
CP+で“真っ二つ”になったRX1R III。ミクロン調整が語る、フルサイズコンデジの本気
CP+は毎年「新製品の場」になりがちですが、2026年のソニーブースで刺さったのは、スペック表でも作例でもなく、まさかの“断面”でした。RX1R IIIを切断したカットモデル展示。レンズとセンサーの距離が異様に近い。そしてメーカー側は、成立の鍵はミクロン単位の精密調整だと語ったといいます。RX1R IIIは、61MPのフルサイズセンサーにZEISS Sonnar T 35mm F2を固定で組み合わせた、いまの市場でもかなり異端のカメラです。今回は、CP+の“切断展示”が何を意味するのかを、設計・製造・ユーザー体験・競合動向まで一気にほどきます。
この記事のサマリー

CP+ 2026でRX1R IIIのカットモデル展示。レンズとセンサーを極限まで近づけ、ミクロン単位で位置を追い込むから小型でもシャープ、というメーカー発言が話題。

RX1R IIIの断面展示は“設計思想の公開”。61MPフルサイズと35mm F2固定を成立させる鍵が、レンズと撮像面の高精度最適化にあることを示した。

ライカQ3やX100VI、GR IIIが並ぶ高級コンパクト市場で、ソニーは断面で勝負。固定レンズの弱点を精度と機能(クロップ/マクロ)で押し返す狙いが見える
会場で起きていたこと:RX1R IIIのカットモデル展示

まず事実関係から整理します。Sony Alpha Rumorsによれば、CP+ 2026の会場でソニーはRX1R IIIのボディを切断し、内部構造が見える状態で展示しました。そこで強調されたのが、レンズがセンサーに極めて近い位置に収まっている点です。
こういう展示は、単に“珍しいから”で終わりません。ソニーは「小型のまま高画質を成立させるために、レンズと撮像面(イメージングサーフェス)の位置関係を最高精度で最適化した」と公式にも説明しています。 つまり、断面展示はデザイン自慢ではなく、工学の説得です。RX1R IIIは、構造そのものが商品価値になっています。
なぜミクロン単位が必要なのか:61MPの“厳しさ”は誤魔化せない
今回の話の核心は「ミクロン単位の精度」という言葉です。Sony Alpha Rumorsは、ソニーがミクロンレベルの精密さが必要だと説明し、さらに“各個体でレンズとセンサー位置をミクロン単位で合わせるから小型でもシャープ”という趣旨の発言があったと伝えています。
ここから先は、編集部の解釈を明確に分けて書きます。
確定していること
・メーカー側が、レンズとセンサーの位置関係を高精度に最適化している、と説明している
・RX1R IIIは61MPフルサイズセンサーと35mm F2固定レンズを組み合わせている
考察(推測を含む)
61MPクラスになると、わずかな傾きや芯ズレが四隅の解像や片ボケとして表面化しやすい。しかもRX1R IIIはレンズ交換で逃げられない固定レンズ機です。だからこそ、量産段階での個体差を抑えるために、通常以上の“追い込み”が価値になる、この筋はかなり自然です。
固定レンズのメリットは「自由がない」ではなく「最適解を固定できる」こと
RX1R IIIの立ち位置は、交換レンズ式のαシリーズとは別競技です。ソニーはRX1R IIIを、61MPのExmor Rフルサイズセンサー、BIONZ XR、ZEISS Sonnar T 35mm F2の組み合わせとして明確に打ち出しています。
固定レンズが有利になる瞬間は、レンズを取り替えられない代わりに「この1本に合わせてセンサー位置や光学性能を突き詰められる」点です。公式発表でも、レンズ位置と撮像面の最適化を高精度で行ったことが、コンパクトな筐体でも高い光学性能を狙う理由として語られています。
CP+の断面展示は、その思想を一発で理解させるプレゼンでした。
写りの話もしておく:ステップクロップとマクロが“固定35mm”を広げる
RX1R IIIは35mm単焦点に見えますが、実運用はもう少し柔らかい。公式情報として、Step Crop Shootingで35mm/50mm/70mm相当の画角を切り替えられ、RAWなら後から画角を選び直せることまで触れられています。 さらにマクロリングでマクロモードに切り替え、最短20cm、最大倍率0.26倍という説明もあります。
このあたりは、固定レンズ機の欠点を“機能設計”で薄めてきた部分。ミクロン精度の話が設計思想だとしたら、ステップクロップとマクロはユーザー体験の思想です。
競合と市場動向:高級コンパクトは、いま再び“工学勝負”になっている
RX1R IIIが面白いのは、ライバルが明確だからです。
製品名 | センサー | レンズ | 特徴・ポジション |
|---|---|---|---|
ライカ Q3 | フルサイズ(約60MP級) | Summilux 28mm F1.7(固定) | フルサイズ高級コンパクトの代表格。高解像センサーと大口径28mmで描写重視の路線。 |
富士フイルム X100VI | APS-C(40.2MP) | 23mm F2(35mm相当・固定) | APS-C固定レンズ高級コンパクトの王道。高画素とクラシックな操作系を強く打ち出す。 |
RICOH GR III | APS-C(約24MP) | 28mm相当(固定) | さらに小型軽量へ振った系譜。携帯性重視の28mm単焦点コンパクトとして根強い支持。 |
そしてRX1R IIIは、「10年ぶり級の復活」として驚きをもって迎えられた文脈もあります。こうして見ると、各社とも“サイズと画質の綱引き”を別解で解いています。ソニーは今回、断面展示で「綱引きの勝ち筋は精度だ」と言い切りに来たように見えます。
まとめ
CP+でRX1R IIIを切断して見せたのは、ソニーが「このカメラはスペックではなく、成立条件まで含めて買ってほしい」と言っているようなものです。レンズがセンサーに極端に近い構造、そしてミクロン単位の精密調整。固定レンズのフルサイズコンパクトが“贅沢な趣味”に見える時代に、ソニーは工学で殴ってきました。 スペック表の外側にある価値を、ここまで正面から語れるメーカーは意外と少ない。だからこそ、この断面展示はニュースになりました。
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