AIブームでメモリーカード価格が高騰?カメラ市場に起きている供給逼迫を整理

AIブームでメモリーカード価格が高騰?カメラ市場に起きている供給逼迫を整理

AIデータセンター向けの需要が爆発し、NANDフラッシュやDRAMの供給が締まり、カメラ用メモリーカード(SD/CFexpress)の価格上昇と品薄が日本でも見え始めています。背景にある構造と、撮影者が当面困りやすいポイント、現実的な備え方を短く整理します。

みんカメ編集部
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みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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AIデータセンター需要がメモリー供給を圧迫し、カードの値上がりと欠品が起きやすい

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新規生産はリードタイムが長く、当面は「出た分が高い」構図になりやすい

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CFexpressとSDの“速度格差”が、運用コストやカメラ開発にも影響し得る

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撮影者は容量設計・枚数運用・バックアップ手順の見直しで痛手を減らせる

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価格安定は2028〜2029年以降という見立てもあり、長期戦の可能性がある

なぜ今メモリーカードが上がるのか:AIがNAND/DRAMを吸い込む構図

Via: 43rumors

カメラ用メモリーカードの値動きは、カメラ業界だけで決まるわけではありません。AIデータセンターの増設でストレージとメモリーの需要が跳ね上がり、NANDフラッシュとDRAMの供給がそちらに寄ることで、写真・動画向けのカードが「必要な量を、必要な価格で」作りにくくなる状況が語られています。

Angelbird CEOの発言として報じられた“供給の取り合い”

この話題を強く押し出したのが、メモリーメディアメーカーAngelbirdのCEO、Roman Rabic氏のコメントです。CineDのCP+2026関連インタビューとして、AI需要がメモリー供給を押さえ、カメラ用メディアの価格上昇や品薄につながるという筋道が紹介されています。現場感のある話として、撮影者側の不安に直結しやすい論点でしょう。

新規生産は12〜24ヶ月:短期で供給が戻りにくい理由

43rumorsの分析では、増産しても新規生産のリードタイムが12〜24ヶ月規模になりやすく、すぐに値下がりしにくい点が強調されています。さらに、今後投入されるロットほど高コスト構造になり、既存在庫だけが相対的に安く見える場面も起き得るという指摘もあります。2025年中頃から上昇と供給減が始まり、日本市場でも顕在化しているという見方は要注意です。

整理のため、報じられている要点を“見立て”も含めて並べます。事実として語られている部分と、将来の推定は同じ行に置かず、文言で区別しています。

項目名

現時点の要点

需給の主因

AIデータセンター需要がメモリー(NAND/DRAM)を大きく消費し、他用途へ波及

影響が目立ち始めた時期

2025年中頃から価格上昇・供給減が始まったという分析

新規生産のリードタイム

12〜24ヶ月規模になりやすい(短期での供給回復が難しい要因)

価格安定の見通し

2028〜2029年以降という推定(将来予測であり確定情報ではない)

値上がりの“理由”を押さえると、次に見えてくるのが「どのカードが、どんな撮影で、先に苦しくなるか」です。特に動画ユーザーは書き込み速度の制約を受けやすく、体感として早く影響が出やすいでしょう。

カメラユーザーに起きる具体的な影響:値上げ、欠品、そして運用コスト

影響が分かりやすいのは価格ですが、撮影者にとって本当に痛いのは「必要なタイミングで必要な容量が揃わない」ことです。旅行や運動会、仕事の収録の直前にカードを追加したくても、容量や規格が欠けると運用が一気に不安定になります。

値上がりは“容量あたり”だけでなく“安心のための枚数”にも効く

多くの人は容量(GB/TB)でコストを見がちですが、実運用では「予備を何枚持てるか」が重要です。たとえば、4K高ビットレートで回す人は、同じ容量でもカード1枚のトラブルが致命的になりやすく、予備2枚・3枚が欲しくなります。スチル中心でも、子どもの行事をRAW+JPEGで撮り切るような日には、予備が1枚あるだけで精神的な余裕が大きく変わります。

欠品が厄介なのは“同じカードで揃えたい”心理を崩すから

カードは混在させても撮れますが、速度クラスや世代がバラつくと、撮影のテンポが乱れます。具体例を挙げると、同じSDでも書き込みが遅いカードが混ざると連写後のバッファ解放が遅くなり、シャッターチャンスに影響が出ます。CFexpressでも、想定より遅いカードが1枚入ると、収録モードやフレームレートを下げざるを得ないケースが出てきます。

加えて、43rumorsの分析にある「既存在庫だけが相対的に安くなり得る」という視点は、買い替えのタイミングを難しくします。欲しい容量・規格が市場に残っているうちに確保するのか、しばらくは手持ちのカードを丁寧に使い、運用でしのぐのか。ここは撮影頻度と失敗できない度合いで判断が分かれるでしょう。

CFexpress優位は加速する?SDとの“速度差”がもたらす現実

メモリー不足の話は単なる値上げニュースに見えますが、規格の勢力図にも波及し得ます。CineDのインタビューでは、CFexpressが500〜800MB/s級、SDが20〜30MB/s級といった速度感の対比が語られ、カード規格の選好やカメラ側の設計にも影響し得る論点として触れられています。

高速メディア前提の機能は“カード負担”が増えるほど普及が鈍る

たとえば、高フレームレート動画や高ビットレート収録、RAW動画、深い連写バッファなどは、高速な書き込みが前提になりがちです。ところが高速カードが高価になり、入手も不安定になると、カメラの機能があってもユーザーが活かし切れません。メーカー側も「多くの人が揃えられるメディアで動く設計」に寄せざるを得ず、尖った機能の普及が遅れる可能性があります。

“クラウドtoカメラ”がすぐ救世主になりにくい理由

物理メディア依存が続く要因として、クラウド連携の進展が想定より速くない点も挙げられています。現実問題として、撮影地の回線品質、転送待ち時間、バッテリー消費、セキュリティ要件が絡み、撮った瞬間にクラウドへ逃がせればOKとはなりにくいのが実情です。結局、現場ではカードが“記録の主役”であり続け、供給逼迫の影響を直接受けてしまいます。

この構造を踏まえると、当面は「速いカードが必要な人ほどコスト増に直撃される」流れになりやすいでしょう。逆に、撮影スタイルを少し調整できる人は、痛手を小さくできます。

いま撮影者ができる現実的な備え:買い増しより“運用設計”が効く

短期で供給が戻りにくいなら、対策は二方向です。ひとつは必要最小限の追加購入を早めに済ませること、もうひとつは手持ち資産(カード、SSD、バックアップ手順)を見直して撮影リスクを下げることです。ここでは後者、つまり“撮影の失敗を減らす工夫”に寄せて整理します。

容量の考え方:最大容量1枚より、中容量を複数枚に分散

高容量カード1枚運用は管理が楽ですが、カード不調や紛失の損害が大きくなります。中容量を複数枚に分ければ、午前・午後、スチル・動画のように役割分担でき、万一のときの被害を限定できます。例として、旅行なら「移動日用」「観光日用」で分ける、仕事の収録なら「本番用」「保険用」を分けるだけでも復旧が楽になります。

撮影設定の最適化:必要以上のビットレートや連写設定を固定しない

いつも最高設定にしている人ほど、カード容量と速度の要求が膨らみます。もちろん画質を落とすべきという話ではありませんが、たとえば“記録は10-bitが必要か”“フレームレートを常に最大にするか”“連写は最高速固定か”を撮影内容ごとに切り替えるだけで、必要なカード枚数を抑えられます。子どもの室内イベントなら静止画中心に寄せ、屋外スポーツの日は連写とカードを厚めに、という考え方が現実的です。

もう一点、既存在庫が相対的に安くなり得るという見方がある以上、同じ規格・容量の追加は“揃ううちに揃える”メリットが出ます。一方で、長期的な価格安定は2028〜2029年以降という推定もあり、今すぐ大量に抱えると保管劣化や規格更新のリスクも抱えます。撮影頻度と用途の確度が高い分だけ、着実に整えるのが無難でしょう。

AIブームがメモリー市場に与える影響の最新情報まとめ

AIデータセンター需要の急伸がNAND/DRAMの供給を圧迫し、カメラ用メモリーカードの値上がりと欠品が起きやすい状況が、Angelbird CEOの発言や43rumorsの分析として伝えられています。新規生産は12〜24ヶ月規模のリードタイムになりやすく、短期での価格安定は期待しにくい一方、安定時期を2028〜2029年以降と見る推定もあります。撮影者は購入だけで解決しようとせず、容量の分散、設定の最適化、バックアップ前提の運用設計でリスクを小さくしていきましょう。


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