
カメラバッテリーの機内持ち込みルールまとめ 予備電池・Wh計算・ANA/JALの違いも解説
飛行機に乗るたびに迷いやすいのが、カメラの予備バッテリーを機内持ち込みにするべきか、国内線と国際線で扱いが変わるのか、カメラからバッテリーを外す必要があるのかなどの点です。多くのカメラ用リチウムイオン電池は条件を満たせば機内持ち込みできますが、Wh(ワット時定格量)と短絡防止の準備で可否が分かれます。ここではJAL・ANAの公開ルールと国際基準を踏まえ、現場で困らない判断手順とパッキング方法を具体例つきでまとめます。
この記事のサマリー

カメラの予備バッテリーは機内持ち込みが基本で、まずWhと予備・内蔵の違い、対応機器の有無を確認します

100Wh以下/100Wh超〜160Wh以下/160Wh超の3区分が判断の軸になり、100Wh超〜160Wh以下は航空会社の承認が必要になる場合があります

国内線でも国際線でも、端子保護など短絡防止が実務の最重要ポイントで、ここが甘いと検査で止まりやすくなります

機内持ち込みでカメラのバッテリーを外すべきかどうかはケース次第で、預け入れ予定や誤作動リスクの有無で判断します

ANA国際線では、100Wh以下の予備電池を機器本体とあわせて複数持ち込めますが、個数上限は航空会社ごとに異なります
機内持ち込みと預け入れ:まず大原則を押さえる

カメラバッテリーのルールは一見複雑に見えますが、まず「機器に入っている電池」と「予備電池」に分けて考えると整理しやすくなります。また、リチウム電池は火災時にすぐ対応できる場所に置く必要があるため、「機内に持ち込むのか」「貨物室に預けるのか」といった荷物の場所が重要です。
この点を押さえておくと、国内線と国際線のルールの違いも理解しやすくなります。
予備バッテリーは原則として機内になりやすい理由
予備バッテリー(カメラ本体に装着されていない電池)は、基本的に機内持ち込み手荷物に入れる扱いになります。貨物室(預け入れ)で万一発熱・発火が起きた場合、乗務員がすぐ対処しにくいからです。米国当局(FAA)の案内でも、予備電池は持ち込み前提で短絡防止が求められる流れが説明されています。
一眼レフやミラーレスカメラの予備電池が2〜6本程度になることは珍しくありません。ここで重要なのは、本数そのものよりも「Wh区分」と「端子保護」です。一方で、撮影用ライトや大型のシネマ機材に使うバッテリーはWh数が大きくなりやすいため、カメラ用バッテリーと同じ感覚で荷物に入れると、航空会社のルールを超えてしまう可能性があります。注意しておきましょう。
カメラに装着した電池は預け入れできる場合もある
カメラ本体に装着されている電池は、「機器に組み込まれた電池」として扱われ、一定の条件を満たせば預け入れが認められる場合があります。JAL(国内線)でも、危険物に関する制限の中で、リチウム電池の扱いや短絡防止について案内されています。
ただし、電池を装着したまま預ける場合は注意が必要です。移動中に誤って電源が入ったり、スイッチが押され続けたりすると、発熱やトラブルにつながる可能性があります。やむを得ずカメラを預ける場合は、電源を確実にOFFにすることはもちろん、可能であれば電池を取り外して別に管理するなど、リスクをできるだけ減らしておくと安心です。
国内線と国際線で変わりやすいのは「個数」と「承認の要否」
国内線と国際線では、ルールの基本的な考え方は似ています。ただし国際線では、IATA(国際航空運送協会)の旅客向けガイダンスに沿った説明が多く、特に100Whを超える電池については「航空会社の承認が必要」といった表現が明確に示される傾向があります。
一方で、100Wh以下の予備電池を「最大何個まで持ち込めるか」については、航空会社によって差があり、個数の上限を明記している場合もあれば、制限する場合があるといった表現に留まる場合もあるようです。
Wh(ワット時定格量)の見方:100Wh・160Whの境目を押さえる
カメラバッテリーの機内持ち込み可否を判断するうえで、中心になるのがWh(ワット時定格量)です。多くの純正バッテリーにはWhが表示されていますが、古いバッテリーや互換バッテリーでは、mAhだけが記載されていることもあります。
Whの見方を知っておくと、空港で「このバッテリーは持ち込めるのか」と不安になる場面を減らせます。特に撮影機材を多く持ち運ぶ場合は、カメラ本体用の電池だけでなく、ライトやモニターなど周辺機材のバッテリーもあわせて確認しておくことが大切です。
Whは「電圧×容量」で計算できる
Whは、電圧(V)×容量(Ah)で求めます。容量がmAhで表示されている場合は、まず1,000で割ってAhに直します。たとえば「7.2V・2,000mAh」のバッテリーであれば、2,000mAhは2.0Ahなので、計算式は次のようになります。
7.2V × 2.0Ah = 14.4Wh
計算の考え方はシンプルで、カメラ用バッテリーだけでなく、撮影用の外部バッテリーやLEDライト用の電池でも同じです。Web上の計算ツールを使う方法もありますが、現場ではバッテリーラベルにある「V」と「mAh」を見て、おおよそのWhを計算できると安心です。特に外部電源を複数持つ場合は、同じmAhでも内部電圧が違えばWhも変わります。Wh表記がないバッテリーは、事前に換算しておくとよいでしょう。
カメラ本体用バッテリーは小容量が多いが、周辺機材は要注意
ミラーレスや一眼レフの純正バッテリーは、多くが10〜20Wh台に収まります。たとえば、SonyのNP-FZ100は16.4Whとして仕様が示されています(SONY)。このクラスのバッテリーであれば、Wh区分だけを理由に持ち込みを止められる可能性は高くありません。
注意したいのは、カメラ本体用のバッテリーではなく、撮影用モニター、ワイヤレス送信機、LEDライト、ジンバルなどに使うバッテリーです。こうした周辺機材は消費電力が大きく、バッテリーも大型化しやすいため、100Whを超えることがあります。
カメラの予備電池は問題なくても、周辺機材のバッテリーが同じ「リチウムイオン電池」として確認されることがあります。機材一式を持って移動する場合は、カメラ用・ライト用・外部電源用をまとめてWhで把握しておくと、空港での確認にも対応しやすくなります。
Whの区分で変わる持ち込みルールを確認する
旅客が持ち込むリチウムイオン電池は、一般的に「100Wh以下」「100Wh超〜160Wh以下」「160Wh超」の区分で扱いが変わります。IATAのガイダンスでも、この境界によって「持ち込み可」「航空会社の承認が必要」「旅客機では不可」といった考え方が示されています。
整理すると、目安は次のようになります。
Wh区分 | 予備バッテリー(未装着) | 機器に装着された電池 | 注意点 |
|---|---|---|---|
100Wh以下 | 機内持ち込みが基本 | 機内持ち込み、または条件により預け入れ可の場合あり | 端子保護など、短絡防止が必須 |
100Wh超〜160Wh以下 | 機内持ち込みのみ。航空会社の承認が必要になることがある | 運用は航空会社の判断が強く出やすい | 個数上限、たとえば2個までなどに触れられやすい |
160Wh超 | 旅客機では不可とされる扱いが一般的 | 旅客機では不可とされる扱いが一般的 | 現地調達や別輸送の検討が必要 |
同じ「バッテリー」でも、100Wh以下であれば比較的扱いやすい一方、100Whを超えると確認事項が増えます。特に国際線では、乗り継ぎ時に再検査されることもあり、どこか1区間でも規定に合わないと持ち込めない可能性があります。
そのため、カメラ本体用の予備電池だけでなく、撮影用ライトや外部電源なども含めて、出発前にWhを確認しておくことが重要です。航空会社によって案内の書きぶりや個数制限が異なる場合もあるため、100Whを超えるバッテリーを持つ場合は、事前に利用する航空会社のルールを確認しておくと安心です。
国内線の読み方:短絡防止は「端子保護」が基本

国内線で特に気をつけたいのは、予備電池の端子がほかの金属や電池と触れないようにすることです。JALの危険物制限ページでも、短絡を防ぐ方法として、購入時のケースに入れる、端子にテープを貼る、1本ずつ袋に分けるといった対策が案内されています。
予備電池をポーチにまとめて入れ、電池同士がカチャカチャ当たる状態になっていると、係員から端子接触のリスクを疑われやすくなります。反対に、1本ずつ端子が覆われ、個別に分けて収納されていれば、短絡防止の対策が見た目にも分かりやすく、確認もスムーズに進みやすくなります。
国内線でも、予備電池は預け入れ荷物に入れないのが基本
国内線では、カメラバッグを機内に持ち込まず、機材の一部をスーツケースに入れたくなることがあります。
ただし、未装着の予備電池は預け入れ荷物に入れず、機内持ち込みの手荷物にまとめておくのが基本です。あらかじめ手荷物側に分けておけば、空港でスーツケースを開けて入れ替える手間も避けやすくなります。
一方、事情があってカメラ本体を預ける場合は、電池を装着したままにするかどうかにも注意が必要です。装着したまま預けるなら、移動中に電源スイッチやシャッターボタンが押されないよう、収納の向きや入れ方を工夫しておきましょう。こうした対策は、バッテリーの発熱リスクを減らすだけでなく、移動中の機材破損を防ぐことにもつながります。
国内線・国際線をまたぐ旅程では、厳しい側に合わせる
「行きは国内線で乗り継いで国際線に乗る」「帰りは別の航空会社で国内線を利用する」といった旅程では、区間ごとに確認されるポイントが少しずつ変わることがあります。
ANAの国際線ページでは、100Wh以下のリチウムイオン予備電池について、機内持ち込みや個数の考え方が案内されています。一方で、国内線と国際線、または航空会社ごとに、案内の細かさや表現が異なる場合もあります。国内線だけのつもりでラフに荷造りした結果、国際線区間の検査で確認に時間がかかるのは避けたいところです。
そのため、国内線・国際線をまたぐ旅程では、最初から厳しい側のルールに合わせて準備しておくと安心です。具体的には、次の3点を先に確認しておくと整理しやすくなります。
確認すること | 実務上のポイント |
|---|---|
端子保護 | 予備電池は1本ずつ保護し、短絡しない状態にする |
Whの把握 | カメラ用だけでなく、ライトや外部電源も確認する |
100Wh超の有無 | 100Whを超える電池は、航空会社の承認や個数制限に注意する |
端子保護、Whの確認、100Wh超の有無を押さえておくだけでも、国内線・国際線を問わず同じ考え方で荷造りしやすくなります。特に乗り継ぎがある旅程では、1区間だけでなく、利用するすべての航空会社のルールに合うように準備しておくことが大切です。
国際線では、IATAやFAAに共通する考え方を押さえる

国際線では、利用する航空会社や空港、経由地によって確認されるポイントが変わることがあります。そのため、「ある国では問題なかったのに、別の国では確認に時間がかかった」というケースも起こり得ます。
そこで参考になるのが、IATAの旅客向けガイダンスや、米国FAAが示す一般的なルールです。個別の航空会社ごとの規定は最終的に確認する必要がありますが、まずは国際線で共通しやすい考え方に沿って荷造りしておくと、トラブルを減らしやすくなります。
100Wh以下は持ち込みやすいが、個数上限は航空会社で差が出る
カメラの予備電池に多い100Wh以下のリチウムイオン電池は、機内持ち込みとして扱いやすい区分です。ただし、持ち込める個数については、航空会社によって案内が異なる場合があります。
たとえばANAの国際線では、100Wh以下の予備電池について「20個まで」と案内されており、複数のカメラボディや予備電池を使う撮影でも計画を立てやすい部類といえます。
一方で、海外の航空会社では、同じ100Wh以下でもより少ない上限を設けている場合があります。乗り継ぎがある旅程では、利用する航空会社の中でもっとも厳しいルールに合わせて本数を決めておくと安心です。予備電池を多めに持っていく場合は、搭乗する航空会社の公式ページで個数上限を確認し、不明点があれば事前に問い合わせておくとよいでしょう。
100Wh超〜160Wh以下は、航空会社の承認や個数制限に注意する
100Whを超えるリチウムイオン電池は、100Wh以下の電池よりも確認事項が増えます。IATAのガイダンスでも、100Wh超〜160Wh以下の電池は航空会社の承認が必要になりやすく、個数も少数に制限される考え方が一般的です。
この区分に該当しやすいのは、カメラ本体用のバッテリーよりも、業務用の外部バッテリー、大型LEDライト用の電池、撮影用モニターやシネマ機材向けのバッテリーなどです。カメラの予備電池は問題なくても、周辺機材のバッテリーで100Whを超えることがあるため注意が必要です。
承認が必要な電池は、空港カウンターや保安検査場でその場で確認されると時間がかかることがあります。電池本体のWh表示が見えるようにしておく、メーカー仕様の画面や写真をスマホに残しておくなど、説明しやすい状態にしておくと確認がスムーズです。
ただし、仕様の写真があれば必ず持ち込めるという意味ではありません。最終的な判断は、航空会社や保安検査側に委ねられます。
米国発着・米国経由では、FAAの案内も参考になる
米国発着や米国乗り継ぎがある旅程では、FAAの旅客向け案内も確認しておくと安心です。FAAでは、予備電池の持ち込み方、端子の保護、機内での取り扱いなど、リチウム電池を安全に運ぶための説明がまとめられています。
機内持ち込みでは、カメラのバッテリーを外すべき?

機内持ち込みのときに迷いやすいのが、「カメラからバッテリーを外したほうがよいのか」という点です。結論から言えば、一律に外す必要があるわけではありません。
カメラを機内に持ち込むのか、預け入れ荷物に入れる可能性があるのか、また移動中にスイッチやボタンが押されやすい収納になっていないかで判断が変わります。バッテリーを外すこと自体が目的ではなく、誤作動や短絡のリスクを減らすための手段として考えると整理しやすくなります。
カメラ本体を機内に持ち込むなら、装着したままでも問題ない場合が多い
カメラ本体を機内持ち込みバッグに入れ、自分で管理できる場合は、バッテリーを装着したままでも問題になりにくいでしょう。機内や到着後すぐに撮影したい場合は、装着したままのほうが便利なこともあります。ただし、その場合でも電源OFFは徹底し、移動中にボタンやスイッチが押されないようにしておくことが大切です。
たとえば、上着やポーチが上から押し付けられて録画ボタンが入る、電源スイッチが動いてしまう、といった状態は避けたいところです。ハードケースやバッグの仕切りを使って、スイッチ周りに余裕を持たせておくと、余計な発熱やバッテリー消耗を防ぎやすくなります。
預け入れ荷物に入れる可能性があるなら、電池は外して手荷物へ
機材が多く、カメラ本体を預け入れ荷物に入れる可能性がある場合は、電池を抜いて、機内持ち込みの手荷物で管理するのが基本です。外した電池は予備電池として、ケースや個別包装で保護しておきましょう。
こうしておけば、移動中の衝撃で電源が入る、ボタンが押され続けるといったトラブルを避けやすくなります。また、空港で確認されたときも、電池を抜いて1本ずつ保護していれば、状態を説明しやすくなります。最終的な判断は航空会社や空港の保安検査に委ねられますが、電池の種類や収納方法が分かりやすいほど、確認はスムーズに進みやすいでしょう。
外すかどうか以上に、端子保護と電池の状態が大切
バッテリーを装着したままにするか、外して持つか以上に重要なのが、短絡防止と電池の状態確認です。バッテリーを外して持ち歩く場合、端子がむき出しのままだと、コイン、鍵、金属製の雲台プレートなどに触れてショートするおそれがあります。外した電池は、ケースに入れる、端子をテープで覆う、1本ずつ袋に分けるなどして保護しておきましょう。
さらに、膨張、ひび割れ、異臭、液漏れなどがある電池は持ち込まないのが原則です。リチウムイオン電池は損傷や劣化によって発熱リスクが高まるため、空の旅では「少し怪しい」と感じる電池は使わない判断が大切です。
短絡防止とパッキング:検査で説明しやすい入れ方
カメラ用バッテリーを機内に持ち込むときは、Wh区分の確認に加えて、収納状態がひと目で分かることも大切です。端子が保護されていること、電池同士が直接触れないこと、必要なときにまとめて取り出せること。この3つを意識しておくと、空港で確認された場合も説明しやすくなります。
ここでは、短絡防止の基本的な方法と、撮影旅行で使いやすいパッキングの考え方を整理します。
テープ・ケース・袋で端子を保護する
短絡防止の基本は、端子がほかの電池や金属と触れないようにすることです。具体的には、購入時のパッケージに入れる、端子をテープで覆う、1本ずつ袋に入れるといった方法があります。電池メーカーやカメラメーカー純正の端子カバーがある場合は、それを使うのがもっとも簡単です。
端子にテープを貼る場合は、粘着が強すぎるものだと剥がすときに手間がかかります。一方で、粘着が弱すぎるとバッグの中で剥がれてしまうことがあります。移動中に外れにくく、必要なときには剥がしやすいものを選ぶと扱いやすいでしょう。
貼るときは、端子全体をしっかり覆うことが大切です。端子の一部が見えていると、金属と接触する可能性が残るため、隙間を作らないようにしておきましょう。
予備電池の置き場所を決めておく
バッテリーは小さいため、撮影旅行ではバッグの中で散らばりがちです。気づかないうちにポケットの中へ入れてしまったり、金属製のアクセサリーや雲台プレートと一緒になったりすると、短絡のリスクが高まります。
そのため、最初から「予備電池はここに入れる」と場所を決めておくと安心です。使い終えた電池も同じ場所に戻すようにすれば、バッグ内で迷子になりにくく、端子保護の確認もしやすくなります。
たとえば、未使用の電池は端子を覆った状態で同じ向きに並べ、使用済みの電池は逆向きにして区別する方法があります。こうしておくと、撮影中も残量管理がしやすくなります。空港で「電池を見せてください」と言われた場合も、予備電池をまとめたケースだけを取り出せばよいため、確認もスムーズに進みやすくなります。
Wh表記が見える状態にしておく
100Whを超える可能性があるバッテリーを持ち運ぶ場合は、電池のラベル面がすぐ見えるように収納しておくと、確認がしやすくなります。Whが印字されている面を見せられる状態にしておけば、口頭で説明するよりも伝わりやすくなります。
Wh表記がない電池の場合は、VとmAhの表示が見えるようにしておくとよいでしょう。Whは「電圧(V)×容量(Ah)」で計算できるため、必要に応じてその場で説明しやすくなります。
カメラ用の純正バッテリーは、多くが10〜20Wh前後に収まります。たとえばSony NP-FZ100は、メーカー仕様で16.4Whとされています。Nikon EN-EL15cやFUJIFILM NP-W235なども、電池本体の表示やメーカー資料でV・mAh・Whを確認しておくと安心です。
特に撮影用ライト、外部モニター、ジンバル、大型の外部電源を一緒に持っていく場合は、カメラ用バッテリーだけでなく、周辺機材の電池もまとめてWhを確認しておきましょう。
バッテリー例 | 公表されている主な表示 | Whの目安 | 区分(持ち込み判断の軸) |
|---|---|---|---|
EN-EL15c(Nikon) | 7.0V / 2280mAh | 約16Wh | 100Wh以下 |
NP-FZ100(SONY) | 16.4Wh表記 | 16.4Wh | 100Wh以下 |
NP-W235(FUJIFILM) | 7.2V / 2200mAh | 約16Wh | 100Wh以下 |
機内での保管・充電・トラブル対応:異常にすぐ気づける状態にしておく

カメラのバッテリーは、機内に持ち込めればそれで終わりではありません。機内での扱い方が雑だと、発熱や破損などのトラブルにつながることがあります。特にリチウム電池は、発熱・発火リスクへの注意が必要です。モバイルバッテリーの取り扱いが厳しく見直される流れもあり、カメラの予備電池についても、保管や充電の仕方には気を配っておきたいところです。
カメラ用バッテリーとモバイルバッテリーでは分類や扱いが異なる場合がありますが、基本は同じです。異常にすぐ気づける場所に置き、端子を保護し、発熱しにくい状態で管理することが大切です。
座席周りでは、異常に気づきやすい場所で管理する
リチウム電池のトラブルは、早く気づいて対応することが重要です。機内であれば乗務員が対応できますが、発熱や異臭に気づきにくい場所にしまっていると、対応が遅れるおそれがあります。IATAのガイダンスでも、旅客が携行する電池の安全な取り扱いについて注意が促されています。
カメラの予備電池も、できるだけ自分の手元に近く、必要なときに取り出しやすい場所で管理すると安心です。たとえば、座席下の手荷物の中でも取り出しやすい位置にまとめておく、バッテリーケースごとすぐ出せる場所に入れておく、といった形です。
反対に、バッグの奥に押し込んだり、ほかの機材や金属パーツと一緒に雑に入れたりするのは避けたいところです。異常時にすぐ取り出せること、端子がほかの物と触れないことを意識して収納しておきましょう。
機内で充電するなら、熱がこもらない置き方にする
最近のカメラは、USB Type-Cでの給電や充電に対応しているものも増えています。長距離移動では、機内で少しでも充電しておきたい場面もあるでしょう。
ただし、機内電源の利用可否や充電ルールは、航空会社や機材によって異なります。まずは搭乗便の案内に従うことが前提です。そのうえで、充電する場合は、発熱しにくい状態を作ることが大切です。
充電中のカメラやバッテリーは、布や上着で覆わないようにしましょう。バッグの奥や狭い隙間に押し込んだまま充電すると、熱が逃げにくくなります。できるだけ通気を妨げない場所に置き、充電中はときどき状態を確認しておくと安心です。
予備電池を充電器で充電する場合も同じです。充電器自体も熱を持つことがあるため、電池と充電器を重ねたり、布に包んだりしないようにしましょう。長距離路線では眠っている間に放置しがちなので、充電する時間を区切って、様子を見られるタイミングで使うのが無理のない方法です。
発熱や異臭に気づいたら、すぐ乗務員に伝える
万が一、バッテリーや充電中の機器が異常に熱い、焦げたようなにおいがする、煙っぽいと感じた場合は、自分だけで対処しようとせず、早めに乗務員へ伝えましょう。機内でのリチウム電池トラブルは、初動が大切です。熱暴走は急に進むことがあるため、異常を感じた電池をそのまま使い続けたり、充電を続けたりするのは避けましょう。
旅先での撮影を続けたい気持ちはあっても、発熱、異臭、膨張、変形などがある電池は使わない判断が必要です。撮影データや機材を守るためにも、不安のあるバッテリーはその場で使用を止め、帰宅後に点検や交換を検討するとよいでしょう。
航空会社ごとの違い:ANA・JALの案内をもとに確認する
カメラバッテリーの機内持ち込みルールは、最終的には搭乗する航空会社の規定に従う必要があります。ただ、すべての航空会社の細かな違いを覚えるのは現実的ではありません。
まずはANA・JALの公開情報をもとに、日本発着の旅程で確認されやすいポイントを押さえておくと整理しやすくなります。国際線では、あわせてIATAの旅客向けガイダンスも参考にすると、100Wh超の扱いや航空会社の承認が必要になる場面も把握しやすくなります。ここでは、航空会社によって差が出やすいポイントを整理します。
ANA国際線は、予備電池の個数上限を確認しやすい
「ANAの国際線で、カメラの予備バッテリーは何本まで持ち込めるのか」と不安になる人は少なくありません。特に、複数のカメラボディを使う場合や、長時間の撮影旅行では、予備電池の本数が増えやすいためです。
ANAの国際線の案内では、100Wh以下の予備電池について、持ち込める個数の上限が示されています(前述のANA国際線ページ)。そのため、複数のカメラシステムを持ち運ぶ人でも、事前に本数を決めやすい部類といえます。
ただし、同じANA便名でも、共同運航便では実際に運航する航空会社のルールが関係する場合があります。国際線では、旅程の中に複数の航空会社が含まれることも多いため、便名だけで判断せず、実際に搭乗する航空会社の案内も確認しておくと安心です。
JALは国内線・国際線で案内ページを分けて確認する
JALは、国内線と国際線で危険物やリチウム電池に関する案内ページが分かれています。そのため、旅程に合わせて該当するページを確認することが大切です。基本的な考え方は国内線と大きく変わらなくても、ページによって表現や補足の詳しさが異なる場合があります。
たとえば、国内線では問題なく見える収納でも、国際線の保安検査では端子保護が不十分だと確認されることがあります。JAL便に限らず、国際線が含まれる旅程では、予備電池を1本ずつ保護し、すぐ取り出して見せられる状態にしておくと説明しやすくなります。
カメラ用バッテリーとモバイルバッテリーは分けて収納する
近年は、モバイルバッテリーの取り扱いに対する注意が高まっており、空港によっては電池類について質問されることがあります。カメラ用の予備電池も、用途が分かりやすい状態で収納しておくと確認がスムーズです。たとえば、カメラ用の予備電池は端子を保護したうえで、カメラ本体や充電器と同じポーチにまとめておくと、「カメラ用の電池」と説明しやすくなります。
反対に、カメラ用バッテリー、スマホ用のモバイルバッテリー、ケーブル、金属製のアクセサリーなどを同じ袋にまとめて入れていると、端子接触のリスクがあるだけでなく、確認にも時間がかかりやすくなります。
カメラ用の予備電池とモバイルバッテリーは分けて収納し、それぞれ取り出しやすい状態にしておくと、保安検査でも説明しやすくなります。
カメラバッテリーの機内持ち込みまとめ
カメラバッテリーは、まず「予備電池」と「機器に装着された電池」を分けて考えると整理しやすくなります。未装着の予備電池は、預け入れ荷物に入れず、機内持ち込みの手荷物で管理するのが基本です。
あわせて確認したいのがWh区分です。100Wh以下であれば比較的扱いやすい一方、100Whを超えると航空会社の承認や個数制限が関係しやすくなります。特に撮影用ライトや外部電源など、周辺機材のバッテリーは容量が大きくなりやすいため注意が必要です。また、予備電池は端子カバーやテープ、個別包装などで短絡を防ぐことが大切です。端子がむき出しのまま金属やほかの電池と触れないよう、出発前に収納状態を確認しておきましょう。
国内線・国際線ともに基本の考え方は似ていますが、個数上限や承認の要否は航空会社によって異なります。乗り継ぎがある場合は、利用する航空会社の中で最も厳しいルールに合わせて準備しておくと安心です。
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