
LUMIX S1RII / S1II / S1IIEのファームウェア更新 LUMIX Flow強化



パナソニックのフルサイズLUMIXフラッグシップ「S1RII」「S1II」「S1IIE」に、待望の最新ファームウェアが配信されました。今回のアップデートは、AFや動画機能の強化に加え、熱対策やスマホアプリ連携まで幅広く手が入っており、まさにハイブリッド機としての完成度を上げる内容になっています。すでにS1IIシリーズを使っている人はもちろん、これから導入を検討している人にとっても、チェックしておきたいポイントを整理していきます。
この記事のサマリー

LUMIX S1RII / S1II / S1IIE向けに、熱対策・AF・動画まわりをまとめて強化する大型ファームウェア(Ver.1.3 / 1.2)が公開されました

新たに3.8Kオープンゲートの「MP4(Lite)」やLUMIX Flow連携強化が入り、ハイブリッド撮影とモバイルワークフローがかなり実戦的になっています

コンスタントプレビュー表示やデュアルネイティブISO表示など細かなUIも改善され、S1II世代を本気で“現場仕様”に仕上げてきたアップデートです
アップデートの全体像:対象機種とバージョン

今回の対象は、S1RII(Ver.1.3)と S1II / S1IIE(Ver.1.2)の3機種。アップデート内容は「熱対策強化」「AF認識・追従改善」「SHバーストの拡張」「MP4(Lite) 3.8K追加」「望遠ズーム+テレコンの互換性向上」「LUMIX Flowアプリ強化」「UI改善」という7つの柱で構成されています。派手な“新機能追加”というより、実践での欠点や細かな不満点を丁寧につぶしていくタイプのアップデートです。
S1IIシリーズの主な機能アップデート内容
基本的にはS1RII / S1II / S1IIEともにアップデート内容は共通しています。
■ 熱制御アルゴリズムの改善
最も注目されるのが、動画撮影時の熱制御アルゴリズムが改善された点です。4K高fpsや長時間収録で発生しやすかった熱停止を抑え、外気温や直射日光の影響を受けにくくすることで、記録の安定性が向上しています。夏場の屋外収録や、長回しのインタビュー撮影で特に恩恵が出やすいアップデートです。
■ AF認識精度・トラッキング性能の改善
被写体認識AFには「メイン被写体の枠だけを表示する」オプションが追加され、多数の被写体が写るシーンでも狙っているターゲットを把握しやすくなりました。瞳AFの枠表示を四角形スタイルに切り替えることも可能になり、視認性が向上。トラッキングAF自体もアルゴリズムが改善され、人物や動体を追う際の粘りが向上しています。
■ SHバースト撮影の低速オプション
電子シャッターの超高速連写「SHバースト」に低速オプションが追加されました。高速連写で撮りすぎて選別が大変…というユーザーの声に応える形で、プリ連写を含むSHバーストでも“適度なコマ速”に調整できるようになりました。スポーツ・動物・ダンスなど、瞬間を狙いつつも枚数は抑えたい撮影に向いています。
■ MP4(Lite) と 3.8Kオープンゲート
動画では、新モード「MP4(Lite)」が追加。3:2の3.8K(3840×2560)を30p/25p・50Mbpsで記録できます。素材の自由度を確保しつつ、ファイルサイズと編集負荷を抑えたいユーザーに最適です。1本の素材から縦横比違いの出力を複数作るSNS運用にも有効なモードです。
■ 望遠ズーム+テレコンの互換性向上
望遠ズーム S-R100500 と DMW-STC14/STC20 の互換性が改善され、AF・手ブレ補正の動作安定性が向上。超望遠を多用する野鳥・航空機・モータースポーツユーザーにとっては実戦で効くアップデートです。
■ LUMIX Flow(Ver.1.4)連携強化
スマホアプリ側も強化され、ライブビューにLUTを適用した確認ができたり、複数のフレームマーカーを表示できたりと、外部モニター的に使える性能が向上しました。小規模制作現場でiPadなどをクライアント確認用として使う場合にも非常に便利な改善です。
操作性・ワークフロー改善
操作性・ワークフローの観点でも嬉しいアップデートがあります。
■ UIの細かな改善
コンスタントプレビューOFF時にアイコンで状態を明示したり、ISO表示設定にオートISOを追加したりと、撮影時の混乱を防ぐ改善が入っています。フォーカス合成処理の高速化や、待機中と録画中のライブビュー画質を揃える設定(S1IIのみ)など、実際の操作性が向上する細部のブラッシュアップも多く含まれています。
■ 露出・色管理のワークフロー改善
デュアルネイティブISOをAUTOにした状態でも、現在どのベースISOが選択されているか確認できるようになりました。Log撮影やLUT前提のワークフローで“今どのベースで動いているのか”が把握しやすくなり、ノイズとダイナミックレンジを意識した露出設計が行いやすくなります。
まとめ
今回のファームウェアは、S1RII / S1II / S1IIEの総合的な完成度を高める“実戦仕様アップデート”と言える内容でした。動画・写真・UI・アプリ連携のすべてを横断して地味に効く改善が入っており、特にハイブリッド運用のユーザーにとっては実質的なモデルアップ級の価値があります。まだ適用していない人は、撮影前のタイミングでアップデートしておくことをおすすめします。
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