します。CIPA基準の電池持ちは約1,840枚(グリップ使用で最大5,140枚)で、長丁場の現場に強い仕様です。
D850は2017年8月に発売され、メーカー公式サイトで343,200円(税込)で販売されています。
D850の主要スペックの要点
45.7メガピクセルの裏面照射型(BSI)フルサイズセンサーを搭載し、ISO感度は標準64〜25,600、拡張で32〜102,400まで対応しています。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 有効画素数 | 45.7MP(メガピクセル) | 
| センサー | 裏面照射型(BSI)フルサイズCMOS | 
| ISO感度 | 64–25,600(拡張32–102,400) | 
| ファインダー | 光学式 0.75倍 / 視野率100% | 
| AFシステム | 153点(99点クロスタイプ) | 
| 動画性能 | 4K/30p(フル幅) | 
| 連写速度 | 7fps(MB-D18+EN-EL18a/b/c装着時9fps) | 
| 記録メディア | XQD+SD(UHS-II)/FW更新後CFexpress Type B対応 | 
二つのスロット(XQD/CFexpress+UHS‑II SD)は速度と冗長性のバランスに優れ、報道・婚礼などでも安定運用が可能です。
画質・ダイナミックレンジのレビュー:ISO64とAAレスの強み
D850の画づくりは「トーンの粘り」と「微細解像」が第一印象。ISO64の低感度は白飛び・黒潰れ耐性に寄与し、RAW耐性も高めです。AAフィルターレス設計と高画素の相乗効果で、商品・風景・ブライダルの質感再現に説得力が出ます。
解像と階調はハイレベル
センサー評価で実証もされており、DxOMarkはD850を“初の総合100点を獲得したDSLR”と評価しています。低ISOの色再現とダイナミックレンジの優位が指摘されています。微細描写ではレンズの性能差も露わになるため、高性能単焦点や最新ズームとの組み合わせが有効です。
ハイライト耐性の余裕は逆光風景や商品撮影で実益が大きく、RAW現像での持ち上げにも追従。ISO64起点の運用は、作品づくりの再現性を上げます。
高感度は「良好」だが万能ではない
45.7MPながら低照度耐性は良好。ただしD5/D6系や最新の積層型センサー機ほどではありません。夜景・室内では適切な露出管理とレンズ選びが重要。実運用ではISO3200前後まで素直な粒状感で、現像ノイズ低減の余地があります。
R5やA7R Vとのノイズ比較は被写体と仕上げ前提で拮抗。最終的にはワークフロー適合度が選択の決め手になります。
AF・連写・追従性のレビュー:153点AFと“必要十分”の機動力
AFはMulti‑CAM 20K(153点/99点クロス)。低輝度から動体まで粘るOVF撮影が強みです。一方、ライブビューAFの反応はOVF時より約10倍遅いという計測もあり、素早い一発合焦はOVF運用が優位です。
連写は標準7fps、MB‑D18+EN‑EL18a/b/cで9fps。ライブビュー限定のサイレント撮影も用意されています。AFモジュールはD5由来の153点。DPReviewも“プロスポーツ志向のD5から移植”と位置づけています。
153点AFの実像
野生動物分野でも合焦の確実性と歩留まりの高さが評価されます。OVFでは遅延のない像で追従しやすく、動き物のフォーカスワークに向きます。一方、ライブビューAFはコントラスト検出主体で最新ミラーレスの被写体認識AFには及びません。
人物・鳥の瞳検出や広域トラッキングが必須なら、ミラーレス上位機の選好が合理的です。
連写・バッファ・サイレント撮影
標準7fps、グリップ+EN‑EL18a/b/cで9fps。バッファはカード・設定で実効が変わります。サイレントはライブビュー限定で、フル解像約6fps(モード1)と、DX・約8.6MPで最大30fps・最長約3秒(モード2)を装備。舞台・式典など無音が前提の現場で役立ちます。
実測で約7.1コマ/秒(素の状態)、約9.2コマ/秒(MB‑D18+EN‑EL18系)を確認。RAW/14bitでも200枚まで粘る条件があり、バッファクリアも高速。ハイフレーム前提の動体専業ならブラックアウトフリーや高速連写を持つミラーレス上位機が有利。D850は「静止画主戦力+動体も十分」という立ち位置です。
動画・タイムラプス・収録の要点のレビュー
動画は4K UHD/30pをフル幅で記録。FHD/120pのスロー、外部4:2:2 8bit出力、ピクチャーコントロールやゼブラに対応します。タイムラプスはカメラ内で4K生成、8K相当は静止画を外部合成して制作します。
4Kフル幅と8K相当タイムラプス
レンズ画角を保った4K/30pは納得の画質。タイムラプスではインターバル撮影+外部合成で8K相当の高精細映像を制作可能(カメラ内は4K)。静止画重視のユーザーが必要十分な動画を記録する使い方が現実的です。
一方、10bit内部記録やRAW動画などの拡張は非対応。動画最優先なら8Kや高速記録、被写体認識AFに強いミラーレスが適します。
現場収録の勘所
サイレント(ライブビュー)やチルト液晶は舞台・講演などで有効。ただしライブビューAFは俊敏ではないため、MF+ピーキングや置きピンの併用で歩留まりを確保しましょう。
ボディ・操作性・電池のレビュー:現場で効く“安心感”
マグ合金シャーシの防塵防滴、深いグリップ、直感的な操作系は長丁場で効きます。OVFは倍率0.75倍・視野率100%で明るく、遅延ゼロの見えがフレーミング精度に直結します。
操作とファインダー
ダイヤルやジョイスティック配置は上位ニコン機のスタイルそのもの。大きく明るいOVFは屋外でも視認性が高く、動体の追従にも寄与します。ライブビュー時はAFの俊敏さが落ちるため、拡大MFやAF‑ONの使い分けが安全です。
視度調整やグリップ一体感は稼働時間の長い現場ほど恩恵を実感しやすいポイントです。
電池・耐環境性
電池寿命はCIPA約1,840枚。MB‑D18+EN‑EL18a/b/cで連写とライフを伸長可能。雨天や寒冷下の酷使レビューでも堅牢性の評価が高く、ワークホースとしての価値を支えます。
重量は本体約915g、バッテリー・カード込みで約1005g。携行負担と信頼性のバランスを考えた上で選びたいところです。
記録メディア・ワークフロー最適化のレビュー

デュアルスロット(XQD/CFexpress Type B※FW対応+SD UHS‑II)は冗長性と速度を両立。高速カードの導入は連写持続やオフロード時間の短縮に直結します。
CFexpress活用とカード選び
RAW連写や4K記録ではカード速度が歩留まりを左右。CFexpress Type Bの採用で書き戻し・転送の効率化が見込めます。既存のXQD資産を活かしつつ段階的に移行可能です。
カード選定は実測書き込み速度と信頼性(温度・電源断耐性)を重視。長時間の婚礼・取材では冗長記録も積極活用したいところです。Digital Camera Worldも実機レビューで高速XQD(例:440MB/s)を推奨。9fps運用や長尺RAW連写ではカード性能が歩留まりを左右します。
ネガフィルム“デジタイザ”機能の注意点
内蔵のネガ反転(ES‑2併用)機能は話題ですが、ハイライトのクリッピングや運用効率の観点で評価は割れます。フィルム複写はRAW運用+現像ソフトでの一括処理を軸に、照明・ステージ最適化で歩留まりを上げるのが無難です。Peta Pixelも実機レビューで“変換カーブがクリップしやすい”と指摘しており、色ネガはRAW複写+現像ソフトの方が安全です。
一方で高解像センサーとAAレスは“カメラスキャナ”的な適性を後押しします。省機材を狙う場合の現実解として検討余地があります。
競合比較ガイド:Z8/R5/A7R Vとどう違う?
| 機種 | 比較・立ち位置 | 
|---|---|
| Nikon D850 | OVF×45.7MP、静止画主力の万能DSLR | 
| Nikon Z8 | 45.7MP積層×AI被写体認識、動体・動画に強いハイブリッド | 
| Canon EOS R5 | 45MP×8K×DPAF II、静止画+動画のバランス型 | 
| Sony A7R V | 61MP×AI認識AF、超高解像・精密描写重視 | 
動画志向・被写体認識AF志向ならミラーレス(Z8/R5/A7R V)。静止画志向・OVF志向・電池持ち重視ならD850が依然魅力。用途で切り分けると選択が明瞭になります。
Nikon Z8(最新ミラーレス)との比較
Z8は45.7MP積層型CMOSにRAW 20fps/JPEG最大120fps、8K動画、被写体認識AF、ブラックアウトフリーEVFなどを装備。動体と動画の総合力はZ8が優位です。
D850はOVFならではの遅延ゼロの見え、ロングライフな電池持ち、既存Fマウント資産との相性が強み。大量枚数の静止画運用や屋外・スタジオの“撮り切る”現場で価値が光ります。
Canon EOS R5/Sony A7R Vとの比較
R5は45MP×電子20fps×8K内部記録対応で、静止画・動画のハイブリッド性能が高水準。ファーム改善を経て動画ワークでも使い勝手が向上しています。
A7R Vは61MPとAIベースの被写体認識AF、8K/24p対応など超高解像領域で優位。解像最重視や高度なAF支援を求める場合に強力な選択肢です。
作例づくりのコツ:D850の強みを最大化する運用
高画素×ISO64を軸に、現場の露出設計とレンズ選びで解像と階調を底上げできます。長所に寄せたセッティングで歩留まりを上げましょう。
風景・商品:ISO64と三脚運用
ISO64でハイライト優先に露出し、RAW現像でシャドウを持ち上げるのが定石。三脚・レリーズ・精密なピント位置決めで像面の均質さを引き出し、AAレスのキレを最大化します。照明は拡散光+レフで反射を整えると効果的です。
高解像はレンズ選びと技術差が露骨に出ます。最新世代の高解像ズームやハイグレード単焦点の導入はコストに見合う効果があります。
動体:AFエリアとサイレントの使い分け
不規則な被写体にはエリア設定を簡潔にした運用が有効。ライブビュー限定のサイレントは無音が求められる舞台・式典で強み。決定的瞬間の取りこぼしを減らすには、事前のボタンカスタム(AF‑ON/親指AF)も効きます。
人物・鳥の瞳AFや超高速連写が要件ならミラーレスが有利。D850は「ハマる現場」で確実に仕事ができる万能機です。
まとめ
D850は「45.7MPの精細描写」「ISO64の粘る階調」「視野率100%・倍率0.75倍のOVF」「CIPA約1,840枚の電池持ち」を柱に、2025年でも静止画現場の強い味方です。動画・AI AFの拡張は最新ミラーレス(Z8/R5/A7R V)が優位ですが、静止画を軸に時々動画ならD850は理にかなった投資。新品・中古の価格相場を把握し、用途に合わせて賢く選べば満足度は高いでしょう。
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