
キヤノンのリング型USMが終焉を迎えるのか
キヤノンのレンズAFを支えてきた「リング型USM」が、RFレンズでは採用例が減っているのではないか、そんな見立てが海外で話題です。公式発表はなく、あくまで最近の製品傾向をもとにした分析ですが、Nano USMやSTMの進化と結び付けて考えると見えてくる点もあります。
この記事のサマリー

リング型USMの「終焉」は公式情報ではなく、海外メディアの分析・推測が出発点

最近のRFレンズでNano USMやSTM採用が目立つ例が挙げられている

リング型USMは高性能な一方、大型化・コスト面で不利になりやすいという論点
リング型USMは主流交代に向かうのか:話題の出どころと最近の採用傾向

今回の「リング型USMが段階的に廃止されるのでは」という話は、キヤノンの公式告知が根拠ではありません。Canon Rumorsが近年のRFレンズの採用傾向を並べながら、リング型USMが新製品で目立たなくなっている可能性を論じています。
記事内で具体例として触れられているのが、RF 24-105mm f/2.8L IS USM Zが2基のナノUSMを採用している点など、近年のRFレンズでリング型USM以外の方式が目立つことが、この議論の背景にあります。従来なら「高性能=リング型USM」と結び付けて理解していた層ほど、この並びが気になりやすいでしょう。
また、今後噂として挙がるレンズ例に「RF 70-300mm f/4-5.6 IS STM」のようなSTM前提の名称が出てくることも、同メディアは“流れ”として示しています。ただし、ここは未発表レンズの話なので、採用モーターを含めて確定情報ではありません。
重要なのは、「リング型USMが無くなる」と断定できる材料が提示されたわけではなく、“新しいRF設計の中で別方式が増えているように見える”という観察にとどまる点です。したがって現時点では、買い替え判断よりも「どの方式が何に効くか」を整理しておく価値が高い話題だといえます。
リング型USM・Nano USM・STM・VCMは何が違う?選び方に直結する要点
なお、最近のRFレンズでは、Nano USMやSTMだけでなくVCMの採用も注目点です。キヤノン公式も、VCMを質量の大きいフォーカス群を静かに高速駆動できる新しいアクチュエーターとして位置付けており、RF時代のAFはより多様化しています。
モーター方式の違いは、カタログの略号以上に「撮りたい被写体」と直結します。リング型USMは長く“高速AFの象徴”として語られてきましたが、RF世代ではNano USMやSTMが役割を分け合い、ユーザー体験を底上げしている、という見方が成り立ちます。
速度と駆動力:動体を追うときに効く要素は一つではない
リング型USMが支持されてきた理由の一つは、ピント移動のキレや、比較的大きなレンズ群を力強く動かしやすい点にあります。一方で、Nano USMは“小型で高速”を狙いやすい方式として普及が進んだとされ、ミラーレスのAF制御と組み合わせて高い追従性を狙う設計が増えています。
たとえば運動会の短距離走のように「手前から奥へ被写体が一気に移動する」状況では、モーター単体の方式だけでなく、レンズ群の軽量化や制御の最適化が効いてきます。逆に野鳥の枝被りのように「迷いやすい状況」では、合焦までの戻り方や粘りが撮れ高に影響し、方式の違いが体感に出ることがあります。
静音性と滑らかさ:動画AFでは“速さ”の評価軸が変わる
STMは動画向けの静音性や滑らかなピント移動と相性が良い、と理解されることが多い方式です。動画では、ピントの移動が速すぎると画が落ち着かず、逆に一定速度で自然に移動するほうが見栄えが良いケースもあります。そこで「最短時間で合焦する」だけが正義になりにくいのが、静止画中心の時代との違いでしょう。
具体的には、室内で子どもを動画撮影する場面や、展示会で製品を寄り引きしながら撮る場面で、駆動音やピント移動の質が気になりやすくなります。リング型USMが不得意という話ではなく、優先順位が変わった結果として、STMやNano USMが採用されやすくなる構図が見えてきます。
なぜRFレンズで“リング型USMが減った”と見られるのか:コストと設計の現実
Canon Rumorsの論点は、リング型USMの性能そのものを否定するものではありません。むしろ「高性能だが大型・高コストになりやすい」という性質が、ミラーレス時代のレンズ設計思想とぶつかりやすい、という整理です。ここは推測を含むものの、ユーザーの体感にもつながりやすいポイントです。
小型・軽量と価格帯:ボリュームゾーンを取りに行くほど効いてくる
RFマウントは高性能レンズから普及帯まで広く展開していますが、普及帯を厚くするほど「軽くしたい」「コストを抑えたい」という圧力が強くなります。仮にリング型USMが同等性能でも、設計上の都合で鏡筒が太くなったり、ユニットが高く付いたりすれば、同じ焦点距離・同じ明るさのレンズで競争力に影響するでしょう。
たとえば旅行用の標準ズームでは、レンズ単体の性能に加えて、機内持ち込みの荷物の総重量や、首から下げたときの疲れやすさが選択を左右します。もう一つの例として、入門者が最初の望遠を選ぶ場面では、AF速度の差より「予算内で手ブレ補正や使い勝手が揃うか」が決め手になることも多く、モーター方式の最適解が変わり得ます。
ミラーレスのAFは“レンズだけで完結しない”ので、最適化の余地が大きい
ミラーレスでは像面位相差AFを前提に、ボディ側の演算や追従アルゴリズムとレンズ制御が一体で進化します。結果として、従来より小さなレンズ群を素早く動かす設計がしやすくなり、Nano USMのような方式で「十分速い」領域に到達しやすい、という見立ても成り立ちます。
実際、RF 24-105mm f/2.8L IS USM ZがNano USMを採用している点は象徴的です。高級ズームであっても、リング型USM一択ではない設計判断が行われている可能性を示します。
ユーザーへの影響:リング型USMが減ると何が困る?どう備える?
仮に今後、リング型USMの新規採用が減ったとしても、すでに市場にあるリング型USM搭載レンズの価値が急に下がるとは限りません。困りやすいのは「リング型USMだから選ぶ」という単純な指標でレンズ選びをしていた場合で、これからは用途と総合性能で見たほうが失敗が減ります。
動体・望遠の人は、方式名より“追従の実感”とレンズ全体の設計を優先
スポーツや鳥の撮影では、AF速度だけでなく、測距エリア内での迷いにくさ、合焦から次の追従までのつながりが歩留まりを左右します。方式名がリング型USMでも、レンズ群の重さや制御が最適化されていなければメリットが薄れますし、逆にNano USMでも動体がしっかり追えるケースは増えています。
具体的には、飛翔する鳥のように速度変化が大きい被写体では「一瞬の抜け」が致命的になりやすい一方、サッカーのように被写体がある程度の距離を保つ競技では追従の安定性が効いてきます。購入や買い替えの基準は、モーター方式よりも、そのレンズが狙う被写体に対して“外しにくい設計か”に置くのが現実的でしょう。
動画メインの人はSTMやNano USMのメリットが分かりやすい
人物インタビューやVlogのようにマイクも回す撮り方では、AF駆動音が乗りにくいことが重要になります。また、ピント移動が自然で、呼吸(ブリージング)や画角変化が気になりにくいかどうかも、完成映像の印象を左右します。ここはモーター方式だけで決まらないものの、STMを選ぶ理由になりやすい領域です。
もう一つの例として、商品紹介で手前の小物に寄ってから顔に戻す撮り方では、ピントがスッと移ってくれるほうが見やすくなります。リング型USMが不得意という話ではなく、評価軸が「最速」から「自然さ・静かさ」へ広がった結果、STMやNano USMの採用が増える、という流れは十分考えられます。
キヤノンのリング型USM採用は今後どうなるのか 現時点での整理まとめ
リング型USMの終焉は公式発表ではなく、RFレンズでNano USMやSTMが増えているように見えるという海外メディアの分析が出発点です。高性能なリング型USMが消えると決まったわけではありませんが、小型化・コスト・動画適性といった基準が強まるほど、採用方式が多様化する流れは自然です。気になる人ほど、方式名よりも「自分の被写体で外しにくいか」を軸にレンズ選びを組み立てると納得しやすいでしょう。
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