富士フイルム“デジタルXPan(TX-3)”は来るのか？ 28mmF4特許が広げる妄想と現実

そもそもXPan/TXって何が特別？

XPan（富士フイルムTX-1/TX-2）は、35mmフィルムを使いながら 24×65mmのパノラマと通常の 24×36mm を切り替えられる“デュアルフォーマット”のレンジファインダー。1998年にHasselbladと富士フイルムの協業で生まれた、かなり尖った存在です。横長フレームの気持ちよさはもちろん、最初からその比率で覗けるから、構図が「切り出し前提」じゃなく「最初から完成形」になる。ここが中毒性の核心です。

Fuji Rumorsが言っている“TX-3”の現在地

Fuji Rumorsは以前から、富士フイルムが XPan/TXのデジタル後継を検討している可能性を追っていて、もし進むなら 2028年（TX-1登場30周年） が節目になる、という見立てを示しています。ただしここが超重要で、現時点でFuj iRumors自身は「やると決まった確証の噂はない」とも明言しています。この機能の期待が無限に広がるのは自然だけど、現実としては“未確定”です。

じゃあ、なぜ28mm F4特許が話題になるの？

今回注目されているのは、フルサイズ超のフォーマットを想定していそうな 28mm F4 / 35mm F4 の光学系特許（公開番号：2025-178957）です。 この特許には複数の実施例が載っており、バックフォーカスが短い設計などから 交換レンズ向けというより固定レンズ機っぽい、という見方が出ています。さらに、28mm側は GFX（44×33）を全面カバーするには像円が足りない可能性にも触れられています。

「フルサイズより大きい。でもGFX全面ほどではない」この“隙間”にハマるのが、もし仮に ワイド専用センサー（XPan比率のデジタル） みたいな存在だとしたら？ という妄想です。実際、別の分析では 65:24（約2.7:1）比率の専用センサーや、それに合わせたレンズ群の特許が示唆するものとして「TX-3」像を組み立てています。

一方で、もっと堅い現実の線もあります。富士フイルムはすでに GFX100RF（GFX初のレンズ一体型） を2025年に投入していて、“大きいセンサーを小さくまとめる”設計ノウハウ自体は現行プロダクトとして存在します。 つまりこの28mm F4が、TX-3の布石なのか、GFX100RF系の派生検討なのか、あるいは単なる研究なのか、特許だけではまだ決め手になりません。特許は「出る証拠」というより、「考えてはいる証拠」くらいに受け止めるのが安全です。

“デジタルXPan”が出たら、何が嬉しい？

最大のメリットは、トリミングで横長を作るのと違って、最初から横長センサー（または横長モード）前提で画素を無駄にしないこと。さらにファインダーやUIが横長構図に最適化されるなら、撮影体験がまるごと変わります。要するに、写真が「横に長い」だけじゃなく、思考も横に長くなる。これがXPan沼。

まとめ：確証はまだゼロ、でも“燃料”は増えた

Fuji Rumors自身が言う通り、現段階で「TX-3が出る」と断言できる材料はありません。 ただ、28mm F4特許や過去のレンズ・センサー関連の流れを見ていると、少なくとも 富士フイルムが“通常のフルサイズ/中判とは違う何か”を検討している可能性は感じます。

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