
焦点距離の基礎と求め方を解説 画角・計算からレンズ選びまで完全ガイド






焦点距離はレンズに必ず書かれている数値なのに、画角の広さ、背景のボケ、遠近感、手ブレの出やすさまで一気に変えてしまうため、理解があいまいだとレンズ選びで迷いやすくなります。ここでは焦点距離の意味を「なぜそうなるのか」まで噛み砕き、画角の計算、焦点距離の求め方(公式と実測の考え方)、35mm判換算のコツ、撮影ジャンル別の選び方まで、撮影に直結する形で整理します。
この記事のサマリー

焦点距離は「写る範囲(画角)」だけでなく、遠近感やボケ方の印象まで左右します

画角は三角関数の式で決まり、焦点距離が2倍になっても見え方は単純に半分ではありません

焦点距離の求め方は、薄レンズの公式やレンズメーカーの公式で整理すると理解が一段深まります

APS-Cやマイクロフォーサーズでは35mm判換算が必須で、同じ50mmでも画角が変わります

テレコンやズームの使い分け、2026年の超望遠ズーム拡大など「焦点距離の運用」も重要です
焦点距離とは:カメラとレンズで何を意味する数値か

焦点距離は、レンズが平行光を一点に集める「焦点」までの距離として定義され、カメラでは概ねレンズの主点からセンサー面までの距離として扱われます。難しい言葉に見えますが、撮影者にとって重要なのは、焦点距離という数字を暗記することではなく、その違いが写真の印象・遠近感・空気感をどう変えるのかを体感的に理解することです。
焦点距離の英語表記と、レンズ上の読み取りポイント
焦点距離の英語はfocal lengthで、仕様表では「f」や「FL」と略されることもあります。レンズ鏡筒には「50mm」「24-70mm」のようにmm単位で記され、単焦点なら1つ、ズームなら範囲として表示されます。
ここでの注意点は、レンズに書かれた数字が画角の広さの目安だということです。たとえば24-70mmなら、24mmが広角側で広い範囲、70mmが望遠側で狭い範囲を切り取るイメージになります。数字が大きいほど寄れる(拡大できる)と覚えると、現場の判断が速くなります。
焦点距離が変えるのは画角だけではない:遠近感とボケの印象
焦点距離が短いと広く写り、長いと狭く写ります。実写で効いてくるのは、遠近感(パース)と背景の見え方です。広角で人物に寄ると鼻や手前の物が強調され、奥行きが誇張された印象になりやすくなります。
一方、望遠で離れて撮ると背景が近づいて見える圧縮効果が出やすく、人物と背景の距離感が詰まったように感じられます。たとえば同じ人物でも、35mmで近距離スナップにすると生活感が出やすく、135mmで少し離れて撮ると背景が整理されて主題が立ちやすい、という差が生まれます。
焦点距離はカメラの使い方も変える:手ブレと撮影距離の関係
焦点距離が長いほど、わずかな揺れが画面上で大きく見えるため、手ブレのリスクが上がります。昔から1/焦点距離秒程度を最低シャッタースピードの目安にする考え方があり、200mmなら1/200秒を意識する、という運用が基本になってきました。
もう一つは撮影距離です。望遠になるほど同じ大きさで写すには被写体から離れる必要があり、運動会で70-200mmを使うと撮影位置の自由度が下がる一方、背景を整理しやすいメリットが出ます。焦点距離は足で稼ぐ距離まで含めて設計する数値だと捉えると、レンズ選びの精度が上がります。
フルサイズ基準で見る焦点距離ごとの画角と用途
焦点距離と画角の関係がわかると、どのレンズを使えばいいかで迷いにくくなります。広角は、ただ広くたくさん写るレンズではありません。手前を大きく、奥をより遠くに見せるレンズです。空間の広がりや奥行きを強調したいときに向いています。
一方、望遠は遠くを大きく写すだけのレンズではありません。背景を圧縮して、被写体を整理して見せやすいレンズです。人や物をすっきり目立たせたいときに役立ちます。
つまり大事なのはどれだけ写るかではなく、どう見せたいかで焦点距離を選ぶ感覚をつかむことです。これが身につくと、構図の迷いは自然と減っていきます。
画角の計算式:なぜ焦点距離が2倍でも画角は単純に半分にならないのか
画角θは、センサーサイズをS、焦点距離をfとして、概ね「θ=2×arctan(S÷(2f))」で表せます。三角関数が入るため、焦点距離が2倍になったとき画角がきれいに1/2になるわけではなく、体感としては望遠側ほど変化が急に感じやすくなります。
実際、50mmと100mmを比べると焦点距離は2倍ですが、画角はおよそ4分の1程度まで狭くなる、という説明がしばしば登場します。これは面積として切り取る範囲が大きく減るためで、運動会で100mmにした途端に急に窮屈に感じるのは、この非線形な変化が背景にあります。
フルサイズ基準で見る焦点距離ごとの画角と用途
どの焦点距離がどんな写り方をしやすいのかをイメージできるよう、フルサイズ基準で画角の印象と用途をまとめました。
焦点距離(フルサイズ) | 画角の体感 | 得意な被写体例 | 注意点の例 |
|---|---|---|---|
14〜20mm | 超広角、空間が大きく伸びる | 風景、星景、建築内観 | 周辺の歪みと構図の散漫さ |
24〜35mm | 広角、スナップに強い | 旅行、街角スナップ、料理 | 人物に寄ると顔が誇張されやすい |
50mm前後 | 標準、見た目に近い | 日常、物撮り、軽いポートレート | 「寄れない」と感じたら足が必要 |
85〜135mm | 中望遠、背景を整理しやすい | ポートレート、ステージ | 屋内だと距離が取れないことがある |
200〜400mm | 望遠、遠くを大きく切り取る | 運動会、野鳥の入口、航空機 | 手ブレ・被写体ブレ対策が必須 |
600mm以上 | 超望遠、肉眼では小さい被写体向け | 野鳥、月、競技の遠景 | 大気の揺らぎ、機材の安定化が課題 |
表を見ると、35mmはやや広角寄りの万能、85〜135mmは人物のバランスが整いやすいといったように、焦点距離と用途の関係が見えてきます。
たとえば旅行で24mmを多く使えば、風景や街並みまで広く入り、記録性の高い写真になります。一方で同じ旅行でも85mmを混ぜると、看板や建物の一部を切り取ることができ、写真に変化やリズムが生まれます。
焦点距離を変えることは、写る範囲を変えるだけでなく、写真の印象を変えることでもあります。
同じ被写体の大きさに揃えると見え方が変わる:距離と焦点距離のセット運用
焦点距離の議論で混乱しやすいのが、撮影距離を変えるかどうかです。たとえば35mmで人物を胸上に収めるにはかなり近づきますが、100mmなら離れて同じ大きさにできます。このとき変わるのは画角だけでなく、背景の見え方(圧縮)と、被写体の歪みの出方です。
具体例を2つ挙げると、室内で子どもを撮るなら35mmで距離を詰めて一緒にいる感じを出しやすく、屋外でポートレートなら100mmで距離を取って背景を整理しやすい、という使い分けができます。焦点距離だけを変えるのではなく、自分がどこに立つかまで含めて設計すると、狙い通りの写真に近づきます。
焦点距離はどう決まるのかを撮影者目線で理解する

撮影者は通常、焦点距離を自分で測って求める必要はありません。それでも焦点距離の求め方を知っておくと、なぜその数値になるのか、テレコンで何が変わるのか、内部フォーカスで実効的にどう振る舞うのかを論理的に説明でき、機材選びで迷いにくくなります。
薄レンズの公式:1/f=1/a+1/bで見える2倍の焦点距離
学校の物理で扱う代表的な焦点距離の公式が、薄レンズの公式(レンズの法則)です。物体距離をa、像距離をb、焦点距離をfとして「1/f=1/a+1/b」で関係が決まります。凸レンズの実像実験で、スクリーンにピントが合う位置を測るのはこの式の応用です。
ここで頻出なのが焦点距離の2倍(2f)です。物体をレンズから2fの位置に置くと、像も反対側の2fにでき、像の大きさが物体と同じになります。たとえば物体まで40cmで同じ大きさの像になったなら、fは20cmと求められます。焦点距離の2倍が特別な位置として扱われるのは、この対称性が分かりやすいからでしょう。
レンズメーカーの公式:曲率と屈折率から焦点距離が決まる理屈
レンズメーカーの公式(lens maker’s formula)で、レンズの曲率半径や屈折率から焦点距離が計算できます。基本形は「1/f=(n−1)×(1/R1−1/R2)」で、素材の屈折率nが高いほど、また曲率(曲がり)が強いほど、焦点距離は短くなります。
撮影者にとって重要なのは、なぜ明るい望遠レンズほど大きくて高価になりやすいのかを理解することです。望遠レンズは焦点距離が長いため、光を遠くで集める設計になります。そこにF2.8のような明るさを持たせようとすると、より多くの光を取り込む必要があり、前側のレンズは自然と大きくなります。
さらに、望遠で大口径になるほど色にじみや歪みといった収差も出やすくなるため、それを抑えるには大きなガラスや複雑なレンズ構成が必要になります。
カメラ用レンズの焦点距離はどう決まる?内部フォーカスと表記の実務
現代レンズの多くは内部フォーカスで、ピント位置によってレンズ群の配置が変わります。そのため、厳密には近距離で焦点距離がわずかに短くなるなど、実効的な振る舞いが変化することがあります。マクロ寄りの撮影で思ったより寄れない、倍率が違うと感じる原因の一部はここにあります。
とはいえ、レンズ銘板の焦点距離表記は規格に基づいており、撮影や選定の基準として十分に実用的です。必要なら、撮影データ(EXIF)に記録された焦点距離を見て、自分が実際に使っているレンジを把握すると上達が早くなります。たとえば24-70mmを買ったのに実際は35mm付近ばかりなら、次は35mm単焦点を検討するなど、焦点距離を“自分の癖”として扱えるようになります。
センサーサイズと35mm判換算:焦点距離が同じでも画角が変わる理由
焦点距離はレンズ固有の値ですが、写真の見え方(画角)はセンサーサイズで変わります。そこで登場するのが35mm判換算です。フルサイズを基準に同じ画角に相当する焦点距離を揃える考え方で、APS-Cやマイクロフォーサーズでレンズを選ぶときに欠かせません。
換算係数の早見:APS-Cは約1.5倍、マイクロフォーサーズは2倍
下の表は、代表的なセンサーサイズと、それぞれの35mm判換算係数の目安をまとめたものです。
センサーの例 | 換算係数の目安 | 50mm装着時の換算 | 特徴(撮影上の実感) |
|---|---|---|---|
フルサイズ | 1.0倍 | 50mm相当 | 表記通りの画角感で考えやすい |
APS-C(多くの機種) | 約1.5倍 | 75mm相当 | 標準域が短めに、望遠が有利 |
APS-C(キヤノン系) | 約1.6倍 | 80mm相当 | 同じ50mmでもさらに狭く感じやすい |
マイクロフォーサーズ | 2.0倍 | 100mm相当 | 望遠換算が強く、システムが軽量化しやすい |
同じ50mmのレンズでも、センサーサイズが小さくなるほど写る範囲は狭くなります。係数が大きいほど、見え方は望遠寄りになります。たとえば、
50mmをマイクロフォーサーズで使うと、見え方はおよそ100mm相当になります。
レンズの焦点距離そのものが変わるわけではありませんが、どの範囲を切り取るかが変わるため、画角の印象が変わります。
換算係数は、異なるセンサーサイズ同士で画角を比べるための目安と考えるとわかりやすいでしょう。フルサイズ基準の画角を、係数で割ると必要な実焦点距離が出ると覚えるのが実務的です。たとえばフルサイズ35mm相当で撮りたいなら、APS-C(1.5倍)では約23mm、マイクロフォーサーズ(2倍)では約17mmが目安になります。
50mmは標準の落とし穴:APS-Cでは中望遠になりやすい
初心者がつまずきやすいのが、50mm単焦点=標準という知識を、そのままAPS-Cに当てはめてしまうケースです。APS-Cで50mmを使うと75〜80mm相当になり、室内スナップでは思ったより引けないと感じがちです。家族の食卓や子どもの室内遊びだと、背景まで入れた記録が難しくなることがあります。
逆に、この性質はポートレートでは武器になります。APS-Cで50mmを使うと中望遠相当になるため、顔の比率が整いやすく背景も整理しやすいからです。たとえばCanon EOS R7のようなAPS-C機は、望遠側の画角を稼ぎやすく、スポーツや野鳥の入門で扱いやすい方向性がはっきりしています。
望遠の得とボケの誤解:換算で寄れるが被写界深度は別問題
換算係数が大きいカメラは、同じレンズでも狭い画角になるため寄れるように見えます。野鳥や航空機でフレーミングしやすいのは事実です。一方で換算で焦点距離が長い=ボケも同じだけ増えると考えるのは早計で、ボケは実焦点距離や撮影距離、絞り、センサーサイズが絡みます。
具体例を挙げると、マイクロフォーサーズの25mm F1.4は換算50mm相当の画角ですが、ボケ量はフルサイズの50mm F1.4と同一にはなりません。背景を大きくぼかしたいなら、換算ではなく実焦点距離とF値、撮影距離で考える癖を付けると、期待外れが減ります。
焦点距離とF値・被写界深度:ボケと明るさを計算でつなぐ

焦点距離が分かると、F値(絞り)やボケの理解が一気につながります。F値は単なる明るさの記号ではなく、焦点距離とレンズ口径の比で決まる数値です。つまり焦点距離の長短は、明るいレンズが作りにくい、作りやすいにも直結します。
F値の公式:F値=焦点距離÷有効口径で見える「望遠が暗くなりやすい理由」
F値の定義は「F値=焦点距離÷有効口径」です。たとえば有効口径が30mmなら、焦点距離60mmでF2.0、焦点距離120mmでF4.0になります。同じ明るさ(同じF値)を望遠で実現するには、口径を大きくしなければならず、レンズが大きく重く高価になりやすいわけです。
実用面では焦点距離ごとに明るいの基準が違うことを押さえると判断しやすくなります。50mmならF1.8でも背景をぼかしやすい一方、200mmならF4でも十分に被写体が浮きやすいケースがあります。暗所に強いレンズを選ぶときは、焦点距離とF値をセットで見て、必要なシャッタースピードまで逆算するのが確実です。
被写界深度は焦点距離の二乗に効く:2倍の焦点距離で浅さは4倍側に寄る
被写界深度(ピントが合って見える奥行き)は、焦点距離が長いほど浅くなりやすく、短いほど深くなりやすいという性質があります。簡略化した式では、被写界深度は焦点距離の二乗に反比例する形になり、焦点距離が2倍になると被写界深度は4分の1側に寄ります。
たとえば同じ位置から35mmと70mmで撮ると、70mmのほうが背景ボケは大きく感じやすいでしょう。ただし被写体の大きさが同じになるように距離も変えると差が縮むことがあります。35mmで寄れば寄るほど被写界深度が浅くなるため、焦点距離だけでボケを語れないのが写真の面白いところです。
ボケを増やす実践テク:焦点距離・距離・背景の3点セットで考える
ボケを狙うときは、焦点距離を長くする、被写体に近づく、背景を遠ざけるの3つが効きます。たとえば85mmで人物を撮るとき、背景がすぐ後ろの壁だと意外とボケず、背景まで5〜10m距離がある公園だと一気に分離が良くなります。
もう一つの例は料理撮影です。24mmで皿に寄るとボケは出ても遠近感が誇張され、量感が不自然になることがあります。50mm前後で少し引き、背景を整理して撮ると、皿の形が自然でボケも素直に出やすくなります。焦点距離はボケ量だけでなく形の自然さにも関係するため、目的別に選ぶ価値があります。
焦点距離別の使い分け:広角・標準・中望遠・望遠の得意分野
焦点距離の分類(広角、標準、中望遠、望遠)は単なる呼び名ではなく、撮影者の立ち位置と写真表現の方向性を決める指標です。ここでは何が得意で、どこに落とし穴があるかを、実際の撮影シーンに引き寄せて整理します。
広角(概ね35mm以下):情報量と奥行きを手に入れる代わりに歪みと整理が課題
広角は、風景や建築、旅行スナップでその場の空気を入れられるのが最大の強みです。24mmで街角を撮ると看板や人の流れまで写せて、14〜20mmの超広角なら室内の狭い空間でも全体像を描けます。前景に花や柵を入れて奥行きを作るのも定番の使い方です。
一方で、周辺の歪み(樽型歪曲)や、構図の散漫さが課題になります。建築で柱が曲がって見える、人物を端に置いたら体が伸びたように写った、という失敗は広角あるあるです。広角は主題を決め、余計な情報を削る意識があるほど、気持ちよく使えます。
標準(約35〜70mm):見た目の自然さと、構図作りの学びが両立する
標準域は、被写体の比率が自然で、日常の撮影に最も使いやすいレンジです。35mmはスナップで万能、50mmは画面の整理がしやすく、被写体に寄る・引くの練習になります。70mmまで入ると簡単なポートレートや物撮りでも背景が整理しやすくなります。
注意点は、さきほど触れた50mm標準の前提がフルサイズ寄りだということです。APS-Cでは35mm前後が体感としての標準に近くなります。最初の1本で迷ったら、ズームの中で自分がよく使う焦点距離を確認し、単焦点に置き換える発想を持つと失敗が減ります。
中望遠〜望遠(70mm以上):圧縮効果と背景整理、ただしブレ対策が必須
70〜135mmの中望遠は、人物の顔や体の比率が崩れにくく、背景も整理しやすいのでポートレートの定番です。85mm前後は特に扱いやすく、屋外なら背景を大きくぼかして主題を立てられます。ステージ撮影でも、余計な客席情報を切り落として被写体に集中できます。
200mm以上の望遠では、運動会や野鳥、航空機など近づけない被写体で威力を発揮します。反面、手ブレと被写体ブレが一気に難しくなるため、シャッタースピードを上げる、手ブレ補正を活用する、連写とAF追従に強い設定にする、といった運用が重要になります。同じ1枚でも、焦点距離が長いほど撮影技術が画質に直結すると考えるとよいでしょう。
ズームと単焦点の焦点距離設計:失敗しない組み立て方

焦点距離は1本のレンズで完結させる必要はありません。ズームで幅を持たせるのか、単焦点で明るさや描写を優先するのか、複数本で役割分担するのかを整理すると、必要な焦点距離を最短距離で揃えやすくなります。
ズームレンズ:焦点距離を試せるのが最大の価値
ズームの強みは、撮影位置を変えにくい場面で構図を調整できることです。運動会の保護者席、イベント会場の立ち位置固定、旅行中の混雑した場所などでは、足で寄れない代わりに焦点距離で寄る必要があります。24-70mmや24-105mmの標準ズームが定番なのは、こうした制約に強いからです。
加えて、ズームは焦点距離の学習にも役立ちます。撮影後に24mmが多い、50mm付近ばかりなど傾向を確認すると、自分の得意画角が見えてきます。ズームで得たデータを、次の単焦点選びに反映させる流れは、初心者ほど効きます。
単焦点レンズ:明るさと描写の優位、そして構図力が伸びやすい
単焦点は焦点距離が固定の代わりに、大口径化しやすく、ボケや暗所性能で優位になりやすい傾向があります。たとえばF1.8クラスの標準単焦点は、室内の自然光でもシャッタースピードを稼ぎやすく、ISO感度を上げすぎずに撮れる場面が増えます。
もう一つの価値は、撮影距離を自分で決める癖が付くことです。ズームだとリング操作で構図をまとめられますが、単焦点は一歩前に出るか、引くかを毎回選びます。その積み重ねが、写真の遠近感の扱い(歪みを避ける、圧縮を使う)を体で覚える近道になります。
焦点距離の穴を埋める発想:24mmと50mm、35mmと85mmなどの組み合わせ
レンズを複数本持つなら、焦点距離の役割分担を先に決めると納得感が高まります。たとえば旅行なら「広角寄り(24〜35mm)+標準(50mm)」で情景と切り取りを両立しやすく、家族写真なら「35mm+85mm」で室内と屋外ポートレートの両方をカバーしやすいでしょう。
また、望遠が必要な人は標準ズーム+望遠ズームの2本でまず完成させ、足りない明るさを単焦点で補う考え方が堅実です。焦点距離の設計は、機材の数を増やすことではなく、撮りたい被写体に対して立ち位置と画角の自由度を確保する作業だと捉えるとブレません。
テレコンと最新トレンド:焦点距離を伸ばす手段と2026年の選択肢
焦点距離はレンズ交換だけでなく、テレコンバーター(テレコン)や高倍率ズームでも拡張できます。近年は超望遠ズームや高倍率ズームが実用画質で揃ってきているため、焦点距離をどう運用するかの選択肢が増えています。
テレコンで焦点距離は何倍になる?明るさが落ちる理由まで整理する
下の表はテレコン倍率で焦点距離とF値(明るさ)がどう変わるかをまとめたものです。焦点距離が伸びるほど、撮影は楽になりますが、光量低下とAF条件の厳しさがセットで付いてきます。
テレコン倍率 | 焦点距離の変化 | F値の変化(目安) | 具体例(200mm F2.8の場合) |
|---|---|---|---|
なし | ×1.0 | 変化なし | 200mm F2.8 |
1.4倍 | ×1.4 | 1段暗くなる | 280mm F4相当 |
2.0倍 | ×2.0 | 2段暗くなる | 400mm F5.6相当 |
2倍テレコンで焦点距離が2倍になる一方、明るさが2段落ちるのは、像が拡大されて単位面積あたりの光量が減るためです。野鳥で「あと少し寄りたい」には効きますが、曇天や夕方ではシャッタースピードが稼げず、結果として解像が落ちるケースもあるため、光量と被写体の動きまで含めて判断したいところです。
超望遠を一本でが現実的に:超望遠ズームの実用化
超望遠は単焦点が王道でしたが、現在は一本で長焦点距離を確保できるズームが現実的な選択肢として定着してきました。代表例として、Canon RF200-800mm F6.3-9 IS USMのように、800mmまでをズームでカバーする設計は、機材の組み替えを減らし、チャンスに強くなります。
ただし開放F値は暗めになりやすく、晴天の屋外や高感度に強いボディとの組み合わせが前提になりがちです。逆に言えば、日中の野鳥、航空機、屋外スポーツでまず写すを優先するなら、焦点距離を途切れさせずに運用できる価値はかなり大きいでしょう。
高倍率コンデジと高倍率ズーム:焦点距離の拡張をシステム全体で考える
レンズ交換式だけが解ではありません。たとえばNikon COOLPIX P1100のように、24-3000mm相当という極端な焦点距離域を1台で持ち運べる方向性は、月や遠景の野鳥などとにかく長焦点距離が必要」な用途に刺さります。三脚座や操作性も含め、撮影体験が最初から最適化されているのが強みです。
交換式でも、高倍率ズームの画質が底上げされてきました。TAMRON 25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2のように、広角寄りから望遠までを1本で持ち歩ける設計は、旅行や取材でレンズ交換の時間を減らしたい人に向きます。さらに小型センサー系では、OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROのような明るい望遠ズームが換算100-400mm相当をカバーし、携帯性と焦点距離を両立しやすくなっています。
焦点距離のまとめ
焦点距離は、写る範囲(画角)を決めるだけでなく、遠近感の印象、背景の整理、ボケの出方、手ブレの難しさまでまとめて動かす写真の設計値です。画角の計算式や薄レンズの公式をざっくり理解しておくと、焦点距離の2倍や換算係数、テレコンでの変化も一本の線でつながります。次の一歩としては、手元のズームで自分がよく使う焦点距離を撮影データから確認し、その画角を単焦点や上位ズームで強化するのがおすすめです。焦点距離を数値ではなく立ち位置と表現の選択”として扱えるようになると、レンズ選びの迷いは確実に減っていくでしょう。
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