M 50mm f/2 Rigid

スナップで歩く速度に寄り添い、コクのある描写が街の温度を掬い上げ、光の粒や影の角もなめらかに整理される。ピント部は緻密で、入り組んだ線や文字も落ち着きのあるコントラストで読みやすく、遠近の重なりが自然にほどける。背景のボケはなめらかに後退し、主題がにじまず抜け、反射の多い場面でも線が暴れず、視線誘導が軽快に決まる。色は濃すぎない調子で、壁や路面の質感差が誇張されず、天候の変化にも破綻が出にくく、記録と表現の間が保てる。指先に伝わるMFの手応えは一定で微小な距離変化にも反応が素直で、狙ったタイミングでフォーカスが吸い付く