
ニコンD5がアルテミスII採用、10年選手DSLRの理由




NASAの有人月フライバイ「アルテミスII」で、2016年登場のニコンD5が“主力の手持ちカメラ”として搭載されたことが話題です。最新ミラーレス全盛のいま、なぜ10年前の一眼レフが選ばれたのか。公式発表と報道で確認できる範囲を押さえつつ、宇宙という極限環境ならではの選定基準を、写真目線で読み解きます。
この記事のサマリー

アルテミスIIのオリオン宇宙船で、ニコンD5 2台が主要な手持ち撮影システムとして使われた

選定理由の軸は「実績にもとづく信頼性」と「実用高感度の強さ」で、スペックの新しさが最優先ではない

一方でニコンZ9も搭載され、深宇宙放射線環境での将来運用を見据えた評価目的だったと報じられている

レンズは広角〜超望遠まで、実績重視の構成が伝えられている

暗所に強い機材を選ぶとき、画素数や新機能だけでは測れない“用途の物差し”が見えてくる
アルテミスIIで「D5が主力手持ち」になった事実

今回のトピックは噂ではなく、メーカー発表とNASA側の公開素材、そして複数の海外メディア報道によって「ニコンD5が主要な手持ちカメラとして積まれた」ことが確認されています。ミッションの華やかな話題に見えますが、写真機材として見ると“古いボディが残った”ではなく、“必要条件に合った道具が残った”という話に近いでしょう。
公式に確認できる範囲:ニコン発表とNASA公開素材
一次情報としては、NASAの技術資料や公開資料から、アルテミスIIでNikon D5が手持ち撮影に使われたことを確認できます。なお、ニコンの公式リリース(Nikon)はアルテミスIII向けのZ 9ベース機材開発に関する内容です。NASAの公式素材ページ(NASA)では、ミッション関連の写真・動画がまとまっており、撮影システムが“記録の中核”だったことが読み取れます。
報道で補強される運用像:D5は2台、Z9は評価目的
運用の内側は、たとえばDigital Camera Worldなどが具体的に報じています。主力の手持ちとしてD5が2台、加えてZ9が放射線環境での評価目的で搭載された、という整理です。特に“最後にZ9が追加された”という点は、最新機を否定したのではなく「安全側の本番機材+将来の検証」を同時に走らせた、と解釈するほうが自然です。
なぜ10年前のD5が選ばれたのか:高感度と信頼性
最新ボディが不利だった最大の理由は「ミラーレスか一眼レフか」よりも、深宇宙という特殊環境での“確実性”でしょう。D5は高画素で勝負するカメラではありませんが、暗所での実用画質、光学ファインダーの堅牢な運用、操作系の分かりやすさなど、宇宙ミッションで評価されやすい要素を積み重ねてきました。
実用高感度の強さ:20.8MPという設計が効く場面
ニコンD5はルサイズ20.8MPは、現代の高画素機と比べると控えめですが、1画素あたりの受光面積を確保しやすく、結果として高ISOでノイズを抑えやすい方向に働きます。報道例として、ISO 51,200・1/4秒といった厳しい条件の写真が言及されており、“数値上の最高ISO”より、仕事で使える高感度が評価されたと捉えると分かりやすいでしょう。
極限環境の運用:光学ファインダー、冗長性、既知の挙動
宇宙では、故障時に交換や修理ができない前提で、単一点故障を減らす思想が強くなります。D5は光学ファインダー(電子表示に依存しない覗き窓)で消費電力や表示系トラブルのリスクを抑えやすく、カードスロットが二つある点も“バックアップが組みやすい設計”です。さらに重要なのが、ISSなどで積み上がった運用実績により、放射線や温度変化に対する挙動が読みやすいこと。新しさより「分かっていること」が価値になるのが、宇宙のリアルです。
D5とZ9の立ち位置:最新機は“テストの意味”が大きい
話題が独り歩きしがちですが、最新ミラーレスが持ち込まれなかったわけではありません。アルテミスIIではZ9も搭載され、主に深宇宙環境での評価を狙った、という筋立てが報じられています。ここは「D5が勝った/Z9が負けた」と単純化せず、役割分担として理解するのが安全です。
主要ポイントだけ、数字で差が出るところを整理
両機の違いは多岐にわたりますが、宇宙撮影の文脈で論点になりやすいのは、解像度よりも高感度と電子依存度です。たとえばD5はISO 100-102,400(拡張はさらに上)という“高感度側に余裕のある設計”が特徴で、Z9は高解像・高速読み出し・高度な電子制御が強みです。後者の強みは地上では大きな武器ですが、深宇宙では「未知の電子挙動」がリスクにもなり得ます。
項目 | D5 | Z9 |
|---|---|---|
センサー | フルサイズCMOS 20.8MP | フルサイズ積層型CMOS 45.7MP |
常用ISO(メーカー発表の数値) | ISO 100-102,400 | ISO 64-25,600 |
拡張ISO(メーカー発表の数値) | 最大 ISO 3,280,000 | 最大 ISO 102,400 |
ファインダー | 光学ファインダー | 電子ビューファインダー |
連写 | 約11コマ/秒 | 約20コマ/秒(フル解像度の例) |
超高速連写 | — | 最大約120コマ/秒(解像度を落とすモードの例) |
“最新機を積む”のは否定ではなく、次への準備
ニコンZ9は「次に主役になり得る候補」の側面が強いでしょう。D5で確実に成果を出しつつ、Z9で放射線影響などのデータを持ち帰る。もしそうした設計なら、アルテミスIII以降での選定精度が上がります。写真家に置き換えるなら、重要案件は慣れた機材で押さえつつ、新機材はサブで検証するのと同じ考え方です。
搭載レンズが示す“撮りたい絵”の幅:広角〜超望遠
ボディが注目されがちですが、宇宙ミッションの写真はレンズ選びで性格が決まります。報道では、船内の記録から月面のディテールまでを1セットで担うため、広角ズーム・標準単焦点・望遠ズームが組み合わされたとされています。新しい光学系より、実績のある定番が選ばれている点も、今回のストーリーと相性が良いところです。
3本のレンズ構成:広角、標準、望遠で役割が明確
言及されている代表的なレンズは、Nikkor 14-24mm f/2.8、Nikkor 80-400mmです。14-24mmは狭い船内で全体を入れる用途に強く、80-400mmは月面の起伏やクレーターを引き寄せ、観測的な写真にも説得力を出せます。
写真好きが注目したいのは「最短で目的を満たす」思想
宇宙では、撮影者が厚手のグローブを着けていたり、機材の置き場所や交換手順に制限があったりと、地上の撮影常識がそのまま通りません。そこで効いてくるのが、ズーム域で“画角の保険”を持たせる、軽い単焦点で取り回しを確保する、といった現実的な組み方です。星景や夜景を撮る人にとっても、カタログスペックだけでなく、運用の確からしさが大事だと再確認させてくれます。
ニコンD5、10年前のカメラがNASAアルテミスIIに正式採用の最新情報まとめ
アルテミスIIでは、10年前に登場したニコンD5が主要な手持ち撮影に使われ、信頼性と実用高感度が最優先されたことが読み取れます。いっぽうでZ9も搭載され、次のミッションへ向けた評価という役割が強い点がポイントです。暗所撮影や過酷環境での撮影を重視する人は、「画素数の競争」だけでは測れないカメラ選びの軸を、このニュースから持ち帰れるでしょう。
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