
35mmオールドレンズおすすめ10選 M42・ニコンFマウント・ライカ・PENTAXの銘玉を比較



35mmのオールドレンズは、スナップから風景、日常の記録まで“ちょうどよく写る”扱いやすさが魅力です。一方で、M42やニコンFマウント、ライカL/M、PENTAX Kなど規格が複数あり、さらに個体差やコンディション問題もあって、最初の一本選びでつまずきやすいです。この記事では、35mmオールドレンズの選び方を具体的に整理したうえで、入門向けから銘玉クラスまでおすすめ10本を厳選し、描写の方向性・使いどころ・注意点をセットで比較します。
この記事のサマリー

35mmオールドレンズは、フルサイズでは広角寄りの万能、APS-Cでは標準寄りの万能として使いやすい焦点距離です

選ぶ軸は「マウント互換」「換算画角のイメージ」「個体コンディション」の3つに絞ると迷いにくくなります

M42はアダプター運用の自由度が高く、タクマーやFlektogonなど“入り口から沼まで”選択肢が豊富です

ニコンFマウントはAi Nikkor 35mm F2がバランス型、Ai-s 35mm f/1.4Sは近接と開放表現を狙う銘玉です

ライカやJupiter-12はレンジファインダー系ならではの制約があるため、装着可否と最短撮影距離を先に確認すると失敗しにくいです
35mmオールドレンズの選び方:マウント・換算画角・コンディションの3点で決める

35mmオールドレンズ選びは、描写の好みを語る前に「装着できるか」「自分の画角になるか」「状態の当たり外れを許容できるか」を押さえるのが近道です。具体的には、マウント互換(M42やFマウント、ライカL/Mなど)、センサーサイズによる換算画角、そして個体コンディションの3点を軸にすると、選択肢が多くても現実的に絞り込めます。
選び方1. マウント互換は“アダプター運用の前提”まで含めて考える
M42はミラーレスにアダプターで載せやすく、選択肢も多いため、35mmオールドレンズ入門の王道になりやすい規格です。対してニコンFマウントやPENTAX Kは、ボディ側の対応状況(機械連動やアダプターの方式)で使い勝手が変わります。ライカL/M系はレンジファインダー用が中心で、レンズ後玉の張り出しや最短撮影距離の制約が出やすいので、購入前に装着可否を一度立ち止まって確認するのが安全です。
選び方2. 35mmはフルサイズとAPS-Cで“役割”が変わる
フルサイズの35mmは、街並みを少し広く入れつつ人物も置ける「広角寄りの万能」として活躍します。APS-Cでは約1.5倍換算になり、35mmが約50mm前後の標準域になるため、料理や雑貨、日常の距離感を自然にまとめやすくなります。例えば旅行スナップならフルサイズの35mmは空気感を入れやすく、APS-Cの35mmは被写体が整理しやすい、というように同じレンズでも“使いどころの得意不得意”が変わる点を意識すると失敗が減ります。
選び方3. オールドレンズはコンディションが価格と描写を左右する
オールドレンズは、同じ銘柄でもカビ・クモリ・バルサム切れ(貼り合わせ面の劣化)・ヘリコイドの重さなどで写りや操作感が大きく変わります。とくに逆光でコントラストが落ちる、強い光源でフレアが増えるといった症状は、設計の個性だけでなく状態の影響も受けやすいです。価格が安い個体ほど“味”以前にコンディション要因が強く出ることもあるため、初めての一本は数多く出回っているモデル(タクマーなど)から入ると、良個体に当たりやすい傾向があります。
失敗しやすいポイント:最短撮影距離・逆光耐性・クリック絞りを先に許容する
35mmオールドレンズは万能に見えて、現代レンズの感覚のまま使うと「思ったより寄れない」「逆光で急に眠い」「動画で絞りが変えづらい」といったズレが起きがちです。購入前に“自分の撮り方に刺さる制約かどうか”を見極めると、銘玉探しが楽しくなります。
最短撮影距離は“テーブルフォト適性”に直結する
35mmで料理や小物を撮る人は、最短撮影距離を軽視しないほうが安心です。例えば最短0.9mクラスだと、椅子に座ったままテーブル全体は撮れても、皿の一部を大きく切り取る撮り方は難しくなります。反対に0.3〜0.4m、さらに0.2m級まで寄れると、背景を整理しつつ主役を大きく写せるため、スナップの“寄り引き”の自由度が上がります。今回のおすすめでも、寄れる銘玉と、寄りに制約がある系統を分けて紹介します。
逆光の出方は「欠点」ではなく“表現”として選ぶ
オールドレンズは、逆光でフレアやゴーストが出やすいものが少なくありません。ただ、これを一律に弱点と捉えるより、ハイライトがにじむ柔らかさを狙うのか、絞ってコントラストを作るのか、撮り方で使い分けると面白さが増します。例えば夕方の木漏れ日や室内の窓光では、少し眠い描写が雰囲気づくりに効くことがあります。一方、建築や風景の隅々までカリッと出したい日は、絞りを使って“得意な領域”に寄せるほうが結果が安定しやすいでしょう。
動画で使うならクリック絞りと操作感を意識する
多くのオールドレンズはクリック付き絞りのため、撮影中にF値を滑らかに変える用途には向きにくい傾向があります。とはいえ、フォーカスリングの回転角が大きく、ゆっくり合わせやすい個体もあり、静止画とは別の魅力が出ることもあります。動画を主目的にする場合は、絞りは撮影前に決めておき、ピント送りの操作感や、ボディ側の手ブレ補正・拡大表示などとセットで運用すると現実的です。レンズ単体の良し悪しより、撮影スタイルに合う“扱いやすさ”を優先するのが近道になります。
35mmオールドレンズの比較 早見表

「まずは一本」を探すなら、価格帯とマウント、そして“寄れるかどうか”で候補が大きく変わります。下の早見表では、定番の35mmオールドレンズに加えて、オールドレンズらしいMF操作やクラシックな描写を現行品で楽しめるモデルも含め、今回おすすめする10本を比較しました。入手しやすさも含めてそれぞれの特徴を短くまとめているので、まずは表で方向性をつかみ、各レンズの解説で向く撮り方や注意点まで確認して選んでみてください。
製品名 | 特徴・おすすめポイント |
|---|---|
Super/SMC Takumar 35mm F3.5 | M42の定番入門。軽快で絞って安定、スナップ練習にも相性が良い |
SMC Takumar 35mm F2 | タクマーの明るい側。開放の“甘さ”も味として使えるステップアップ枠 |
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4 | M42銘玉の代表格。近接に強く、立体感を狙った35mmが欲しい人向け |
smc PENTAX-M 35mm F2.8 | Kマウントで小型軽量。絞ってスナップに寄せると扱いやすい |
Nikon AI Nikkor 35mm F2S | F2の明るさと約280gの扱いやすさを両立。35mmオールドレンズの一本目にも選びやすい |
Nikon Ai-s NIKKOR 35mm f/1.4S | 開放表現と近接が魅力。クセも含めて“絵作り”したい上級者向け |
Jupiter-12 35mm F2.8(L39系スクリューマウント) | レンジファインダー用の個性派。歪曲の少なさと独特の周辺描写を楽しむ |
Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM | 意図的にクラシックレンズの描写を再現 |
LIGHT LENS LAB M 35mm f/2 | 初期のライカ35mm F2を研究して再現した35mm |
Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII | 小型軽量でクラシックなMF操作を楽しみやすい |
同じ35mmでも、F値が明るいほどボケは出しやすい一方で、開放の収差や逆光のクセが強くなる傾向があります。逆にF2.8〜F3.5クラスは派手さは控えめでも、絞って安定しやすく“歩き回る写真”に向くことが多いです。ここからは各レンズを、使いどころと注意点まで含めて具体的に見ていきます。
Super/SMC Takumar 35mm F3.5:M42の定番入門で“絞って気持ちいい”
Super/SMC Takumar 35mm F3.5は、M42スクリューマウントを代表する入門35mmとして名前が挙がりやすい一本です。開放F3.5は派手なボケを狙うタイプではありませんが、その分だけ設計に余裕が出やすく、少し絞ったときに画面全体が素直にまとまりやすいのが魅力です。オールドレンズの操作感を覚えつつ、スナップを軽快に続けたい人に向きます。
スナップで“迷いが減る”素直な35mm
フルサイズなら広角寄り、APS-Cなら標準寄りと、どちらのセンサーでも使いやすいのが35mmの強みです。F3.5のタクマーは、被写界深度が深めになりやすく、ピント合わせに不慣れでも破綻しにくいのが助けになります。街角の看板と人の距離感、室内の光と影のバランスなど、日常の“情報量”を自然に残したいときに相性が良いでしょう。
寄れない場面と逆光は“撮り方”でカバーする
最短撮影距離が長めの個体が多い系統なので、テーブルフォトで「もう一歩寄りたい」と感じることは少なくありません。そういうときは、被写体を大きく撮る発想より、背景を整理して“画面の設計”で見せるほうがこのレンズの得意技になります。逆光は条件次第でコントラストが落ちやすいので、強い光源を画面に入れるときはフレーミングを少しずらす、少し絞るなどで結果が安定しやすくなります。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | Super/SMC Takumar 35mm F3.5 |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 |
焦点距離・開放F値 | 35mm F3.5 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離 | 約0.45m |
フィルター径 | 約49mm |
重量 | 152g |
みんなのカメラ 商品ページ | ― |
価格と入手のしやすさでも挑戦しやすく、35mmオールドレンズの“基準”を自分の中に作るのに向く一本です。
SMC Takumar 35mm F2:明るさと味わいのバランスが取れたタクマー上位
SMC Takumar 35mm F2は、タクマー35mmの中でも明るさを重視したモデルで、F3.5版より“雰囲気が出る”方向に振りやすいのが特徴です。開放から現代レンズのように均一なシャープさを求めるより、少し柔らかい立ち上がりやボケの表情を楽しむ人に向きます。加えて、サイズ感は過度に大きくなりにくく、常用レンズとして持ち出しやすいのもポイントです。
F2の余裕が、室内スナップと人物の距離感を変える
F2になると、同じ35mmでも背景の整理がしやすくなり、室内の窓光や夕方の薄暗い道などでシャッタースピードを稼ぎやすくなります。APS-Cで標準域として使う場合も、被写体を浮かせた“日常のポートレート”が作りやすいでしょう。F3.5版で物足りなさを感じた人が、オールドレンズらしいボケと空気感を一段強めたいときの候補になります。
開放のクセを理解すると“写真が整う”
明るい広角は、開放付近で周辺が甘くなったり、逆光でフレアが増えたりしやすい傾向があります。SMC Takumar 35mm F2も、状況によってはそうした表情が出るため、まずは被写体を中央寄りに置く構図や、少し絞った撮り方で基準を作ると扱いやすくなります。輪郭をカリッと出したい日は絞り側へ、柔らかさを残したい日は開放寄りへ、と“意図して振る”とこのレンズの評価が上がりやすいでしょう。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | SMC Takumar 35mm F2 |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離 | 0.4m |
フィルター径 | 49mm |
重量 | 242g |
みんなのカメラ 商品ページ | ― |
タクマーの中で“明るさ側”を選ぶなら、F2は扱いと表現のバランスが取りやすい立ち位置です。
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4:近接が楽しいM42銘玉
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4は、M42マウントの35mmオールドレンズを語るときに避けて通れない銘玉のひとつです。最大の特徴は、35mmとしては近接に強い個体が多い点で、寄ったときの立体感や背景のほどよい崩れ方に魅力があります。タクマーの“素直さ”とは別方向に、被写体に寄って絵を作りたい人に向きます。
35mmで寄れると、テーブルフォトの自由度が一気に上がる
35mmは本来、引きで環境を入れるのが得意ですが、Flektogonは寄りの性能が評価されやすく、近接スナップの成功率を上げやすいレンズです。花や小物を大きく撮りつつ背景も少し残す、料理の主役だけを浮かせて店内の空気も入れる、といった“広角らしい近接”が作りやすくなります。日常の被写体を被写界深度で整理しながら撮りたい人には、35mmの役割を変えてくれる一本になり得ます。
個体差と整備リスクは、価格とトレードオフになりやすい
Flektogonは人気が高く、状態の良い個体は価格が上がりやすい傾向があります。また古い東欧系レンズは、ヘリコイドの重さや光学の劣化など、コンディション差が出やすい点にも注意が必要です。購入時は“安さ”より“動作と光学の健全さ”を優先したほうが、結果的に満足しやすいでしょう。クセの強さも含めて楽しむ銘玉なので、最初の一本というより、35mmオールドレンズを続けたくなった人の次の一手に向きます。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4 |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2.4 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離 | 0.19m |
フィルター径 | 49mm(M49×0.75) |
重量 | 250g |
みんなのカメラ 商品ページ | ― |
“寄れる35mm”は使い道が多く、一本あると撮れる被写体が増えます。
smc PENTAX-M 35mm F2.8:Kマウントで軽快、絞って気持ちいい小型広角
smc PENTAX-M 35mm F2.8は、PENTAX Kマウントのオールド広角として、携行性の良さが光る一本です。開放F2.8は暗所での余裕は大きくないものの、日中や室内の普通の光であれば困りにくく、むしろレンズを小さく保てるメリットがあります。オールドレンズを“持ち歩く習慣”にしたい人には、サイズの小ささが大きな価値になる場面が多いでしょう。
小型軽量は“撮影の回数”を増やす実力になる
オールドレンズは、撮影体験そのものを楽しむ道具でもあります。PENTAX-M 35mm F2.8のような小ぶりな35mmは、カメラバッグの中で場所を取らず、散歩や旅行に自然に連れ出しやすいのが強みです。フルサイズなら少し広めのスナップ、APS-Cなら標準寄りの常用として、撮りたいものを選ばず使える場面が増えます。
開放は控えめに、絞って“安定の描写”を引き出す
オールドの35mm F2.8は、開放で周辺が落ち着かないことがありますが、少し絞ると急に使いやすくなる個体も珍しくありません。スナップなら被写界深度を少し稼いで、ピントの外しを減らす方向に寄せるのも実践的です。ボケ量を稼ぐレンズではないので、背景をぼかすより、背景の整理や被写体との距離で“見せたいものを決める”撮り方が向きます。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | smc PENTAX-M 35mm F2.8 |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2.8 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離 | 0.30m |
フィルター径 | 49mm |
重量 | 174g |
みんなのカメラ 商品ページ | ― |
“軽い35mm”は撮影の機会を増やし、結果的に上達も早めてくれます。
Nikon AI Nikkor 35mm F2S:Fマウントのバランス型で、一本目に選びやすい

Nikon AI Nikkor 35mm F2Sは、ニコンFマウントの35mm MFレンズの中でも、F2の明るさと扱いやすいサイズを両立した一本です。35mm F2の系譜は1965年のNikkor Auto 35mm F2から続き、1977年にAI化、1981年にはフォーカスの作動や絞り環まわりを変更したAI Nikkor 35mm F2Sへと発展しました。光学系の基本構成は歴代モデルで受け継がれており、日常のスナップから室内撮影まで幅広く使いやすい35mmです。
F2の明るさでスナップから室内撮影まで使いやすい
35mmは、街並みや建物を少し広めに収めたり、人物と周囲の風景を一緒に写したりしやすい焦点距離です。AI Nikkor 35mm F2Sは開放F2の明るさがあり、日中のスナップだけでなく、室内や夕方など光量の少ない場面でも使いやすくなっています。ニコン公式でも、広角レンズとして明るいため、屋外の一般撮影に加えて室内や夜間の撮影にも使いやすいレンズとして紹介されています。
開放からコントラストを保ちやすく、自然な遠近感を活かせる
ニコン公式では、35mm広角として自然な遠近感を得やすく、諸収差を良好に補正した設計と説明しています。コーティングによってゴーストやフレアを抑え、コントラストの良い描写を狙っているのも特徴です。最短撮影距離は0.3mなので、街歩きだけでなく、身近な被写体へある程度寄って撮ることもできます。強いクセを前面に出すタイプというより、35mm F2を幅広い場面で使いたい人に向く一本です。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | Nikon AI Nikkor 35mm F2S |
発売日 | 1981年9月 |
対応センサーサイズ | 35mmフルサイズ相当(35mm判用) |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2 |
35mm判換算 | 35mm、DXでは52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離・最大倍率 | 0.3m/1/5.7倍 |
フィルター径 | 52mm(P=0.75) |
重量 | 約280g |
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Nikon Ai-s NIKKOR 35mm f/1.4S:開放表現と近接で“絵作り”する銘玉

Nikon Ai-s NIKKOR 35mm f/1.4Sは、35mmオールドレンズの中でも明確にキャラクターが強い一本です。開放F1.4の浅い被写界深度に加えて、35mmとしては近接が得意な個体が多い点が魅力で、被写体に迫りながら背景を大きく崩す表現が狙えます。汎用性よりも“このレンズで撮りたい”を優先する人に向きます。
35mm×F1.4は、環境を入れたまま主役を浮かせられる
50mmのF1.4は背景が消えやすい一方、35mmのF1.4は背景を残したままボケを作れるため、ストリートや室内の空気感を保ちやすいのが特徴です。例えば店内の灯りを背景に入れて人物を浮かせる、路地の奥行きを残しつつ手前の被写体に視線を集める、といった“環境ポートレート”寄りの使い方が得意です。寄れる個体ならテーブルフォトでも主役が立ちやすく、作品作りの道具になりやすいでしょう。
開放のクセと価格は覚悟が必要、だからこそ面白い
F1.4のオールド広角は、開放で収差やフレアが出やすく、撮影条件で結果が大きく変わります。常にシャープで整った写りを求める人には不向きですが、逆に“崩れ方”まで含めて表現に取り込める人には強い味方になります。中古でも高価になりやすいクラスなので、最初からこれ一本に賭けるより、F2やF2.8で35mmのリズムを掴んだ後に導入すると満足しやすいでしょう。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | Nikon Ai-s NIKKOR 35mm f/1.4S |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 / FX |
焦点距離・開放F値 | 35mm F1.4 |
35mm判換算 | 35mm。DXでは52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離・最大倍率 | 0.3m / 0.17倍 |
フィルター径 | 52mm(P=0.75) |
重量 | 約400g |
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Jupiter-12 35mm F2.8(L39系スクリューマウント):レンジファインダー用の個性派35mm
Jupiter-12 35mm F2.8は、Leica L(L39スクリュー)系のレンジファインダー用として知られるオールドレンズです。設計由来の個性的な周辺描写や、雰囲気のあるトーンを楽しめる一方で、後玉の張り出しが大きい個体があり、装着できるボディが限られる点が最大の注意ポイントになります。買ってから困らないよう、互換性確認が最重要です。
歪曲の少なさと周辺の“クセ”を作品にする
Jupiter-12は、直線の出方が比較的素直とされる一方で、周辺の光量落ちや像の崩れ方に独特の味が出ることがあります。街の建物や看板を撮っても、現代の35mmのように均一に整うのではなく、少し古い写真の空気が乗りやすいのが面白さです。スナップで“完璧さ”より“雰囲気”を優先したい人に向きます。
最短撮影距離と装着制約が、使い方を決める
最短撮影距離が長めの個体が多く、テーブルフォトのような近距離撮影には向きにくい傾向があります。さらに、後玉が張り出した構造のため、レンジファインダー以外への装着には基本的に注意が必要です。使えるボディで、被写体との距離を取りながら撮るスナップや風景寄りに振ると、レンズの良さが出やすいでしょう。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | Jupiter-12 35mm F2.8 |
発売日 | ― |
対応フォーマット | 35mm判 |
焦点距離・開放F値 | 公称35mm F2.8(実焦点距離35.7mm) |
35mm判換算 | 35mm |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離 | 1.0m |
フィルター径 | M40.5×0.5(フィルター/アクセサリーネジ) |
重量 | 132g |
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COSINA Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM:クラシックレンズの描写を現行品で楽しむ

COSINA Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VMは、オールドレンズそのものではありませんが、クラシックレンズらしい描写を意識して設計された現行の35mm MFレンズです。メーカーは歴史的なレンズ構成を再現し、球面収差をあえて残すことで、絞り開放では柔らかなボケ、絞るとシャープになる描写の変化を狙っています。さらにSC(シングルコーティング)仕様はクラシカルな色調を意識しており、古いレンズの雰囲気を楽しみながら、現行品を選びたい人に向きます。
F1.4の開放と絞ったときで描写の変化を楽しめる
開放F1.4では、35mmの画角で周囲の雰囲気を残しながら被写体を浮かせやすく、夜の街灯や室内の光を活かしたスナップにも使いやすい明るさがあります。現代レンズのように収差を徹底的に抑える方向ではなく、あえて球面収差を残した設計なので、開放では柔らかさを活かし、少し絞れば輪郭をはっきり描く、といった使い分けができます。
SC仕様ではシングルコーティングを採用しているため、ニュートラルな色再現を狙ったMC仕様とは性格が異なります。オールドレンズで逆光やハイライトの表情を楽しみたいものの、中古個体のカビやクモリ、ヘリコイドの状態まで確認するのは不安という人にも検討しやすいでしょう。
MFならではの操作感まで含めて楽しみたい人に向く
ピント合わせはマニュアルフォーカスで、金属製のヘリコイドとフォーカシングレバーを使って細かく合わせる仕様です。AFで素早く撮るレンズとは違い、自分でピント位置を決めながら撮影するため、オールドレンズに近い撮影のテンポを楽しめます。
一方、最短撮影距離は0.7mなので、FlektogonやAi-s NIKKOR 35mm f/1.4Sのように近接撮影を得意とする35mmとは性格が異なります。料理や小物を大きく写す用途よりも、街歩きや人物を含めたスナップ、光を活かした日常撮影に向く一本です。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | COSINA Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM |
発売日 | 2019年6月 |
対応フォーマット | 35mmフルサイズ |
焦点距離・開放F値 | 35mm F1.4 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離・最大倍率 | 0.7m |
フィルター径 | 43mm |
重量 | 189g |
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中古のオールドレンズを探す楽しさとは別物ですが、「35mm・MF・クラシックな描写」という要素を現行品で楽しみたいなら有力な候補です。特にSC仕様は、収差や光の表情まで撮影に取り込みたい人に向いています。
LIGHT LENS LAB M 35mm f/2:往年の35mm F2を復刻思想で楽しむ

LIGHT LENS LAB M 35mm f/2は、往年の35mm F2レンズを研究し、その光学設計や撮影体験を現代に再現することを目指した復刻系のMFレンズです。メーカーでは「35mm f/2 V1」の再現を掲げ、6群8枚の構成を採用しています。真正のオールドレンズではありませんが、歴史的な光学系に興味があり、古いレンズに近い操作感や描写を現行品で味わいたい人には面白い選択肢です。
6群8枚のクラシックな設計を現行レンズで選べる
35mm F2というスペックは、街歩きから室内、人物を含めた日常スナップまで使いやすいバランスがあります。F1.4ほど被写界深度が浅くなりすぎず、F2.8より暗所での余裕を持たせやすいため、一本でさまざまな場面を撮りたい人にも扱いやすいでしょう。
LIGHT LENS LABは歴史的な光学系を再現することをブランドの特徴としており、この35mm F2も古いレンズの設計思想を現代に持ち込んだモデルです。状態の良い希少なオールドレンズを探し続けるより、復刻系という選択肢でクラシックな35mmを楽しみたい人に向きます。
MマウントとMF操作で、撮影そのものをゆっくり楽しめる
フォーカスはMFのみで、最短撮影距離は0.7mです。AFで被写体を追い続けるレンズではなく、構図を決めて自分でピントを合わせるスタイルになるため、レンジファインダー系のオールドレンズに近い撮影リズムを味わえます。
重量は260gで、全長は28.5mm。大口径レンズとして過度に大型ではなく、Mマウントボディと組み合わせて持ち歩きやすいサイズにまとまっています。一方で最短0.7mなので近接性能を売りにしたレンズではありません。小物を大きく写すより、街並みや人物、その場の背景まで含めた35mmらしいスナップで使うのが自然です。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | LIGHT LENS LAB M 35mm f/2 |
発売日 | 2021年6月 |
対応フォーマット | 135フルフレーム(24×36mm) |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離・最大倍率 | 0.7m |
フィルター径 | E39(39mm) |
重量 | 206〜261g(仕上げにより異なる) |
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希少なオールドライカ系35mmを探すのとは違うアプローチですが、「古い光学設計そのものに興味がある」「コンディションに左右されずクラシックな35mmを試したい」という人なら、復刻系ならではの魅力があります。
COSINA Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII:小型MFでクラシックな撮影スタイルを楽しむ

COSINA Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIは、35mm F2.5のコンパクトなMF単焦点レンズです。真正のオールドレンズではありませんが、重量134g、全長23mmという小型設計とマニュアルフォーカスを組み合わせており、古いレンジファインダー用レンズのように軽快な撮影スタイルを楽しめます。開放F値の明るさや大きなボケよりも、小さなレンズを持って歩きながら35mmで日常を切り取る使い方に向きます。
134gの小型レンズは街歩きとの相性が良い
COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIの大きな特徴は携行性です。重量134g、全長23mmとコンパクトなので、カメラにつけたまま街を歩いたり、旅行の荷物を軽くまとめたりしやすいです。35mmはフルサイズでは広角寄り、APS-Cでは約52〜53mm相当の標準域となるため、ボディによって使い方を変えられるのもポイントです。
F2.5はF1.4やF2ほど明るくありませんが、そのぶん大口径化せず小さくまとめられています。大きなボケを作るより、人物と街並み、建物と道、旅先の風景など、背景まで含めて構成するスナップに向いた性格です。
「オールドらしい描写」よりMFと携行性を楽しむ一本
収差やクラシカルな色調を積極的に再現することを前面に出したレンズではありません。COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIをオールドレンズの代替として選ぶなら、描写そのものよりも、MFで一枚ずつピントを合わせる操作感や、小型レンズを持ち歩く撮影体験に魅力を感じる人に向きます。
最短撮影距離は0.7mなので、近接撮影には大きな制約があります。寄って背景を大きくぼかすより、少し距離を取りながら構図を組み立てるほうが使いやすいでしょう。古いレンズのコンディションを気にせず、軽快な35mm MFからクラシックな撮影スタイルを試したい人に取り入れやすい一本です。
項目 | 値 |
|---|---|
製品名 | COSINA Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII |
発売日 | 2006年3月 |
対応センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離・開放F値 | 35mm F2.5 |
35mm判換算 | 35mm。APS-C(1.5倍機)では52.5mm相当 |
手ブレ補正 | なし |
最短撮影距離・最大倍率 | 0.7m |
フィルター径 | 39mm |
重量 | 134g |
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オールドレンズ特有の強いクセを求めるならNOKTON classicのほうがテーマに合います。一方、「まずは小型のMF 35mmを持ち歩き、自分でピントを合わせて撮る楽しさを味わいたい」という人には、COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIの軽さが大きなメリットになります。
比較・選び方ガイド:用途と予算で35mmオールドレンズを決める

35mmオールドレンズは、焦点距離が同じでも「寄れるか」「明るさを優先するか」「マウント運用が楽か」で選ぶべき方向が変わります。今回は真正のオールドレンズに加え、MF操作やクラシックな描写を楽しめる現行レンズも3本紹介しているため、それらも含めて用途別に整理します。迷ったときは、まず用途表で撮りたいものに近いレンズを選び、その後に価格帯とマウントを確認すると候補を絞りやすくなります。
用途 | 重視点 | おすすめ候補 | 向く理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
街歩きスナップ | 軽さ・扱いやすさ | SMC Takumar 35mm F3.5、smc PENTAX-M 35mm F2.8、Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII | 小型のモデルが多く、35mmの画角を活かして街並みや日常を撮り歩きやすい | F2.5〜F3.5はF1.4やF2に比べてボケ量や暗所での明るさは控えめ |
室内・夕方のスナップ | 明るさと扱いやすさ | SMC Takumar 35mm F2、AI Nikkor 35mm F2S、Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM | F1.4〜F2の明るさがあり、光量の少ない場面でもシャッタースピードを確保しやすい | NOKTON classicは開放時の柔らかな描写を意図した設計で、シャープさだけを求めるレンズではない |
花・小物・寄りスナップ | 最短撮影距離 | Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4、AI Nikkor 35mm f/1.4S | Flektogonは最短0.19m、AI Nikkor 35mm f/1.4Sは0.3mまで寄れるため、35mmとして近接撮影をしやすい | 近距離から撮ると35mmらしい遠近感が強く出るため、被写体の形を自然に見せたい場合は撮影距離に注意 |
レンジファインダーでのスナップ | 携行性・MF操作 | Jupiter-12 35mm F2.8、LIGHT LENS LAB M 35mm f/2、Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII | レンジファインダー系のボディと組み合わせ、35mmの画角とMFならではの撮影操作を楽しめる | Jupiter-12は後玉の張り出しや装着するボディとの相性を事前に確認する必要がある |
描写の個性を重視 | 開放表現・クラシックな描写 | AI Nikkor 35mm f/1.4S、Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM | F1.4の明るさがあり、開放付近の描写や背景のボケを活かした撮影を楽しめる | 開放時の描写にはレンズごとのクセがあるため、均一なシャープさを重視する人は少し絞って使いたい |
現行品でオールドレンズらしい撮影体験を楽しみたい | 入手しやすさ・MF操作 | Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM、LIGHT LENS LAB M 35mm f/2、Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII | 中古オールドレンズ特有のカビやクモリなどの状態を気にせず、MF操作やクラシックな設計・描写を楽しめる | 真正のオールドレンズではないため、年代物のレンズそのものを所有したい人とは選ぶ目的が異なる |
オールドレンズの中古価格帯の目安
次に、予算感の目安も確認します。オールドレンズは状態や仕様違いによって中古価格が大きく変わるため、価格帯はあくまで候補を絞るための目安として捉えてください。また、今回追加した3本は現行品で、新品として購入できるため、中古オールドレンズとは価格の考え方を分けて整理します。
価格帯の目安 | 狙いどころ | 候補例 | 買い方のコツ |
|---|---|---|---|
〜1万円台前半 | オールド入門、まず一本 | SMC Takumar 35mm F3.5、smc PENTAX-M 35mm F2.8 | 光学の透明感とヘリコイドの動作を最優先に見る |
1万円台後半〜3万円前後 | 明るさ・個性の追加 | SMC Takumar 35mm F2、AI Nikkor 35mm F2S、Jupiter-12 35mm F2.8 | レンズの状態だけでなく、使用するボディやアダプターとの互換性も確認する |
3万円以上 | 明るさ・近接性能・描写の個性を重視 | Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4、AI Nikkor 35mm f/1.4S | 整備履歴や状態の差が満足度に直結しやすい |
現行クラシック系35mmの価格目安
価格帯の目安 | 候補例 | 特徴 | |
|---|---|---|---|
3万円台〜 | Voigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII | 134gの小型MFレンズ。軽さと操作感を重視する人向け | |
5万円台〜 | Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM | F1.4の明るさと、クラシックレンズを意識した描写を楽しめる | |
17万円台〜 | LIGHT LENS LAB M 35mm f/2 | 歴史的な35mm F2の設計を研究して再現した復刻系レンズ |
迷ったときは、ミラーレスでオールドレンズを初めて使うならSMC Takumar 35mm F3.5やSMC Takumar 35mm F2、近接撮影を重視するならCarl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4、F1.4の明るさを楽しみたいならAI Nikkor 35mm f/1.4Sが候補になります。
中古レンズのコンディションが気になる場合は、現行品のVoigtländer COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIやNOKTON classic 35mm F1.4 II SC VMも検討しやすいでしょう。さらに、クラシックな35mm F2の設計そのものに興味があるならLIGHT LENS LAB M 35mm f/2という選択肢もあります。
35mmオールドレンズのまとめ
35mmオールドレンズは、フルサイズでは広角寄りの万能、APS-Cでは標準寄りの万能として、一本で撮影の幅を広げやすい焦点距離です。選ぶときはマウント互換・換算画角・コンディションの3点を先に押さえ、用途に合わせて「軽快さ重視ならF2.8〜F3.5」「雰囲気と余裕ならF2」「表現全振りならF1.4」「RFなら装着制約と最短撮影距離」を基準にすると迷いにくくなります。気になる候補が2本に絞れたら、最後は“寄りたいか・逆光をどう使いたいか”で決めて、まずは一本を持ち歩く頻度を増やしてみてください。
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