
【2025年版】Canon PowerShot SX740 HSのレビュー比較まとめ
Canon PowerShot SX740 HSは気軽に旅行・家族・野鳥まで一台で撮れる継続的に人気なコンデジ。複数の媒体で多くの実機レビューも公開されており、長所も課題もあります。この記事ではPowerShot SX740 HSのレビューを整理し、フラットにおすすめな人・不向きになる場合の条件を解説していきます。
この記事のサマリー

光学40倍(24-960mm)と4K動画に対応するポケットズーム。日中の発色と解像はクラス標準以上。

RAW非対応・EVF非搭載・4Kはクロップで画角が狭くなる点は要留意。

旅行・家族・月/野鳥など“まずは寄る”用途に強い。一方、暗所は1/2.3型相応で得意ではない。

競合はPanasonic TZ95/ZS80(RAW・EVF・タッチ)とSony HX99(RAW・EVF・タッチ)。選び分けが肝。
PowerShot SX740 HSのレビュー要点:おすすめな人/不向きな人

まず結論から。SX740 HSは“軽くて遠くまで届く”が最優先の人に向きます。スマホでは届かない月・野鳥・舞台・運動会の“寄り”が必要な場面で威力を発揮。反面、暗所画質や階調追い込みにこだわる人には不向きです。4Kはクロップで画角が狭くなるため、室内Vlogの自撮り広角はFHD運用のほうが現実的です。
こんな人におすすめ
旅行の荷物を増やさず遠景も近景も網羅したい、家族行事で子どもの表情から舞台のアップまでワンボディで撮り切りたい、というニーズには最適です。日中の発色・ディテールはクラス標準以上で、“到達距離で構図を作る楽しさ”を小型ボディで実現できます。Digital Camera Worldは広角の画質ではスマホ優位になると指摘しつつ、本機の圧倒的な強みを“40倍ズームのリーチ”としています。
不向きなケース
RAW現像で粘りたい、EVFで屋外の構図を追い込みたい、タッチ操作は必須、という人は競合のTZ95/ZS80やHX99のほうが満足度は高いでしょう。Photography Blogも「タッチ/EVF/RAWには非対応」という割り切りの必要部分を指摘。4Kでは画角が狭くなるため、室内Vlogや自撮り中心ならFHD 60pのほうが使いやすいです。
要素別レビュー早見表
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
画質(発色・解像)と高感度耐性 | 晴天下の発色と解像感は良好で、旅行スナップ向き。暗所や室内ではノイズが出やすく、ISO1600超は画質低下に注意。RAW非対応のため、撮影時の設定で仕上げを決める必要あり。 |
40倍ズームと手ブレ補正 | 24–960mmの圧倒的ズームが魅力。光学式手ブレ補正がよく効き、手持ち望遠でもブレにくい。ただし最大望遠では構え方が重要で、姿勢次第で歩留まりに差が出る。 |
AF・レスポンス・連写 | AFは日中・中望遠域では俊敏。10fps(AF固定)/7.4fps(AF追従)で動体も十分対応。ただし暗所や望遠端では迷いやすく、置きピン併用が安定。 |
動画(4K/FHD) | 4K/30pは高精細だが強いクロップで広角が狭い。FHD/60pのほうが広角で滑らか。マイク端子はなく、風切り音対策は撮影環境で工夫を。 |
操作性・UI・液晶(タッチ非対応/EVFなし) | メニューはシンプルで直感的。180°チルト液晶で自撮りも容易。ただしタッチ非対応・EVFなしのため、屋外では液晶の映り込みに注意。 |
スマホ連携(Bluetooth/自動転送) | Wi-Fi+Bluetoothでスマホ自動転送に対応。Camera Connectでリモート撮影や位置情報付与も可能。SNS投稿との相性が良い。 |
バッテリー・携行性・周辺機材 | 約299gの軽量ボディで携帯性抜群。撮影枚数は約265枚とやや短めなので予備バッテリーが安心。USB充電対応で旅行時も扱いやすい。 |
SX740 HSの基本情報のおさらい(発売・価格・主要スペック)

2018年8月30日発売、メーカー販売価格は77,000円(税込)です。レンズは24-960mm相当の光学40倍、20.3MP 1/2.3型CMOS、映像エンジンはDIGIC 8。4K動画(クロップ)対応で、連写はAF固定で最大約10コマ/秒・AF追従で約7.4コマ/秒。
発売状況と価格
国内では18年8月末発売で、当初価格の目安は税別4万円台後半が案内されていました。現在は77,000円(税込)となっており、人気の高さと比例して価格の上昇は見られます。各販売店での売れ筋ランキングで今でも上位に名を連ねる常連です。
主要スペックの要点
PowerShot SX740 HSは「ポケットサイズで960mmまで届く」ことに価値を置いたコンパクトデジタルカメラです。日中の旅行スナップや子どもの行事撮影、遠くの被写体を引き寄せたいシーンに強みを発揮します。スマホでは不可能な40倍光学ズームという圧倒的なズーム性能を持ちつつ、299gの軽量さで日常バッグにも難なく入るサイズ感。
項目 | 仕様・内容 |
|---|---|
撮像素子 | 1/2.3型 裏面照射CMOS 有効約2,030万画素 |
画像処理エンジン | DIGIC 8(4K動画/高速連写対応) |
レンズ | 4.3–172mm(35mm換算24–960mm)F3.3–6.9/光学40倍ズーム |
手ブレ補正 | 光学式(インテリジェントIS) |
AF方式 | コントラストAF(顔認識対応) |
連写性能 | 約10コマ/秒(AF固定)/約7.4コマ/秒(AF追従) |
動画機能 | 4K/30p(クロップ)・フルHD/60p(センサー全域) |
記録形式 | 静止画:JPEGのみ/動画:MP4(H.264) |
モニター | 3.0型 約92万ドット チルト液晶(180°可動・タッチ非対応) |
電源 | NB-13Lバッテリー(CIPA基準 約265枚/エコ約370枚) |
サイズ/重量 | 約110.1×63.8×39.9mm/約299g(バッテリー・カード含む) |
画質(発色・解像)と高感度耐性のレビュー

日中の解像感と色のノリはこのクラスとして十分。“旅行写真を気持ちよく仕上げる色”が得やすいのが持ち味です。一方、センサーサイズの制約から暗所ではノイズが増え、ダイナミックレンジの余裕も限定的。RAW非対応のため、後処理耐性は控えめです。
日中・屋外での持ち味
風景や街歩きでは高倍率ズームの自由度が効き、望遠での被写体の“抜け”を作りやすいのが長所。露出はハイライトを守るセッティングを意識し、カメラ内の彩度・コントラスト調整を活用すると“撮って出し”が整います。
一方でDigital Camera Worldは「全体のダイナミックレンジは限定的で、コントラストが強い場面はやや平板に見える」という評価をしています。
高感度・室内の現実解
暗所のテーブルフォトや室内スナップではISO上昇に伴ってディテールが崩れやすくなります。広角側でシャッター速度を稼ぐ、固定物を活用する、小型LEDで補助光を足す――といったセオリーが有効です。動画はFHD 60p+電子補正のほうが歩き撮りに向きます。
40倍ズームと手ブレ補正のレビュー
24-960mmのレンジは“撮れないものが減る”安心感が大きいです。最大望遠では撮影姿勢が歩留まりを左右するため、脇を締めて連写を重ね、被写体が止まる瞬間を狙うのが鉄則。被写体を見失った際に広角へ一時的に戻す「フレーミングアシスト」は実運用で効果的です。Camera Labsは960mmでもISが“揺れを本当によく抑える”と動画で示しています。フレーミングアシストの併用も推奨です。
4Kクロップと画角の体感
4K動画はクロップにより画角が狭くなります。屋内の引きが必要な場面や自撮りではFHD 60pを選ぶほうが快適で、4Kは三脚運用や静的被写体での高精細記録に向きます。同じくCamera Labsの実機レビューにて「4Kはセンサー中央の1:1(約8MP)クロップとなり、水平画角は約1.35倍狭くなる」と検証も実施されています。
AF・レスポンス・連写のレビュー
起動〜AFは軽快で、旅行スナップのテンポを損ねません。連写はAF固定で最大約10コマ/秒、AF追従で約7.4コマ/秒。最望遠や暗所では迷いが出る場面もあるため、置きピンや予測AFを織り交ぜると歩留まりが向上します。カードはUHS‑Iの高速品を推奨します。
連写・バッファの向き合い方
AF固定の高速連写は“最初の合焦を丁寧に”がコツ。動体は被写体の動きが緩む瞬間を狙った短いバーストで、当たりカットの確率を高めます。Digital Camera Worldの実機レビューでは「オート時にシャッターを押してから記録まで軽い遅延を感じる」という指摘コメントもあり、動体は置きピンや短連写の併用が有効です。
動画(4K/FHD)のレビュー
4Kは静的な被写体や遠景カットの切り取りに向き、FHD 60pは歩き撮りや室内の“引き”が必要なシーンに向きます。マイク端子は非搭載のため、風音対策は撮影環境の工夫が基本です。
4Kの使いドコロ
三脚+パンでの街並み、遠景の記録、タイムラプスの高精細出力など、動きが穏やかな被写体で威力を発揮。記録優先と割り切ると活用しやすくなります。Camera Labsは“4K vlogには向かない”と明示し、屋内・自撮りはFHD 60pで広角と補正を確保する運用を勧めています。
FHD 60pの利点
広角を維持しつつ手ブレ補正の効きを活かせます。家族イベントや店舗紹介など、“視聴しやすさ”を重視する用途に好適です。
操作性・UI・液晶(タッチ非対応/EVFなし)のレビュー

180度チルトの自撮り対応液晶は便利ですが、タッチ操作とEVFには非対応です。屋外の強い日差しでは液晶の反射に注意し、影を作る・角度を変えるなどの小技で視認性を確保しましょう。最望遠では「フレーミングアシスト」ボタンの活用が生命線です。
実用UIのコツ
よく使う機能(露出補正/ISO/ドライブ)をショートカットに集約し、メニュー往復を減らすと快適。パンフォーカス寄りに撮るならA(絞り優先)でF5.6〜8に設定し、被写界深度で余裕を作るのが堅実です。
EVF非搭載の対策
EVF必須派はRAW・EVF・タッチ対応のTZ95/ZS80やHX99が候補。屋外での構図決めやピントの追い込みが楽になります。Photography BlogはRAW/EVF/タッチ非対応を明確な割り切りが必要と明記しています。仕様のマッチ度が満足度を左右します。
スマホ連携(Bluetooth/自動転送)のレビュー
Bluetooth常時接続とWi‑Fi連携で、事前に設定したスマートフォン等へ自動送信が可能。旅先でのSNS共有や家族アルバム運用と相性が良好です。位置情報付与やリモート撮影もCamera Connectでカバーできます。
ワークフローの作り方
撮影→スマホ自動送信→クラウド保存→帰宅後に整理、の流れがスムーズ。4K動画はファイルサイズが大きいため、Wi‑Fi環境でのアップロードを基本にし、静止画優先で運用すると快適です。
遠隔操作の活用
集合写真や三脚風景ではスマホからのリモートシャッターが便利。ブレ抑制と構図微調整の両立に役立ちます。
バッテリー・携行性・周辺機材のレビュー

重量・サイズはポケットイン可能な範囲。バッテリーはNB‑13L系で、撮影枚数は約265枚(エコ約370枚)。付属系のACアダプター(CA‑DC30等)とインターフェースケーブルで本体内充電に対応します。連写や動画を多用する日は予備1本が安心です。
携行と運用の工夫
ボディ+高速UHS‑Iカード+薄手ポーチが定番。最望遠主体なら軽量ミニ三脚やクランプを足すと歩留まりが上がります。レンズ前玉の汚れは画質に直結するため、ブロアーと小型クロスを常備しましょう。中古購入時はズームの伸縮や作動音、液晶ムラの確認がポイントです。
失敗を減らすバッテリー術
移動中は電源OFF、再生多用を控えて節電。動画は必要カットを短く刻み、不要テイクはその場で削除。固定物が使える場面では低ISO+セルフタイマーで高画質と節電を両取りできます。
競合比較(Panasonic TZ95/ZS80・Sony HX99)
「RAW・EVF・タッチ」が必要ならTZ95/ZS80とHX99が有力。PanasonicはRAW+EVF+タッチに加え、4K PHOTO(30fps相当の8MP切り出し)を備えます。
機種 | 立ち位置 |
|---|---|
Panasonic TZ95/ZS80 | RAW・EVF・タッチ搭載の“作り込み派”旅行ズーム。30倍(24–720mm)で到達距離は短いが、4K PHOTOやEVFで構図追い込み・後処理まで攻められる万能型。 |
Sony HX99 | ポップアップEVF+RAWの“操作体験濃いめ”軽快モデル。30倍(24–720mm)で機動力良好、タッチ操作も便利。超望遠の伸びはSX740 HSに一歩譲るが、総合操作性が強み。 |
Sony HX99はポップアップEVFとRAW、24-720mm相当の30倍で“操作体験の濃さ”が魅力。純粋な到達距離は40倍のSX740 HSが優位です。
Panasonic Lumix TZ95/ZS80の立ち位置
PanasonicのTZ95とZS80は基本仕様が共通した兄弟機で、TZ95が日本国内向け、ZS80が海外市場向けモデルです。どちらもRAW撮影・EVF・タッチパネルに対応しており、構図確認や後処理を重視する撮影派ユーザーに向く万能タイプです。
レンジは30倍(24-720mm)ながら、RAW・EVF・タッチ対応で“作品に追い込む余地”が広いのが強み。4K PHOTOで決定的瞬間を後から切り出す運用にも対応します。最新のZS99/TZ99はEVF省略の仕様変更が話題で、EVF必須ならZS80/TZ95が選択肢になります。
Sony Cyber‑shot HX99の立ち位置
一方で、Sony HX99は操作感と携帯性を両立した“軽快なプレミアムコンデジ”で、ポップアップ式EVFやタッチ操作を備え、スナップ用途にも強いのが特徴。ズーム倍率は30倍(24–720mm)とSX740 HSより短いものの、操作レスポンスやRAW撮影対応といった自由度の高さが魅力です。
RAW・ポップアップEVF・タッチ操作・4K対応。30倍(24-720mm)の機動力と操作系のバランスに優れます。暗所や望遠端の歩留まりは1/2.3型相応で、到達距離最優先なら40倍のSX740 HSが合致します。
競合比較の選び方
この3機種はいずれも旅行用高倍率コンパクトの定番ですが、次のような棲み分けが妥当です。
- 画質や構図にこだわりたいならTZ95/ZS80
- 操作性や機動力を重視するならHX99
- 望遠性能と軽さを優先するならSX740 HS
買い方の指針と設定プリセット
用途が“遠くまで届く軽さ”ならSX740 HSは有力。“RAWで追い込む/EVF必須/タッチ必須”ならTZ95/ZS80やHX99へ。最後は“撮影体験に何を求めるか”で選ぶのが正解です。
おすすめ初期設定
F5.6〜8、AWB、ISOオート上限1600、DR優先弱、連写H、顔認識ON。動画はFHD 60p+IS強を基本に、4Kは静的被写体・三脚運用時に。カスタムへ「フレーミングアシスト(戻る)」を割り当てると最望遠の歩留まりを底上げできます。
失敗しにくい撮影手順
望遠は“構える→合焦→短連写→見失ったらアシストで戻す→再ズーム”のループが基本。暗所の人物はFHD動画に切り替え、被写体を明るい位置へ誘導して撮るのが賢い選択です。屋外では距離を取り、現地で仕上がりを作る発想に振り切ると、RAW非対応でも満足のいくアルバムが作れます。
PowerShot SX740 HSのレビューまとめ
PowerShot SX740 HSは、軽さと40倍ズームで“届く・持ち出す・すぐシェア”を両立する一台です。RAW・EVF・タッチ非対応、4Kのクロップなどの割り切りは明確ですが、旅行・家族・月や野鳥の“まずは寄る”用途とは抜群に相性が良いです。RAW・EVF必須派はTZ95/ZS80やHX99、到達距離最優先ならSX740 HS――という基準で選べば迷いません。価格はタイミングで動くため、直販・量販の在庫と相場を見て最適なタイミングで手に入れましょう。
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