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Canon EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのレビュー比較まとめ。軽量望遠で野鳥・運動会に最適








EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは、手頃な価格帯の望遠ズームにCanonの最新世代AFであるNano USMと、最大4段分の光学式手ブレ補正、さらにレンズ筒にLCD表示を載せたレンズです。懸念点としては70-300mmは運動会や野鳥、旅行の圧縮効果まで幅広く使える一方、開放F値が暗く屋内スポーツや大きなボケ表現は苦手になりがちという点です。この記事では、複数メディアの実機レビューを元に画質・AF・手ブレ補正・操作性の実態を、APS-C/フルサイズの違いも含めて解説します。また、向き不向きを具体的な撮影シーンとともに掘り下げます。
この記事のサマリー

Nano USMの速さと静かさが強み。動体撮影と動画の両方を1本で回したい人に相性が良い望遠ズーム

中心解像は70〜300mmで安定し、特に300mm端は開放から実用的。ただし中間域の周辺は期待しすぎない方が良い

光学式手ブレ補正は4段前後が狙え、300mmでも低速シャッターの成功率を押し上げる。夕方の運動会や旅行の望遠にもおすすめ

フルサイズでは周辺減光と70mm側の歪曲が目立ちやすい。RAW現像での補正前提にすると扱いやすい

TAMRON SP 70-300mm VC、EF 70-300mm L、EF 100-400mm L IIと比べ、軽さとAFの気持ちよさが魅力
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのレビュー要点
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70-300mmクラスは「届く焦点距離」と「持ち出せる重さ」のバランスで評価が決まります。その中でEF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは、AFの快適さと情報表示の新しさで、単なる入門望遠より動画も含めた実用重視の撮り方ができます。一方で、F4通しのような明るさやLレンズ級の周辺画質にはやや課題があるレンズなので、撮りたい被写体と撮影環境に合うかを考える必要があります。
おすすめな人
運動会や屋外スポーツで、被写体が急に走り出してもAFが迷いにくいレンズを探している人には、本レンズがおすすめです。Nano USMは合焦までの移動が速く、70mmから300mmへズームしてもテンポを崩しにくいので、徒競走のコーナー立ち上がりやサッカーのカウンターのような場面で成功率が上がりやすいです。また、APS-C機で野鳥や飛行機を始めたい人にも向いています。換算で112-480mm相当まで伸び、しかも710gと比較的軽量なので、河原の散歩や旅行先で見つけたらすぐ構えるような使い方に最適です。LCDのブレ表示を見ながら姿勢を整える使い方もでき、手持ち撮影の上達にもつながります。
不向きな人
体育館のバスケや屋内の発表会など、光量が少ない状況でシャッタースピードを稼ぎたい人にはやや不向きといえます。300mmでF5.6まで暗くなるため、たとえば1/500秒を維持しようとするとISOが上がりやすく、ボディ側の高感度耐性に強く依存します。背景を大きくぼかして主役を浮かせたい用途でも、開放F値の制約が出やすいでしょう。加えて、フルサイズで風景や建築を撮り、画面の端まで均一にシャープさを求める人にも優先度は下がります。中心は良好でも、70〜135mmあたりの周辺には不満が残りやすく、RAW現像の補正や絞り込みが前提になりがちです。MFの感触も電子制御寄りなので、マニュアル主体の撮影スタイルには合わない可能性があります。
要素別レビュー早見表
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの強みと弱みが出やすい要素を表でまとめました。特に「AF」「手ブレ補正」「300mmの解像」に注目して見てみてください。
要素 | 評価一言まとめ |
|---|---|
解像力(中心) | ズーム全域で良好、300mm端も実用的 |
解像力(周辺) | 中間域で甘さが出やすく、用途を選ぶ |
AF速度・追従 | Nano USMが強力。動体と動画で扱いやすい |
手ブレ補正 | 4段前後を狙え、望遠手持ちの成功率が上がる |
ボケ描写 | 条件次第で良いが、輪線やざわつきが見えることも |
逆光耐性 | 良好寄りだが、フード非同梱の点には注意 |
周辺減光・歪曲 | フルサイズで補正前提になりやすい |
携帯性 | 710gで望遠としては軽め。旅行にも現実的 |
コストパフォーマンス | AF込みの体験価値で見ると高い |
早見表の通り、得意分野は「動く被写体を手持ちで撮影する」。逆に、暗所の動体や周辺画質のクオリティを求める人は競合も比較してから判断するのがおすすめです。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの基本情報
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは2016年に登場したEFマウントの望遠ズームで、今も新品流通が続くロングセラーです。キットレンズの次に「もう少し遠く」を狙う定番の立ち位置を守っています。仕様上のポイントは、17群12枚の光学系、UDレンズ1枚、9枚羽根の円形絞り、そして最大4段分の手ブレ補正とNano USMです。レンズ筒のLCDは、焦点距離や撮影距離、手ブレ量の目安を表示できます。
発売状況と価格感
国内では並行して中古在庫も厚く状態の良い個体を選びやすいレンズです。EFマウント自体は新製品が中心ではないものの、EF一眼レフを使い続ける人、あるいはマウントアダプター経由でEOS R系に繋ぐ人の“実用望遠”として需要が残っています。なお、製品発表時にLCD表示を大きな特徴として打ち出しており、PetaPixelも「Canon初のLCD情報表示付きレンズ」として紹介しています。数値スペックだけでなく、使い勝手の新規性で差別化したモデルだと理解しやすいでしょう。
主なスペック要点
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの主なスペック要点をまとめます。
項目 | 値 |
|---|---|
対応マウント | Canon EF |
対応センサー | フルサイズ / APS-C |
焦点距離 | 70-300mm |
開放F値 | F4-5.6 |
レンズ構成 | 12群17枚(UDレンズ1枚) |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 1.2m |
フィルター径 | 67mm |
手ブレ補正 | 光学式、最大4段分(メーカー発表の数値) |
重量 | 約710g |
67mmフィルターは流通量が多く、PLや保護フィルターを揃えるコストを抑えやすいのがポイントです。フィルターを付けっぱなしで持ち歩く人には、約710gという重さも効いてくるでしょう。
後継機・現行ラインの位置づけ
このレンズには2026年現在後継機がありません。つまり、EF一眼レフの望遠ズーム確保したい人にとっては、依然として有力候補といえます。一方で、RFマウントへ移行する場合は、同等レンジのRF望遠や上位のRF 100-400mmなどが比較対象になります。ただし価格・重さ・AFの気持ちよさの総合点で見ると、本レンズの立ち位置は有力で「軽量な300mm」を手早く用意したい人からは注目されています。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのデザインと操作性のレビュー

望遠ズームは数値スペック以上に、ズームリングの感触や重心移動が撮影テンポを左右します。本レンズは伸縮式で全長が変化しますがリングの抵抗感は素直で、エントリー寄りの価格帯としては扱いやすいといえます。また、もう一つの特徴がLCD表示です。撮影距離や焦点距離の確認がしやすく、特にAPS-Cで換算焦点距離を把握したい人に向いています。
筐体の質感・リングの感触・携帯性
外装はLレンズのような金属感ではなく樹脂主体ですが、300mmまで届く望遠でありながら710gという重さは魅力で、日帰り遠征や旅行でも使いやすいといえます。たとえば運動会で午前から午後まで首に掛けていても1kg超級よりははるかに楽です。ただしズームは70mm→300mmで鏡筒が大きく伸びるため、狭い場所では取り回しに注意が必要です。とはいえ70mm位置でロックスイッチがあり、移動中のズームクリープを抑えられるのは安心材料でしょう。フィルター枠がフォーカスで回転しない点も、PLを多用する風景・航空機撮影ではストレスを軽減できます。
LCD表示が撮影に効く場面と、気になる点
LCDは「距離目盛」「焦点距離(APS-Cではフルサイズ換算も表示)」「手ブレのグラフ表示」を切り替えられます。野鳥で“換算480mm相当”の感覚を掴みたいとき、表示があるだけでフレーミングの学習が速くなりますし、手ブレ表示は低速シャッターで粘る判断材料にもなります。たとえば夕方の河川敷で1/250秒を切り始めたとき、ブレ表示が大きいならシャッターを上げる、あるいは脇を締めるといった調整がしやすいです。気になる点は、付属品に物足りなさがあるところです。フードがついていないため、逆光や斜光でコントラストを守りたい人は追加で用意する必要があります。外装の耐候性も簡易的なので、砂埃の多い場所や雨天時は気を付ける必要があります。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの画質レビュー
本レンズの画質を一言でまとめるなら、「中心は強く、周辺は割り切りがある」です。70-300mmの便利ズームとしては中心解像が安定しており、SNSやA4プリント程度なら不満が出にくいクオリティにまとまっています。ただしフルサイズで隅々まで均質な解像を求めると、ズーム中間域で物足りなさが出る可能性があります。用途が望遠で主題を抜く寄りなら、長所が素直に出るでしょう。
焦点距離ごとのシャープさ:70mm〜300mmの傾向
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは中心部が広いレンジで扱いやすいレンズです。70mm側は開放F4から十分にシャープで、少し絞ると微コントラストが整います。運動会で「広めの望遠スナップ」として70〜120mmを使う場合、背景整理と解像の両立がしやすく、ピントが合ったカットの歩留まりに期待できます。300mm端でも中心は崩れにくく、F5.6開放から実用域に入ります。小鳥の顔やスポーツの表情など、中心付近に主題を置く構図では強みが分かりやすいでしょう。一方で隅の粘りは焦点距離で波があり、たとえば70〜135mmの周辺は「止めれば完璧」というより「止めて整える」程度に捉えるほうが納得しやすいといえます。
APS-Cとフルサイズで“画が変わる”ポイント
APS-Cではイメージサークルの中心寄りを使うため、周辺の弱点が目立ちにくくなります。結果として、野鳥や飛行機のように画面中央へ被写体を集める撮影では、フルサイズよりAPS-Cのほうが気持ちよく写ると感じる人も多いでしょう。逆にフルサイズでは、画角の余裕を活かして「引きの構図」や「周辺まで情報量がある風景」を撮りたくなります。そのときに周辺の甘さや減光が見えやすくなるため、RAW現像での補正と、F8前後まで絞る運用をセットで考えると失敗が減ります。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの収差・歪曲・周辺減光のレビュー

実写で悩みがちなのは解像そのものより「色ズレ」「直線の曲がり」「四隅の暗さ」です。本レンズは色収差が比較的よく抑えられているため望遠ズームとして扱いやすい一方、フルサイズでは70mm側の歪曲と周辺減光が分かりやすく出ます。ただ、2026年のRAW現像環境ではプロファイル補正が前提になりやすく、弱点が致命傷になりにくいともいえます。
色収差(フリンジ)と、逆光での粘り
UDレンズ1枚の効果もあり、倍率色収差は実写で目立ちにくい部類です。白いユニフォームの縁や、枝のハイライトなど高コントラスト境界でも、極端な紫・緑の縁取りが出続けるタイプではありません。夕方の公園で、逆光気味に子どもを望遠で抜くような場面でも、補正しやすい範囲に収まることが多いでしょう。一方で、条件が揃うとパープルフリンジが見えることがあります。特に開放付近で前ボケ・後ボケが大きい場面では出やすいので、気になる場合は1段絞る、背景のハイライトを避けるなど、撮り方で回避するのが現実的です。フードが非同梱なので、逆光耐性を少しでも上げたいならフードの導入も検討してみてください。
歪曲と周辺減光:フルサイズは補正前提がラク
歪曲は70mm側で樽型、望遠側では中央がややふくらむ“糸巻き型”の歪みが出やすい傾向です。特にフルサイズ70mmでは直線の多い被写体で分かりやすく、建物の外壁や体育館の壁面を撮ると違和感が出ることがあります。とはいえ、RAW現像でレンズプロファイルを当てれば修正しやすく、撮影時は構図を優先しやすいタイプです。周辺減光もフルサイズ開放で目立ちやすく、空や白壁のようなフラットな背景だと四隅が落ちると感じるでしょう。絞ると改善しますが、完全に消すより補正で整えるほうがテンポがよくおすすめです。一方で周辺減光を視線誘導として活かし、人物や主題を中心に置く作画に寄せると、むしろプラスに働く場面もあります。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのAF性能(Nano USM)のレビュー
このレンズを選ぶ最大の理由がAFと言っても大げさではありません。Nano USMは「速いのに静か」という両立ができており、静止画でも動画でも、性能の印象が変わりにくいのが利点です。一方で、MFのフィーリングは機械連動のリングUSMとは異なり、電子制御らしさが残ります。AF主体で使う人には利点が大きいですが、MF主体の人は注意点を押さえておきましょう。
動体撮影での追従:運動会・野鳥で効く“迷いにくさ”
実写では、合焦までの迷いが少なく、ピントが合った瞬間のキレが分かりやすいタイプです。たとえば運動会の徒競走で、手前の子に一度合焦したあと、奥へ走る子を追う場面でも、AFサーボの追従が破綻しにくいのは助かります。野鳥でも、枝から飛び立つ瞬間のような「急な距離変化」に対して、食いつきが良いほうです。Dustin Abbottの実機レビューでも、Nano USMのスピードと静粛性が大きな長所として語られています。望遠ズームはAFの気持ちよさが撮影意欲に直結するので、スペック表より体感差が出やすい部分でしょう。
MF(フォーカス・バイ・ワイヤ)の癖と、実用上の対処
MFは電子制御で、リングの回転がそのまま機械的に直結する感触ではありません。動画でのフォーカス送りが滑らかになる一方、静止画で「ほんの少しだけ追い込む」微調整は、レンズとボディの反応に慣れが必要です。星景のようなシビアなピント合わせをMF中心でやりたい人には、別レンズのほうがストレスが少ないでしょう。対処としては、静止画はAFで合わせてから微調整に限定する、拡大表示を併用する、絞って被写界深度を稼ぐ、といった運用が現実的です。たとえば300mmで鳥の目にAFを置き最後にMFで少しだけ追い込む、という使い方なら電子っぽさは気になりにくいでしょう。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの手ブレ補正(IS)のレビュー
望遠ズームでの手ブレ補正は「暗所で粘れる」だけでなく、「ISOを下げて画を整える」方向を考える人にも向いています。特にAPS-Cで換算480mm相当まで使う場合、補正の差が歩留まりとして表れやすいでしょう。本レンズのISは動作が滑らかで、ファインダー像が落ち着きやすいのもメリットです。被写体を追い続けるスポーツや野鳥の撮影シーンでは、構図も作りやすくなります。
何段分“効く”のか:低速シャッターの現実的なライン
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMはシャッタースピード換算で最大4段分の補正効果とされており、実機テストでも概ねそれに近い結果が報告されています。たとえば70mmでは1/5秒付近まで成功率が残り、300mmでも1/20秒前後で「使えるカットが出る」レンジが見えてきます。夕方の動物園で止まっている被写体を望遠で狙うような場面では、三脚なしでも勝負できる幅が広がります。The-Digital-Pictureの実機検証でも、焦点距離ごとの低速シャッター耐性が具体的に示されており、望遠域でも補正の実効性が確認できます。体感として「1/焦点距離」の常識を超えていると考える人も多いでしょう。
流し撮り・三脚運用での注意点
流し撮りでは、レンズ側がパンニングを検知して補正方向を調整する挙動が期待できます。ただしすべての状況で万能ではないため、競技撮影で意図的に流すときは、シャッター速度と歩留まりのバランスを見ながらISのON/OFFを試す発想が役に立ちます。たとえば自転車競技で1/60秒を狙うならIS ONが安定しやすく、1/15秒まで落とすなら挙動の癖が出る場合があります。三脚や一脚に載せるときは、補正がかえって微振動を作るケースがあります。夜景で300mmを固定して撮る、発表会で一脚に載せて長時間構える、といったシーンでは、状況に応じてISを切る判断も入れると良い結果につながります。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのボケ・近接撮影のレビュー

EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは9枚羽根の円形絞りで形は整いやすいものの、ボケの質感は単焦点や高級ズームほど滑らかではありません。ただし望遠圧縮と撮影距離の取り方次第で、ポートレートやスナップでも十分に背景を整理できます。近接は最短撮影距離1.2mで、テーブルフォトのような世界は得意ではないものの、花の一輪や小物を望遠で抜く“圧縮マクロ風”の表現は狙えます。
ボケの素直さと、荒れやすい条件
ポートレートで使う場合、200〜300mm側で距離を取り、背景を遠ざけるとボケ量はしっかり稼げます。公園のベンチで人物を撮り、背景の木漏れ日を丸ボケにするような場面では、それなりに雰囲気が出ます。運動会でも、望遠で背景の観客席を溶かして主役を立てる用途に向きます。ただし、点光源のボケに輪線や二線ボケ傾向が出ることがあり、背景がうるさい場所ではざわついて見える場合があります。夜のイルミネーションを背景に人物を撮る、木の枝が密集した場所で鳥を抜く、といった条件では、背景の選び方を変えたりや少し絞ったりする工夫が効きます。
最短撮影距離1.2mの“使いどころ”
1.2mは望遠ズームとしては悪くありません。たとえば運動会の小物(メダル、ゼッケン)を大きめに切り取る、旅行先で料理や土産物のディテールを望遠で圧縮して撮る、といった用途で役立ちます。背景が整理できるので、テーブルの雑多さを写し込みにくいのも魅力です。一方で、昆虫のアップや小さなアクセサリーを画面いっぱいに、という用途には向きません。その場合はマクロレンズ、あるいはクローズアップレンズの併用が必要になります。近接を主戦場にするなら、最短撮影距離が短い別系統のレンズを検討したほうがスムーズでしょう。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMの動画性能(静音AF・手持ち安定)のレビュー
昨今では写真用望遠ズームでも「子どもの動画も撮る」「野鳥を短いクリップで残す」が当たり前になりました。その観点でも、本レンズはNano USMの静音性が大きな武器になります。モーター音が入りにくいので、環境音を含めて記録したい場面に向きます。また、手ブレ補正も動画で効きやすく、望遠端の“微振動”を抑えやすい作りなのも魅力です。電子ISと併用するかどうかはボディ側次第ですが、光学ISが土台を作ってくれるのは確かです。
AFの滑らかさ:フォーカス送りが自然に見える
動画では合焦スピードが速すぎるとカクカクしたように見えることがありますが、Nano USMは速さと滑らかさの両立が可能です。たとえば発表会で、手前の子から奥の子へ視線を移すようにフォーカスを移動させても、急激に飛ぶ印象が出にくく、見返したときに自然な変化になりやすいです。また、静かな室内で撮るときにAF駆動音が収録されにくいのも利点です。オンカメラマイク運用でも音が破綻しにくく、編集でノイズ処理に追われる可能性は少ないでしょう。
望遠動画での手ブレ対策:構え方まで含めて考える
300mm相当の動画は、光学ISだけで完全に“ジンバル風”にはなりません。そこで、肘を体に固定する、ストラップを張る、壁や手すりに寄せるといった基本が効きます。LCDのブレ表示は、こうした工夫が効いているかをその場で確認でき、手持ち撮影の改善に役立ちます。また、野鳥や鉄道の動画では、パンニング量が大きくなりがちです。動きが速い被写体ほど、ISの効きより「一定速度で振る」ほうが重要になります。まずはシャッタースピード(動画ならシャッター角の考え方)と振り方を安定させ、ISは最後の支えとして捉えると良いでしょう。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのAPS-C/フルサイズ運用レビュー
同じレンズでも、APS-Cとフルサイズでは魅力が変わります。APS-Cは望遠としての伸びと周辺の使いやすさ、フルサイズは70mmスタートの汎用性が魅力です。どちらが正解というわけではなく、撮りたい被写体の比率で最適解が変わります。ここでは、運動会・野鳥・旅行という典型シーンに当てはめながら、失敗しにくい使い方を整理します。
APS-C:換算112-480mmで“野鳥入門が現実になる”
APS-Cでは換算480mm相当まで伸びるので、野鳥や飛行機、遠景の山肌など「近づけない被写体」に強くなります。たとえば河原で鳥を見つけたとき、100-400mm級ほどの余裕はなくても、入門としては十分に届く距離感を作れます。さらに周辺減光や周辺の甘さが目立ちにくく、撮って出しの満足度が上がりやすいのもポイントです。
組み合わせ例としては、Canon EOS 80DのようなAPS-C一眼レフと合わせ、AFサーボで連写しつつ、手ブレを嫌ってシャッターを1/1000秒付近に置く使い方が分かりやすいでしょう。夕方はISで粘りつつ、被写体ブレが出るなら素直にISOを上げる判断が結果につながります。
フルサイズ:70mm側の汎用性と、補正前提の割り切り
フルサイズでは70mm側が「ポートレート寄りの中望遠」として使いやすく、旅行で1本にまとめたいときに便利です。たとえば街歩きで看板や建物のディテールを切り取る、海辺で人物を少し引いて撮る、といった場面で70-100mmは出番が多くなります。
一方で70mm側の歪曲と周辺減光は出やすいので、RAW現像のプロファイル補正を前提にするとストレスが減ります。高画素機でシビアに見るほど粗が見えるため、Canon EOS 5Ds Rのような高解像ボディで隅々まで撮影する用途では、絞りと補正をセットにする使い方がおすすめです。ただし主題を中央に置く望遠らしい撮り方なら、弱点は目立ちにくく長所が出ます。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMと競合機の比較

70-300mmのEF望遠ズームは、サードパーティも含めて選択肢が多いジャンルです。ここでは「価格」「重さ」「AFの性格」「画質の傾向」が被りにくい代表格と比較していきます。
機種 | 立ち位置 |
|---|---|
AF体験と軽さで選ぶ“今どき実用望遠” | |
高耐久・高画質寄り。重いが仕上がり重視 | |
価格と手ブレ補正の効きで対抗する定番 | |
予算と重量を許せるなら到達点が上がる本格派 |
EF 70-300mm L IS USM:画質と作りの代わりに重量と価格
Canon EF 70-300mm F4-5.6 L IS USMは、防塵防滴や外装の耐久性、周辺画質の粘りが魅力です。屋外の仕事用途や雨天でも撮る頻度が高い人には、価格差があっても選ぶメリットがあります。MFの感触もリングUSMらしい直結感があり、微調整の気持ちよさは強みです。一方で重量は約1kg級になり、持ち出し頻度が落ちる懸念はあります。運動会や旅行で手軽に持つならIS IIの軽さが効きます。画質の差を最大化したい人はL、撮影機会を増やしたい人はIS II、という切り分けが分かりやすいでしょう。
TAMRON SP 70-300mm VC USD:明るさ配分と補正の効きが武器
TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USDは、ズーム中のF値の落ち方が比較的ゆるやかで、同じシャッタースピードを保ちやすい局面があります。手ブレ補正の効きそのものも強めであり、夕方のスポーツ観戦や、望遠スナップ中心の人には魅力といえます。ただしAFの静粛性や動画適性、合焦の気持ちよさではIS IIの方が優れているといえます。子どもの動画も含めて一本化したい、あるいは動体追従のストレスを減らしたい人はIS IIが合い、静止物中心で補正の強さや価格を優先するならTAMRONに軍配が上がります。
EF 100-400mm L II:もう一段の到達距離と引き換えの大きさ
Canon EF 100-400mm F4.5-5.6 L IS II USMは、野鳥や航空機で「あと少し寄りたい」を叶えやすい一方、サイズ・重量・価格が一気に上がります。三脚座を使った運用も現実的になり、機材全体の組み方が変わるレンズです。作品の到達点は上がりやすいので、本気で野鳥に寄せるなら検討価値は高いでしょう。一方、散歩や旅行に常備する望遠としてはハードルが上がります。まずはIS IIで“撮る回数”を増やし、足りなさが明確になってから100-400mm級へ行く、という順序は合理的です。APS-Cで換算480mm相当が得られる点も、IS IIを長く使える理由になります。
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMのレビューまとめ
EF 70-300mm F4-5.6 IS II USMは、中心解像の安定感に加えて、Nano USMの速さと静かさ、4段前後が狙える手ブレ補正まで揃った持ち出しやすい実用望遠です。運動会・屋外スポーツ・野鳥入門・旅行の圧縮表現など、主題を中央に置く撮影では価格以上の満足度を狙いやすい一方、暗所動体やフルサイズでの周辺画質、ボケの質感は割り切りが必要になります。迷うときには撮影の中心が「屋外の動体・望遠スナップ」なら本レンズ、耐候性や周辺までの均質さを優先するなら上位Lや100-400mm級、という軸で選ぶのがおすすめです。
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