Reflex Nikkor 1000mm F11

風景では遠くの空気感まで掬い、山稜の線や樹々の重なりを緻密に刻み込み、静かな解像で奥行きをしっとりと描く。背景にはリング状のボケが現れ、遠近の分離が明確になり、主題の存在感を自然に押し出し、視線誘導もしやすい。コントラストは端正で色は自然、白から黒まで階調がすっきり伸び、霞む場面でもヌケが良く、ハイライトの粘りも心地よい。周辺の均質性や逆光耐性、構図の安定感に配慮された描写で、フレアを抑えつつ遠景の階調を保ち、隅々まで澄んだ印象に導く。携行性は意外に軽快で、MFリングは程よい重さとストロークが追い込みやすく、動画時も変動が穏やか、構図が保ちやすい。